電気料金の高騰や、FIT(余剰買取制度)の売電収入によるメリットなどから、家庭用太陽光発電をこれから導入しようと検討している方は多いのではないでしょうか。
家庭用太陽光発電はひと昔前に比べて格段に安く性能の良いものが導入できるようになったことや、ローンの活用もできることから、10年前、5年前と比べて高額な買い物ではなくなってきています。
また、近年家庭用太陽光発電とともに導入が進んでいるのが「蓄電池」です。
もし、今から家庭用太陽光発電の導入をするのであれば、蓄電池とのセット導入がおすすめです。
実際にこの太陽光発電の一括見積もりサイト『タイナビ』に寄せられる相談のうち、2025年現在はほぼ9割以上の方が太陽光と蓄電池のセット見積もりを希望しています。
この記事では、そんな家庭用太陽光発電とともに蓄電池の導入を検討されている方向けに、価格相場やセット価格、補助金や助成金などの活用可否などについて、具体的な事例とともにわかりやすく解説いたします。
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・国や自治体の補助金が活用できるのであればしたい
・FIT期間終了後も買電量を減らしてかかる電気代をできる限り抑えたい
・電気代の値上げの影響を今後受けたくない、考えたくない
・自然災害などによる停電の影響を最小限に抑えたい
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家庭用太陽光発電と蓄電池の導入価格相場
家庭用太陽光発電と蓄電池を導入する際にはどれぐらいの費用感を見積もっておけば良いのでしょうか。
家庭用太陽光発電の導入にあたって比較すべきは、「太陽光発電や蓄電池の本体価格費用」と設置のための「工事費用」の2つを合算した価格です。
また、家庭用太陽光発電の導入の仕方には、次の3つの選択肢があり、どれをどのタイミングで導入するかによって価格相場が異なります。
太陽光発電のみの場合
蓄電池をセットで導入する場合
既存の太陽光発電に蓄電池を導入する場合
単純に価格だけを考えると、「太陽光発電のみ導入 < 蓄電池とセット導入 <既存の太陽光発電に蓄電池を導入」と蓄電池をつけた分、導入価格は高くなります。
そんなにお金に余裕がある訳ではないから、初期費用(導入費用)を抑えるために、今は太陽光発電だけにしておいて、後々余裕が出てきたら蓄電池の導入を検討する、というのが現実的かしら…?
でも…支払う電気代とかランニングコストを考えると蓄電池とセットの方がいいのかしら…。迷うわね。
家庭用の太陽光発電のみの導入に今は補助金や助成金を出す国や自治体もほとんどなくなってしまっているので、太陽光発電のみで導入するよりも蓄電池とセットで導入した方が初期費用(導入費用)もその後のランニングコストも安くなりやすく、おすすめですよ。
しかし、初期費用(導入費用)だけを見て決めるのはおすすめしません。
太陽光発電は十数年以上使い続ける機器です。
初期費用(導入費用)がいくら安くても、将来的にかかるランニングコストが高額になってしまったり、せっかく使えるはずの国や自治体の補助金・助成金が使えなくなってしまったりしては意味がありません。
長期的に見て検討をしていくことがお得に導入する上で最も重要なことです。
実際に3つの選択肢でどれぐらい導入価格(初期費用)が変わってくるのかを見ていきましょう。
家庭用太陽光発電のみの場合
家庭用太陽光発電のみを導入する場合の価格相場は、発電機のメーカーや機種、発電容量(生み出せる電力の量)、設置工事費用などにより大きく差が出ます。
一般的に家庭用太陽光発電の場合、発電容量が3kW〜5kWのものを導入するのが主流です。
経済産業省が令和6年の2月に発表した『令和6年度以降の調達価格等に関する意見』によれば、太陽光発電の導入にかかる平均費用は1kWあたりで25.5万円となっています。
つまり3kW〜5kWの太陽光発電の導入には本体代金と工事代金を含めて、次のような費用相場となっています。
また、参考までに2021年〜2023年の太陽光発電の導入にかかる平均費用相場と比較すると、2024年は減少していることがわかります。
年度 | 太陽光発電導入の 平均費用相場 |
---|---|
2024年度 | 25.5万円 / kW |
2023年度 | 28.8万円 / kW |
2022年度 | 26.9万円 / kW |
2021年度 | 27.7万円 / kW |
参考元:経済産業省『令和6年度以降の調達価格等に関する意見』
しかし、あくまでこれは国が出した全国的な家庭用太陽光発電の導入価格の統計データにすぎません。
実際には、家庭用太陽光発電は、お持ちの住宅のさまざまな諸条件に合わせて設置されます。「実際に自宅の場合はどうか」というのをご自身で見積もるのは難しいというのが実情です。
「大体上記国の統計程度の価格がかかるのかなぁ」ぐらいに思っておき、実際にはタイナビの一括見積もりのように、自宅に合うのはどれが良いのか、を見積もるしか正確な導入費用を知ることは難しいと言えます。
