太陽光発電システムが注目を集めるようになって数年。

大量生産された太陽パネルが、今度は中古でリユースされるようになってきています。中古品というと使えないイメージがありますが、ほとんどがその性能をわずかに落とした程度で使えるものとなっています。

環境破壊を避けるためにも、今後は太陽光パネルの再利用が増えていくでしょう。

太陽光発電のリサイクルとは?

太陽光発電リサイクルとは、家の取り壊しや建て替えなどの際に不要となった太陽光パネルを買取り、その性能にあった保証を付加してリユース品として販売すること。

太陽光電池パネルの寿命は20年〜30年といわれているので、リユースするのは難しいのでは?…と思われますが、実際にはほとんどの製品が、20年以上たっていてもその性能が廃れずに使えるものとなっているのです。

まだ使える、中古品としても十分な価値を持つもつ太陽光パネルを廃棄物として処理するのは、環境面からもみてもマイナスです。

環境に優しいと言われている製品として、ここ近年では大量生産されており、その数十年後に大量破棄が増加するようでは、環境を守るところかますます破壊行為を進めてしまうものとなります。

まだ利用できる太陽光パネルを回収し、検査、整備して中古としてリユースする事が次の課題ともなっており、リサイクルへの動きが活発化しています。

中古で買い取ってもらう際に注意したいこと

買取業者にもよりますが、基本的に国内メーカーであればほとんど買い取ってもらえます。

買取価格は年式や変換効率などによって異なりますが、劣化具合などからその買取金額を提示。使用年数が少ないほど有利ですが、太陽電池モジュールは耐用年数が長いので、10年以上経っていたとしても買い取ってくれることが多いです。

高く買ってもらう為にも、落ち葉などが堆積してしまうホットスポット現象や、強い衝撃を受ける事で割れてしまうセル割れ、封止材やバックシート、アルミフレームなどの劣化には注意したいもの。

定期的なメンテナンスはもちろんですが、発電量に変化が見られてきたら要メンテナンス時期です。

メリットとデメリット

中古の太陽光パネルのメリットは、実際に使われていたものなので初期不良の可能性が低く、実際にどれだけ発電するのかがわかります。また、比較的値段が低価格であることがほとんど。

逆にデメリットとしては、誰も気がつかなったような問題を秘めているかもしれないし、固定買取価格の期間が短くなっています。グリーン投資減税も適用されません。

中古の太陽光パネルにみられる不具合

新品の同じモデル同士ではその出力値はほぼ同じものとなりますが、中古の場合は微妙に出力値が異なるものとなります。とはいえ、初期の出力値と比べてみてもそのずれはわずか。性能が劣るといっても、わずか2割程度の差があるにすぎないのです。

ですが、太陽電池のセル半導体は半永久的に劣化しない物質ではあるものの、一部の中古品の中に出力低下や出力異常などがみられることがあります。その原因のほとんどがその構造に問題があるから。

特定の異常とみられる症状が同じメーカーの型式に集中することが多く、これは製造過程においてなんらかの問題があったのではないか…と考えられているのです。また、アルミ製フレームの腐食や封止材の変色や剥離といった材料による劣化はいたしかたないもの。

これらは日々の研究・開発で、それに代わる素材が出てきています。

中古パネルへの信頼性

2012年から始まった再生可能エネルギーに対して固定価格買取制度(FIT)が導入されたことからも、太陽光発電を設置するところが増えてきたわけですが、その買取額もここのところ引き下げが続いてきています。

そうした変化から設置コストを下げるために、中古でのリユースが注目されてきています。
ですが、中古パネルのリユースにおいてはその性能への信頼性が気になるところであり、なかなか導入に踏みきれない…といったところがほとんどです。

20年も使っているとなると、その性能も悪くなっているのでは…といったイメージがありますが、実はそんな簡単に性能が落ちるものではありません。

しかも、太陽光パネルの再利用が進んでいけば発電単価の低減も期待できますし、中古パネルのさらなる活用方法が進んでいくことが考えられます。