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太陽光発電の仕組み・基礎知識

「太陽光発電 場所貸し」ってなに?

公開日:2016年10月25日
2012年7月から固定価格買取制度がスタートしたことからも、再生可能エネルギーについての興味・関心が高まり、それにともなって普及スピードも加速しています。特に太陽光発電の一般家庭への浸透は目覚ましい発展を遂げています。

業者による太陽電池の設置も増加しているのですが、設置場所の確保が重要な課題になっています。土地を購入して設置するだけでなく、自社ビルの屋上や工場・倉庫の屋根になどいたるところに設置。コスト面での負担や設置できる場所に限りがあることからも、最近では賃借による設置が積極的におこなわれています。

賃借の場合では初期投資費用が少なくて済みますし、賃借料を支払っても収益を確保することができるとして広がりを見せているのです。

使い道のない屋根で安定した収入が得られる


太陽光発電の設置の為の「場所貸し」には、さまざまなメリットがあるとして注目されています。普段あまり使われない工場やビル、倉庫の屋根を貸すことで、賃借料といった利益を得ることができるのです。自分が設置するわけではないので、初期投資費用などのリスクもありません。

また、停電時の非常用電源として使う事ができる、太陽光パネルの設置にともなっておこなわれる屋根の防水加工などで、屋根や家屋を守り寿命を延ばすといった利点も。しかも、太陽光パネルを設置することで、夏は照りつける太陽光からの遮効果が。屋根が受ける熱量というのは真下の部屋を暖めるほどですから、それを遮ってくれるのは助かります。

場所貸しできる条件


場所貸しできる屋根には、屋根の面積や材質、形状、建物の種類など…設置できる条件があります。公共施設とか規模の大きめの工場や倉庫の屋根を中心におこなわれており、個人住宅での場所貸しは、あまりおこなわれていないのが現状。設置するとなると、10kw以上の設備がないと難しいのです。

数年前にいくつかの会社が個人住宅への場所貸しを募集していましたが、今ではほとんどが終了しています。設置する方としては、十分な日射量の確保や自然災害へのリスク回避などを考慮していますので、規定以上の発電量が見込めない、豪雪地域などは設置候補から外すしかないのです。

場所貸しの対象物件


場所貸しの一般的な対象物件は、主に下記となります。

公共施設や自治体が所有する屋根や土地 県市庁舎や公立学校、公会堂、消防署、スポーツ施設、自治体が所有する更地。準公共施設として、寺社仏閣の屋根や駅舎、駅のプラットフォーム、私立学校、郵便局などもあります。

・規模の大きい流通倉庫 最低でも3000㎡の広さは必要。
・介護施設 特別養護老人施設(特養)や老人健康施設(老健)、高齢者専用賃貸住宅など。
・規模の大きい分譲マンション 賃貸マンションやアパート以外の分譲マンションで6階以上の建物、しかも屋根の広さが最低でも1500㎡は必要。

求められる日射量


場所貸しには、日当たりがよく、影となる障害物がなく日中ほとんど発電できる場所が求められます。日本は山が多い地形で、南側に山があっても太陽高度が高いのでなんとかなりますが、東と西は太陽を隠してしまうので日射量が少なくなり厳しくなります。

とはいえ、発電パネルは南向きに設定しますので、極端に山が近くにない限りは大丈夫です。 また、発電パネルに落ち葉や雪などが積もりやすい地域では、発電量が下がってしまうのでこれもダメ。周囲に落葉樹があったり、気象データから降雪が多いと予測できるとなると難しくなります。降雪は10cm以上となると、発電に大きく影響を与えてしまうのですから、それ以下の地域が対象となります。

電柱と地盤も大事な設置条件


発電した電気を売るためには、太陽光発電設備だけでなく電柱も必要です。近くに電柱がないと、新たに設置する必要がでてきます。この設置時にかかる費用は、売電目的となりますので一般的には申し込んだ事業者が負担します。その為、近くに電柱がある土地や、設置するにしても費用が小さいと推定できるところが好まれます。

さらに、土地に設置するのであれば、地盤も無視できないものとなります。発電パネルを設置する架台の固定が簡単な場所が好まれるのです。

地目で違う、太陽光発電の設置



太陽光発電の設置は、土地の状態によってできないこともあります。宅地は電気もひかれている事が多いので特に問題なくできますが、雑種地や農地、山林、原野は改良しなければできないことも。

雑種地や原野ではパネルを設置できるかどうかの地盤の確認が必要で、農地は転用許可が必要となります。山林は樹木を伐採するための届け出が必要で、広い場所では開発許可も得なければいけません。

宅地以外は送電線の設置も考えなくてはならず、他者の所有地にはいらないかどうかの確認も必要になるとして、場所貸しするにはさまざまな条件をクリアしなくてはいけないのです。

場所貸しで得られる利益


太陽光発電の設置場所を提供することで得られる利益ですが、実はそこまで高い金額ではありません。場所貸しによる利益は地域によっても変わりますが、大体1㎡あたりで年間数百円程度。初期費用はかかりますが、自分で太陽光発電を設置した方がはるかに高い利益を得られることがほとんどなのです。

しかも、固定価格買取制度では損をしないように考えられていますので、自分で設置する事によるリスクもそこまでありませんし、グリーン投資減税といった税金の優遇が受けられるのですから、場所貸しでの利益はあまりあてにはできないのです。

賃借料の算出方法とは?


場所貸しによる賃借料の算出方法には、面積に対して価格を設定する方法と、売電収入の一定割合から算出する方法のどちらかとなります。 面積による賃借料の計算では、年間で1㎡あたり数百円。高いところでは500円を超えるようですが、安いところでは100円なんてところもあります。

収益は、屋根全体とするのかパネルの設置部分のみにするかで変わり、後者の場合は単価が高くなります。 そして、売電収入による割合では、一般的には収入の5~10%ほど。売電収入は一定ではありませんので、賃借料も変動し安定しません。

被災地でも取り入れられている場所貸し



場所貸しは、2011年3月に発生した東日本大震災による災害公営住宅でも取り入れられています。災害公営住宅による場所貸しは県が執り行っており、発電事業者を公募型プロポーザル方式で募集。市町村の職員だけでなく、外部有識者なども入れた委員で審査・選定をおこないます。

選定された事業者は、建設や撤去工事期間を含めた20数年間にわたって、賃借料を支払う事となります。 災害公営住宅に住む人にもメリットがあり、停電といったトラブルが発生した場合は、入居者が無償で利用できるようになっています。

市民・企業・大学・行政がつながる「自然エネルギー信州ネット」


長野県では、市民・企業・大学・行政による協働ネットワーク「自然エネルギー信州ネット」において、県内の自然エネルギーの普及が推し進められています。

大規模な屋根や土地だけでなく、小規模な屋根を集めた分散型メガワット発電も取り入れており、そこから得られる売電収入の一部を自然エネルギー普及活動に還元。自然エネルギー信州ネットが情報を分析・整理して、事業マニュアルも公開することで普及を図っているのです。

太陽光発電による場所貸しは神奈川県から始まり、今ではビジネスモデルの一つとなっています。ただ、設置費用の負担はなく定期的に収入があるとはいえ、自分で設置したほうが利益は多く見込めます。また、場所貸しをするとしても、屋根や建物、土地に条件があり、それらをすべてクリアーしないといけません。

近年では行政や大学による普及が推し進められていることからも、これが一般家庭にもプラスになるように発展していく事が望まれます。

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