蓄電池をセットで導入する場合
家庭用太陽光発電と一緒に蓄電池をセットで導入する場合の価格相場は、太陽光発電と蓄電池の導入費用がかかります。
メーカーや機種、発電容量(生み出せる電力の量)、設置工事費用などにより大きく差が出ますが、蓄電池の価格相場は次の通りです。
必要な費用 | 価格相場 |
---|---|
蓄電池本体の購入 | 4kWh:56.4万円程度 8kWh:112.8万円程度 ※2023年度DER補助金の目標価格(設備費+工事費・据付費)14.1万円/kWhより算出 |
蓄電池の設置 | 20万円〜30万円程度 |
参考元:タイナビ蓄電池『【2024年】家庭用蓄電池の価格相場はいくら?どこが安いのか比較して決めよう』
太陽光発電と合わせると、平均的な価格相場は150万円〜250万円程度(太陽光発電の発電容量を5kWh、蓄電池の容量を6kWh〜10kWhと仮定した場合)になります。
蓄電池とセットで導入する場合には、単純に別々に導入した場合に比べて設置にかかる費用が安くなるため「セット割引」の適用が受けられる可能性があります。
業者にもよりますが、蓄電池とセットで導入することによる「セット割引」を導入している業者は多く、初期費用を抑えることが可能です。
また、蓄電池とセットでの導入に補助金を出している自治体もあるため、上記費用相場よりも安く導入が可能です。
たとえば、経済産業省が行っている補助金制度では2.7万円〜3.7万円/kWの補助が出ています。(※蓄電池の設置価格を14.1万円〜15.5万円/kWに抑えるなど諸条件あり)
東京都の場合、設置費用の3/4の補助が受けられます。(※最大120万円)
その他にもさまざまな省庁、自治体が補助金を実施しているので、次の記事も合わせてご覧ください。
自治体によっても補助金額や条件が異なるので、「補助金を前提とした太陽光発電と蓄電池の導入」はタイナビの一括見積もりからご相談ください。
お住まいの自治体の補助金など適用できるものを含め、最適な提案をさせていただきます。
蓄電池は太陽光発電の後に買うべき?
詳しい人から「太陽光発電だけを先に買って、後から蓄電池を導入した方がお得だよ」という話を聞いたんだけど、実際に蓄電池はどのタイミングで導入すればいいのかしら?
それは過去の話ですね。現在の状況は大きく異なります。結論から言えば、今現在、太陽光発電による経済的なメリットを最大限に享受できるのは、太陽光発電と蓄電池をセットで導入した場合です。
太陽光発電の状況は年々変わるので、「過去自分が導入した時にはこうだったから」というアドバイスや意見は参考にならないことが多いんです。気をつけてくださいね。
かつては、太陽光パネルを設置してから数年経ってから蓄電池を導入するのが一般的でした。
その理由としては、売電価格が現在よりもはるかに高かったためです。
次の表はFIT制度(固定価格買取制度)が始まった2012年から2025年までの売電価格の推移です。
2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 20>20 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
住宅用太陽光発電 FIT価格(円/kWh) | 42 | 38 | 37 | 33 | 31 | 28 | 26 | 24 | 21 | 19 | 17 | 16 | 16 | 15 |
当初は42円/kWhだったのに対し、年々売電価格が下がってきているのが分かると思います。
2012年の42円/kWhに比べて2025年は約65%程度減少した15円/kWhとなってしまっているのです。
また、太陽光発電や蓄電池も今より精度が悪く、購入価格も高額でした。
発電した電気を高い価格で売れていたため、わざわざ追加でお金を出して蓄電池を買うよりも、一刻も早く投資した太陽光発電設備を回収し、FIT制度が終わる10年後から蓄電池を導入した方がはるかにメリットが大きかったのです。
また、蓄電池導入によりダブル発電となってしまうと売電価格が下がってしまうというデメリットがありました。
そのため、蓄電池は金銭的メリットというよりは、元はとれないけれども自然災害などいざという時のため、という意図で設置することが多かったのです。
ですが、現在の状況は異なります。
まずダブル発電をしても売電価格が安くならないように制度が変わりました。
また、精度の高い太陽光発電や蓄電池が安く導入できるようになった他、売電により元を取るよりも、いかに自己使用を多くし、高騰し続ける電気代を削減する方がメリットが大きいのです。
蓄電池があれば、昼間に太陽光発電で生成した電力を蓄え、夜間や悪天候時に使用することができます。
そうすることで自己使用による電気代の削減が可能になります。
FIT制度_終わる10年を目安に蓄電池を導入する方が良いのでは?
