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買取価格と法制度

2016年までの売電価格の推移と今後の売電価格予想

公開日:2017年2月7日
2012年7月から導入・スタートした固定価格買取制度。太陽光発電システムでは、売電して電気代を安くするといった考えが浸透しています。だからこそ、年によって変わる売電価格はとても重要。高値で設定されていた売電価格も今では大きく下がってきており、太陽光発電の導入に対しても厳しいものとなっています。

これまでの売電価格の流れ


1kw当たりの売電価格は、平成22年で48円、23年~24年で42円、25年で38円、26年で37年、27年で35~33円、そして28年には33円~31円と、6年間で10円以上も下がっていることになります。このままの流れでいくと、数年後には20円台に入ることも予想されています。

全量買取となるとこの数字よりもさらに安い価格での取引となっていますから、すでに28年には24円といった10円近くの差がついた状態です。

地域によって違う売電価格


平成28年度の売電価格は、余剰価格・10kw未満で31円もしくは33円(税込み)です。そして全量売電では、10kw未満で24円(税込み)とその差が7円もしくは9円と大きなものとなっています。なぜ、余剰価格が31円もしくは33円と2タイプあるのかというと、10kw未満については地域を管轄する電力会社によって異なる設定になっているからです。

33円と高い売電価格が設定されているのは、北海道や東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄です。一方、31円と低い売電価格が設定されているのは、東京や中部、関西などです。この2つの値段差には、出力制御対応機器設置義務の有り無しといった違いもあり、前者は設置義務がありますが、後者はないものとなっています。出力制御対応機器とは、電力会社で発電した電気を電線に流さないようにコントロールする機器の事をいいます。

出力制御対応機器の有無が影響


出力制御対応機器の設置義務がある地域は売電価格が高く、ない地域は売電価格が安くなっており、その差は2円です。2円の差をつけているのは、出力制御対応機器にかかる費用を反映しているためです。

そもそも出力制御対応機器が必要な理由というのは、各電力会社の出力コントロールに対応するためです。東京や中部、関西は10kw未満の余剰売電を出力制御の対象外としているので、出力制御対応機器は不要で、その分を売電価格に反映する必要がないので31円と安くなっているのです。

10kw以上の設置による売電価格は?


企業や個人投資家が導入することが多い10kw以上の設置については、その買取価格からも急激に伸びたことから、一般の人への負担が大きく増加することになってしまいました。売電にかかる費用というのは、「再エネ賦課金」として電気料金から徴収されるからです。

再生エネルギーを普及させたいとはいえ、一般の人にかかる負担とのバランスを保つことを考え、投資や事業用、産業用といった利用での全量買取では、節約やエコの為の余剰売電よりも1円多く3円引き下げられています。

今後の売電価格の動き


平成28年度の売電価格は、余剰価格・10kw未満で31円(出力制御対応機器設置義務なし)と33円(出力制御対応機器設置義務あり)です。これは10年間変わらず継続されることが保証されており、全量売電ではその倍の20年となっています。今後はさらに下がっていくものと予想されていますので、導入が遅くなればなるほど売電価格は安いものとなります。

この売電価格の値下がりには、太陽光発電システムの導入金額も下がってきている事、売電にかかる一般の人への費用負担が大きくなってきている事も関係しています。特に後者においては、負担を軽減することからも早めの引き下げが検討される大きな理由になっているのです。

国の補助金は終了!あとは自治体の補助金狙い


補助金は、2010年は1kwあたり7万円、2011年には4万8千円、2012年~13年には3万~3万5千円、そして2014年には国の補助金は廃止されてしまいましたので、以後はなしとなっています。

自治体の補助金は国とは別で、それぞれが独自に発表しています。予算の関係で限定数しか受け付けておらず、人気もある為すぐに受け付けが終了してしまう事がほとんど。申し込み開始日にすべて埋まってしまう事もあるので、早めのリサーチと準備が必要です。

ただ、販売店の営業トークで「今日、契約しないと補助金の申し込みに間に合わない」などと急かすこともあります。中には嘘をついて契約させようとしているところもあるので、まずは確認してから決めるようにします。

2017年度以降の売電価格は?


2017年以降、売電価格の決め方が変わる可能性があります。10kw未満の余剰売電は、毎年2~3円ほど引き下がっていき、2019年までは1kw当たり24円程度まで下げていくようです。また、10kw以上の全量売電の場合では、余剰売電と同じ2~3円の引き下げを年ごとにおこない、2019年までには18円程度になるようにし、大規模発電システムについては入札制度の導入が予定されています。

今後の売電価格の決定方式


現在、売電価格の決定にはトップランナー方式が採用されています。前年度の太陽光発電システムの設置価格などを参考にしているので、その下がり具合に柔軟に対応しています。ただ、もしかしたら価格低減率を予め決定する方法で決める可能性もあり、これが採用されると、数年先までの売電価格の引き下げをあらかじめ決定したうえでの計算となります。

どちらの方法で売電価格が決められることになっても、10年間は契約時の価格が適用されますので、すでに導入している人にはあまり関係がない話。これから導入を検討している人には、大きく関わってくる話となります。

また、産業用太陽光発電については、ドイツやフランスなどの太陽光発電の先進国のやり方を取り入れた、入札方式が導入予定です。安い売電価格で落札・系統接続するので、一般市民に課せられている再エネ賦課金を下げることが可能となります。

今後の売電制度への可能性


今後の売電方法として、蓄電池を活用した売電が見直される可能性があります。現制度では太陽光発電から蓄電池に電気を貯めこみ、それを都合のよい時に売電することはできないものとなっています。それが、今後は蓄電池を経由した電気の売買も見直されるかもしれません。

また、2016年4月から新電力がぞくぞくと参入していますが、電気の売買ができないのがほとんどで、太陽光発電システムを導入している家庭では従来の電力会社しか選択できない状態。もしかしたら、今後は新電力会社を通した売電の可能性もでてくるかもしれません。新電力会社のなかでは、すでに高値で電力を買い取るサービスを取り入れているところもあります。


売電価格が下がっても利益は減らない?


太陽光発電の売電価格は、内部収益率を基準にして決めています。内部収益率とは、投資して得られるだろうと予測する利益と、実際に得られた利益を比較するもの。投資する際の判断基準ともなるものですが、太陽光発電の場合では3.2%を基準に売電価格が決められています。

この数字からすると、平成28年度の売電価格では利益が見込めるものとなっています。売電価格だけでなく太陽光発電の導入費用も下がってきているので、利益はまったくでない状態ではないのです。ただし、いつまでこの状態が続くのかはわからず、導入が遅くなればなるほど利益も生み出しにくくなる可能性が大。なぜなら、太陽光発電システムの導入費用も、そこまで下げ続けるわけにはいかないからです。

お得に太陽光発電を設置するにはいつがいいのかを考えた時、一番に気になるのが売電価格です。太陽光発電システムの設置費用はもちろん、メンテナンスや経費もかかってくるので、少しでも高い値段で売電したいと誰もが考えています。

ただ、今後の売電価格は下がることがほぼ決定的となっていますので、なるべく高値での売電価格を得たいのであれば、早めの導入しかないでしょう。