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太陽光発電と0円住宅の仕組みについて

公開日:2017年2月8日
夢のマイホームが驚きの0円といった広告を目にすることがありますが、マイホーム購入は人生で最も高い買い物と言われているものです。本当に「0円住宅」なんて存在するのでしょうか?

実は、これは購入金額ではなく「0円にする住宅」というのが正しい捉え方。太陽光発電システムで光熱費を0円に、住宅ローンの返済額を0円に、賃貸併用で住宅ローンの返済額を0円にといった意味なのです。具体的にはどういった事なのでしょうか?これらの仕組みをご紹介いたします。

固定価格買取制度を利用して住宅ローンを0円に!


2012年7月から始まった、太陽光・風力・地熱・バイオマスによる再生可能エネルギーの固定価格買取制度。条件を満たしていれば、電力会社が一定価格で買い取ってくれます。10kW未満の一般住宅の場合では、自宅で使わないで残った電力が買取対象となり、その金額は年度毎に見直しされます。

システムの活用で住宅ローンを0円に!


一般住宅向けの買取制度には、余剰買取となる「10kW未満」だけでなく、ダブル発電・余剰買取の「10kW未満」と「10kW以上」と細かく分類されています。ダブル発電とは、太陽光発電システム以外にも自家用発電設備等がある場合での発電環境をいいます。

住宅ローンの支払いが20年間0円になるというのは、「10kW以上」について。このクラスでは買取価格の単価は下がるものの発電した全電気が買取対象となり、その期間も10〜20年と延長されます。システムを利用することで、0円になるというのです。

ただ、計算上では可能でも、実現するにはいくつもの条件があります。10kW以上のパネルが設置できる屋根が必須ですし、金利が上昇するかもしれません。第一、思うような発電量が得られるかどうかわからないのです。

賃貸併用で住宅ローンを0円に


住宅の一部を賃貸として使い、家賃収入で住宅ローンを返済。実質0円にするといった住宅が、大手ハウスメーカーを中心に増えています。ただ、ローン返済だけでなく老後の安定した収入も狙ってはいるものの、素人が簡単にできる業種ではないので、不動産会社などの管理会社の介入に頼らざるをえないものとなります。

また、空室が出てしまっては0円にはなりません。住宅や太陽光発電設備かかる費用以外にもお金がかかる事からも、賃貸併設で0円住宅を実現するのはよほどの事がないと難しいのです。

返済額は減るけど0円は難しい


住宅ローンで0円住宅とは、屋根にたくさんの太陽光パネルを設置して、そこから得た電気を売り、買取制度で得た収入を住宅ローンにあてていくというもの。10kW以上であれば20年間は固定で買い取ってくれますから、年間で40万ほどは発電してくれるものとなります。ただ、だからといって住宅ローンが0円になるのかというと、それは絶対ではないということ。

住宅ローンの計算では、大抵は35年返済金利1%で、3年もしくは5年の固定です。もしも数年後に金利が上ってしまったら…返済額に差が出てしまう事も。10kW以上の太陽光発電を乗せる事で得られる売電収入で、住宅ローンの返済額が減る事は確かですが、0円になるかどうかは確かではないのです。

賃貸併用の0円住宅のリスク


賃貸併用の住宅では、家賃収入で住宅ローンを相殺しようという狙いがありますが、これは誰かが借りてくれることで成り立つもの。空室が絶対にない状態なら0円住宅にすることも難しくないですが、空室があれば0円住宅にはならないのです。

このリスクを避けるには、住宅販売会社に空室リスク負担を持ってもらう「物件の一括借上げ」という方法がありますが、これも2年毎におこなわれる契約更新で家賃補償額を下げられてしまうこともあり絶対ではありません。実際に、家賃保証を謳っていたデベロッパーと家主が法廷で争う民事裁判の少なくないのです。

間取りによる賃貸併用0円住宅の失敗例


賃貸併用0円住宅で、自分たちと変わらない年代をターゲットにした間取りは失敗しやすいです。例えば、賃貸を探している30代夫婦が、同じ年代夫婦が家主となる小規模賃貸へは入居しません。そこに格差を感じてしまうからです。

これが何十世帯もあるマンションなら話は別ですが、数世帯しかない場合では気持ちの面で拒否反応を示してしまう事が少なくないのです。この場合では、ワンルームアパートにした方がまだ入居ニーズがあるといえるでしょう。賃貸を併設する際には、こうしたデメリットも考慮しておかないといけません。

賃貸併用0円住宅の成功例


賃貸を併用した0円住宅での成功例としては、一般の人ではなくテナント貸しがあります。店舗商売に適した場所で1階部分だけをテナントとして貸し出し、見事0円住宅に。

ただ、店舗併用住宅は、建物の規模も大きくなりがちで、その構造も住宅とは異なります。建築費用も高くなるので、融資額も高額になることは覚悟しておかなくてはいけません。その為、商業向けの土地でないと難しいものとなります。

0円住宅は誇大広告なのか?


ローン0円住宅というのは100%本当の話ともいえませんし、誇大広告ともいえないひどく曖昧なものです。実際に太陽光発電を設置することで、住宅ローンを返済を0円にしている家庭もあるのですから、全くのウソとはいえません。

ただ、固定価格買取制度開始当初に設定されていた「税込42円」という、高額買取の時期の人に多く見られます。2015年には、10kW以上の買取単価は27円となっていますから、42円の人と比べると厳しい状況になっていることは間違いないといえます。

ローン返済いくらぐらいなら大丈夫?


返済金額は個々によってことなりますが、3万円程度であれば売電収入で支払っていくことも可能。それ以上のローン返済額では厳しいものとなります。買取価格が42円といった頃であれば5万ぐらいはカバーできたかもしれませんが、20円台に下がっている今では3万円程度が精いっぱいです。大量のパネルを敷き詰めなくては難しいでしょう。

しかも売電収入は季節によっても変動するのもので、日中の時間も長い夏は稼ぎやすいですが、太陽が顔を出さなくなる梅雨の時期や夜の方が長くなる秋から冬などは発電量が大きく下がります。そうした変動を加味しても、買取制度が導入された頃は0円住宅も可能だったのかもしれませんが、買取価格が下がっている今はより一層難しくなっていると言わざるをえないのです。

見方を変えればプラスになる


太陽光発電で0円住宅を実現させるのは難しいですが、売電収入をコツコツと貯める事はマイナスにはなりません。月3〜5万円程度の収入は、20年もすれば700万円以上の大金に育ちます。これをローンを繰り上げに使えば、早く完済に近づける事ができます。

最近のローン審査時では、太陽光発電における売電収入が年収に加算されることもあります。フラット35でも対応しているようですから、0円住宅にならなくても繰り上げ返済やローン審査をプラスにしていく力はあるのです。

太陽光発電における売電価格は、年々下落しています。それでも太陽光発電システムの需要が完全になくなる事は考えられませんが、ローンを0円にするといった前提で取り入れるのはリスクが高いです。ローンと結びつけて考えるのではなく、光熱費削減として導入を検討するほうが現実的かもしれません。ただ、売電収入でローン金額が0円にはならなくてもの支払額の軽減は可能です。