太陽光発電や蓄電池の導入価格がさらに下がり、FIT価格がより減少し、電気代がさらに高騰していき、国や自治体の補助金や助成金が増えていく、という今後の動向を考えると、太陽光発電と蓄電池はセットで導入できるのであればした方が経済的メリットが大きいと言えます。
どちらが良い選択なのか、迷ったらまずはタイナビの一括見積もりを活用して導入費用を見積もってみましょう。
実際にタイナビで一括見積もりをいただく方の約9割が太陽光発電と蓄電池のセット導入を希望されています。
ぜひ、このタイミングで検討してみてください。
既存の太陽光発電施設に蓄電池を導入する場合
FIT制度10年を過ぎてから蓄電池導入を検討されると、空白の期間ができてしまうので、蓄電池を検討するのであればFIT制度の終了から1〜2年前のあたりに検討し始めるのがおすすめです。
太陽光発電をすでに導入している場合は、後から蓄電池を新たに追加する必要があります。
「セット割引」などは適応されないため、次のような蓄電池の購入費用と設置費用が追加でかかってきます。
必要な費用 | 費用相場 |
---|---|
蓄電池本体の購入 | 50万円〜140万円程度 |
蓄電池の設置 | 20万円〜30万円程度 |
参考元:タイナビ蓄電池『【2024年】家庭用蓄電池の価格相場はいくら?どこが安いのか比較して決めよう』
一方で、「蓄電池のみの導入」に適応できる補助金も多いので、もうすでに自宅に太陽光発電を導入しているという方は、お住まいの自治体で補助金が実施されていないかを確認してみましょう。
補助金の詳細などは年々変わるので、もし「自宅にどのような補助金が適応できる可能性があるのか、わからない」という場合は以下の一括お見積もりフォームよりご相談ください。
補助金の適応も合わせて、どのような蓄電池の導入がメリットが大きいのかを情報提供いたします。
蓄電池に関する補助金については、次の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
前に設置してもらった業者さんとは別の業者さんに蓄電池導入を相談しても大丈夫なのかしら?
全く問題ありません。設置してもらった時の業者と同じところに依頼するメリットがあれば(「割引」など)それが良いと言えますが、特にないのであれば「以前と同じ業者」にこだわる必要はありません。
また、もうすでに太陽光発電を導入していて、蓄電池を追加で導入する場合には仕方ありませんが、今現在「新規で太陽光発電の導入を検討しており、蓄電池を後から設置を考えている」という場合には、次のようなデメリットや懸念点が出てくることも認識しておきましょう。
・広い設置スペースが必要になる
・廃棄に費用がかかる
・工事代が2倍かかる
・保証期間の確認が必要になる
広い設置スペースが必要になる
太陽光発電の設置スペースだけではなく、蓄電池用の設置スペースも必要になります。
太陽光発電をひとまず導入して、後々蓄電池を設置していく場合には、蓄電池用のスペースもあらかじめ確保しておく必要があります。
確保しておかないと、後々に蓄電池を設置するだけのスペースがなく、住宅の一部を改造したり、広げたり、場合によっては近隣住民への対応も必要になる場合があります。
また、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナがそれぞれ設置されるため、スペース的にもセットで導入した場合(太陽光発電+蓄電池+ハイブリッド型パワーコンディショナ1台)と比べると広いスペースを利用しなければならないのです。
後追いで蓄電池の導入を検討する場合には、導入する蓄電池のスペースもしっかりと検討した上で設置スペースを確保しておきましょう。
廃棄に費用がかかる
