電気料金はここ数年、上昇が続いています。その大きな理由は、再生可能エネルギーの買い取りに要する費用が膨らんできているため。

これからも電気料金が上昇すると仮定した場合、太陽光発電システムは導入すべきか?しないべきか?その疑問について考えてみたいと思います。

太陽光発電の買取価格は下がっている

2012年(平成24年)7月から、日本では再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」が導入されました。これによって、電力会社は太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電された電気を買い取る際には、その年度の買取価格を一定期間(現状10年)維持することが義務づけられています。

ところが、買取価格は1年ごとに見直しがおこなわれていて、年々下がってきています。

たとえば、2010年(平成22年)度は1kWhあたり48円だったのですが、2011年(平成23年)度・2012年(平成24年)度は42円、2013年(平成25年)度は38円、2014年(平成26年)度は37円にまで下がってしまいました。

そして今年2015年(平成27年)度は出力制御(抑制)のあるエリアにおいては35円、出力制御(抑制)のないエリアにおいては33円と、さらに下がっています。

2015年(平成27年)度において買取価格が下がってしまった大きな理由には、太陽光発電の急激な普及によって、買い取りのための費用が増大したことが挙げられます。買い取り費用が大きくなれば、高い値段で電気を買い取っていると、電力会社は採算が合わなくなってしまうわけです。

買取価格は下がっても電気料金は上がっている

今度は、私たちが普段使っている電気の料金がどうなっているかについてみてみたいと思います。

経済産業省が2014年(平成26年)11月に発表したデータによると、東日本大震災以降は燃料価格の高騰などを背景に、家庭向け等の電気料金(電灯料金)も、工場をはじめとする産業用の電気料金(電力料金)も大きく値上がりしています。

家庭用の電気料金は2010年(平成22年)には20.37円/kWhでしたが、2013年(平成25年)には24.33円/kWhと、19.4%も上昇。産業用に至っては28.4%もアップしています。

今が太陽光発電システム導入のチャンス

電力の買取価格は下がり続けていて、電気料金は上がり続けている。太陽光発電システムを導入しようかどうかと検討しているご家庭では、どうしたらいいものか悩ましいところだと思います。

ただ、一つの考え方として、今後も電力の買取価格が下がっていくかもしれないこと、そして契約した年の買取価格は一定期間保証されていることを考慮すると、できるだけ早く太陽光発電システムを導入したほうが、得られるメリットが大きいということができます。

なぜならば、これからも買取価格が下がり続ければ、導入が遅くなればなるほど売電で得られる収入は少なくなってしまうからです。

そして、電気料金が上がっているという点に関してみれば、太陽光発電でつくった電気を家で使い、電力会社から買う電気を極力少なくすれば、それだけ値上げの影響を受けにくくなります。つまり、電気料金が上がっているときには自家発電したほうがおトクということです。

電力の買取価格が下がり続けていること、電気料金が上がり続けていること、そのいずれから検討してみても、太陽光発電システムを導入するメリットはあると考えられます。電気料金値上げが気になるというご家庭は、太陽光発電システムを導入してみる、というのも一つの方法です。