アモルファスシリコンモジュールって聞いた事ありますか?

従来多結晶シリコンや単結晶シリコンとは異なった不規則な原子配列になっていることが特徴のモジュールです。

アモルファスとは結晶構造の一つになります。アモルファスシリコンの場合、シリコン原子の隙間に不純物が混ざっており、それぞれの原子間の距離が違った構造になります。

そのままでは効率の良い発電は出来ませんので、不純物を取り除いたI型シリコンを挟み、発電のロスを防ぐ様にPIN接合型のモジュール構造になっているのが特徴です。

それでは詳しく見ていきましょう。

アモルファスシリコンモジュールの特徴

半製品という特徴を持ち、一般的な太陽電池の様に屋根に設置を行なう事も出来る上に、壁面にも設計次第では設置できるなど多様なモジュールになります。

また結晶系の太陽電池に比べ軽量で、設置家屋などの負担が軽減されるのも特徴の一つです。薄く外観を損ねない、ガラス特有の反射などもなく、外観を気にされる方にもオススメのモジュールとなります。

アモルファスシリコンモジュールのメリット

アモルファスシリコンモジュールは結晶系のモジュールとは違い、光を多く吸収する事が大きなメリットとして挙げられます。発電するための厚さが他のモジュールと比較した際に、より薄い膜圧でも発電する事が可能という特徴を持っています。

フィルム状になっているので、ガラスやステンレスなどにもアモルファスシリコンのフィルムを貼る事もでき、軽量+加工がしやすいモジュールと言えます。それによって、形状を変えることができるので、どんな屋根の形にも対応出来るのも特徴です。

また結晶系モジュールよりも簡単な構造になっているので、コスト面で見た場合も安くなることが設置する側から見れば魅力的なところと言えます。

気温が高い場合などでも、安定した発電ができるという特性もあり、電圧の調整が事由にできる事から、パワーコンディショナと調整を行いやすい部分も設置してからの問題が出にくいと言えます。

アモルファスシリコンモジュールのデメリット

設置の面で見ると大変柔軟な特徴を持つアモルファスシリコンモジュールですが、変換効率が他のモジュールに比べ低いと言うデメリットがあります。

多結晶シリコン型モジュールと比較すると、およそ3%〜9%変換効率が低くなってしまいます。

何層も重ねるなどの検討材料によって、変換効率を上げる取り組みや研究がされていますが、微結晶シリコン層を使った微結晶タンデム型アモルファスシリコン太陽電池でも、10%を少し超えるくらいの変換効率しか出ないのが現状です。

デメリットとして、この変換効率をどのように上げていくのかということがこれからの大きな課題です。

また、劣化も懸念されています。他のモジュールに比べ、太陽光による劣化が見られる事もあり寿命が短い事もデメリットとして考える必要があります。

課題はたくさん。でも可能性は大きい!

以上の事から分かる通り、まだまだ課題が残るアモルファスシリコンモジュールです。

しかし、安価であったり、どんな屋根にも対応出来る柔軟なモジュールとしては可能性が大きいと言えます。

一長一短と言う言葉がありますが「この屋根では太陽光発電システムは利用できません。」などと断られるような住宅でもアモルファスシリコンモジュールなら、適応出来る可能性も出てきます。

劣化などの課題がある事は事実ですが、メンテナンスなどをしっかり行なう事や、本来太陽光発電を設置出来ないという屋根にも設置出来るのは魅力と言えますね。

設計などで様々な形状に対応出来るモジュールですので、屋根だけではなく、ガレージなどの住宅以外でも上手く利用できるモジュールと言えるでしょう。