太陽光発電にも、蓄電池にもパワーコンディショナがついています。
もし、途中から蓄電池を導入した際に2台のパワーコンディショナを1台にまとめる、となった場合には、古いものを廃棄する費用がかかってしまいます。
パワーコンディショナの廃棄については自治体によって、廃棄の仕方が異なるので、ゴミ処理の担当窓口で確認してもらうなど、手間もかかってきてしまうのです。
設置工事費用が余計にかかる
太陽光発電と蓄電池を期間を開けて設置する場合には、当然ながら設置工事は2回行わなければなりません。
そのため、太陽光発電と蓄電池をセットで導入した場合と比べて設置工事費用が余計にかかってしまう可能性があります。
設置工事費用のほとんどは工数の多さで決まります。
1回で太陽光発電と蓄電池を合わせて設置した場合と、別々に設置した場合では、後者の方が当然工数が多くなってしまいます。
設置工事費用の増加なども別々に設置を検討する場合には考慮しておきましょう。
保証期間の確認が必要になる
ハイブリッドタイプの蓄電池を後から設置する場合は、保証期間にも注意が必要です。
太陽光発電と直接連携するハイブリッド蓄電池の場合、太陽光発電の残りの保証期間が先になくなってしまうケースもあるのです。
そのため、蓄電池を後付けする場合は、保証内容を事前によく確認しておくことをおすすめします。
家庭用太陽光発電と蓄電池のセットでの導入がお得な6つの理由
結論から言えば、太陽光発電と蓄電池は、導入する際にセットで購入した方が、別々に購入するよりも、次の6つの理由から安くお得になる可能性があります。
- 設置工事費用が安くなる
- セット割引が適用される
- 長期的なランニングコストが安くなる
- 太陽光と蓄電池は同時設置で「変換ロス」を抑えられる
- ダブル発電にならない
- 地方自治体の行う補助金や助成金が活用できる可能性がある
やっぱり今後のことを考えると、太陽光発電と蓄電池はセットで導入した方が良いのね。
はい。一概にすべてそうとは言えませんが、今から太陽光発電の導入を検討していく人にとっては、セットでの導入が価格的にも、タイミングとしてもメリットが大きいです。むしろ余程の理由がない限りセットで導入を検討した方が良いと言えます。
実際にタイナビでお見積もりいただく方の約9割以上がセットでの導入を希望されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
設置工事費用が安くなる
太陽光発電と蓄電池をセットで購入すると、設置工事が1度で済んでしまうため、別々に工事を行うよりもトータルの費用が安くなります。
また、太陽光発電と蓄電池、それぞれのパワーコンディショナを1台にまとめられる省スペースも見逃せないポイントです。
既存の太陽光発電についているパワーコンディショナを、蓄電池導入時に1つにまとめるとなれば、古いパワーコンディショナの廃棄などの手間や費用もかかってしまいます。
このように、別々に導入するよりもセットでまとめて導入した方が効率的で、かつ安く導入することができるのです。
セット割引が適用される
太陽光発電と蓄電池をセットで導入すると設置工事費用が安くなることとも関連して、セット割引を行っている業者が多い傾向があります。
そのため、別々に導入するよりも安くできる可能性が高いのもセットでの導入がお得な理由の1つです。
長期的なランニングコストが安くなる
太陽光発電は基本的には太陽の出ている日中しか発電しません。
また、発電した電気は太陽光発電だけでは溜めておけないため、悪天候の日や、夜などは太陽光発電が使えないため、通常通り電気会社から電気を買って使う形になります。
一方で、太陽光発電と蓄電池をセットで導入した場合、日中などに発電した電気を一定期間蓄電池に溜めておくことができます。
そのため、悪天候の日や夜などでも自家発電した電気を無駄なく活用でき、電気代がかからなくなるのです。
電気事業連合会が公表している『最大電力発生日における1日の電気の使われ方の推移』によれば、一番電気を使っている時間帯のピークは2024年1月24日時点で朝10時と夜19時です。
つまり、朝と夜は最も電気を使う時間帯と言えます。
この夜の時間帯で日中に溜めていた電気を使うことができれば、大幅に電気代の削減できる可能性があります。
FIT制度による売電価格も2012年の42円/kWhから、2025年は15円/kWhに減少しています。
以前のように売電による回収やランニングコスト減少へのメリットがそれほど見込めなくなった今だからこそ、電気代が高騰している今だからこそ、蓄電池によって電気代削減をどれだけするかがランニングコストを下げる上で重要なのです。
また、FIT制度が終わる10年後のことを考えても、蓄電池による自家消費を検討した方が将来的にもお得になります。
太陽光発電の将来は「自家は消費が得」である理由
太陽光発電を導入してから10年間はFIT制度(固定価格買取制度)が適用され、固定の金額で売電を行うことができます。
10年間のFIT制度が終わると、電力会社や新電力の「卒FIT買取サービス」を活用して、今まで通り売電が続けられます。
しかし、価格はFIT制度適用期間から比べるとうんと下がってしまうので、売電するよりも、発電した電気を自家消費することで電気代を削減した方がメリットが大きくなるのです。
卒FITサービスを使って売電すると約10円/kWh程度の価格になりますが、電力会社から購入する電気料金の平均は再エネ賦課金や燃料調整費などを加味すると30円/kWh以上(2024年6月から)です。
つまり、1年間に4,500kWhを発電したと仮定して、それを卒FITサービスを使って売ると45,000円の収入になりますが、自家消費で使えば121,500円分の電気代削減になります。
FIT後にどちらの選択がお得かどうかは一目瞭然です。
また、実際に自家消費しない場合と自家消費する場合で、どれぐらいお得になるのかを一般家庭の月間電力使用量にあたる300kWhで検討してみた結果が以下になります。
まずは自家消費をせず発電した電気を売電した場合は、以下表のように月間7,050円の支出です。
収入 | 支出 | |
---|---|---|
電力会社から購入 (35円/kWhと仮定) | 10,500円 | |
卒FITサービスで売電 (10円/kWh) | 3,000円 | |
かかる費用合計 | 7,050円 |
一方で、発電した電気を自家消費をする場合は、電力会社から購入する電気の一部を発電で賄えるため、月間の支出を0円にすることができます。
電気料金は現在高騰を続けています。
2022年からは、電気・ガス料金の大幅な値上げが世界中で起きており、天然ガスの輸出国である国の情勢により、原油やLNG(液化天然ガス)の価格がどうなるのか。
また、今後もどんどん値上がりにシフトしていくことはほぼ間違いないでしょう。
実際に各電力会社による値上げが次表のように2023年6月分から実施されています。
北海道電力 | 20.1%値上げ |
---|---|
東北電力 | 21.9%の値上げ |
北陸電力 | 39.7%の値上げ |
東京電力 | 15.3%の値上げ |
中国電力 | 23%の値上げ |
四国電力 | 23%の値上げ |
沖縄電力 | 36.6%の値上げ |
FIT制度が終了し、卒FITサービスを利用して電力会社に安く電気を売るのであれば、蓄電池に溜めて自家消費をした方が前述の通り、圧倒的にお得です。
年間24万円もの電気料金をずっと払い続け、その額が年々増えていくのです。考えただけでゾッとしませんか?
原油価格がリーマンショック時の価格を超えているように、電気料金が2倍になった場合は、みなさんの毎月の電気料金が4万円〜5万円になる可能性もゼロではありません。
それよりも蓄電池で溜めた電気を自己消費し、電気料金の高騰に影響を受けないような対策を取っておくことが今後将来を見据えた上でも重要になってきます。
太陽光と蓄電池は同時設置で「変換ロス」を抑えられる
太陽光発電と蓄電池を別々に導入した場合、太陽光発電で発電した電気を家電に使い、蓄電池に貯めるまでには、次図のように電気を調整しなければなりません。
この時に発生する変換ロスにより、幾分かの発電した電気を無駄にしてしまいます。
原因は太陽光発電と蓄電池を別々に導入した際にパワーコンディショナがそれぞれ1台ずつついてくることです。
これにより電気の変換ロスが発生してしまいます。
一方で、セットで導入した場合、ハイブリッド型のパワーコンディショナ1台にまとめることができるのです。
こうすることで、電力の変換回数を減らし、変換ロスによる電力消費を最小限に抑えることができます。
ダブル発電にならない
2018年よりも前に太陽光発電を設置した人は、蓄電池を同時に設置したくてもできなかったかもしれません。
その背景には、蓄電池を設置するとダブル発電となり、FIT制度の売電価格が下がってしまうという障壁がありました。
ダブル発電とは、電気料金が安い深夜に電気を蓄電池に溜めておき、昼間に蓄電池の電気を使うことで、太陽光発電の電気をたくさん余らせるので、売電収入を増やすのに有利すぎる方法です。
しかし、今はダブル発電をしてもFIT単価を維持できるように制度が変わりました。蓄電池を同時につけても後からつけても、FIT価格に不利に働くことはありません。
地方自治体の行う補助金や助成金が活用できる可能性がある
以前活発に行われていた太陽光発電導入に対する補助金は下火となりましたが、今現在は蓄電池の設置に補助金を出す流れが加速してきています。
具体的には次のような「太陽光発電の電気を蓄電池で溜めて使える」体制にすることで補助金がもらえる可能性があります。
・すでに太陽光発電をつけている家に蓄電池を設置するとき
・太陽光発電と蓄電池をセットで設置するとき
もしどの補助金に該当するのかなども含め相談したい場合は、以下のタイナビの一括見積もりフォームよりお気軽にご相談ください。
太陽光発電や蓄電池の補助金については、次の記事にて詳しく解説しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
すべてのメーカー蓄電池が対象な訳ではないので注意
蓄電池を導入したから必ず補助金の対象となる訳ではありません。
国や自治体の出した補助金の条件に満足した場合に補助金が適用されます。
たとえば、2024年(令和6年度)の蓄電池の補助金として国が行っている『DR補助金』は、適用されれば2024年(令和6年度)で1kWhあたり37,000円が補助されます。
しかし、これは全てのメーカーの蓄電池が対象ではなく、経済産業省や環境省から補助金事業を委託されている一般社団法人環境共創イニシアチブ(sii)に登録している以下のメーカー・機種に限られています。
- シャープ
- オムロン
- ニチコン
- 田淵産業
- 長州産業
- ハンファQセルズ
- その他(伊藤忠のスマートスターL、京セラ、カナディアンソーラー、ネクストエナジーも対象)
どれぐらいの人がセット導入を選んでいるの?
実際に2023年〜2024年12月末時点まででタイナビで太陽光発電を導入されたお客様のうち、88.8%のお客様が「太陽光+蓄電池のセット」を導入されています。
約9割のお客様がなぜ太陽光発電のみではなく、「太陽光+蓄電池のセット」を導入したのか、その理由は大きく次の3つです。
- セットでの設置価格が安くなり元を取りやすくなった
- いざという時に家族の安全を守れる安心感がある
- 電気代を気にしなくて良い
実際に、それぞれの理由についてお客様からいただいたご意見をご紹介します。
セットでの設置価格が安くなり元を取りやすくなった
10年前などに比べると太陽光発電も蓄電池も導入するための価格が安くなったことがセット導入の動機となっています。
実際にこの理由からセット導入を選んだお客様からは次のような意見をいただいています。
Kさん(愛知県)安くなるのでやった方が良い。(工事費用が一回で終わることや蓄電池セットで設置した時、補助金が出たため)
Tさん(広島県)10年前よりかなりやすくなった
Aさん(群馬県)先ずは見積もりを取って、電気代節約と投資金額の回収のバランスを見てみると納得できたため。
いざという時に家族の安全を守れる安心感がある
災害に備えて蓄電池の導入を決めている人も多い傾向があります。
実態にこの理由からセット導入を選んだお客様からは次のような意見をいただいています。
Hさん(大阪府)停電時の予備電源とコスト削減、太陽光があればいつでも電気を作って蓄電池に貯めることができる
Nさん(東京都)停電などの非常時に、ストレスなくすごせる
Sさん(千葉県)費用の回収は考えずに、緊急時の対応や日々の経費(電気代)が安くつくことで安心できることを考える方が良いと思います。
電気代を気にしなくて良い
近年の電気代高騰などの影響は大きく、電気代に影響されないことをメリットに感じセット導入を決めた方も多くいらっしゃいます。
Kさん(茨城県)自家消費や売電において最大の効果を期待できる
Wさん(北海道)日々電気代を気にしなくていいという安心感
Yさん(福岡県)昼間の電気代を気にしなくなれる、深夜に洗濯機を回しても罪悪感なし
【事例】別々に導入した場合とセットで導入した場合の価格の比較
実際に太陽光発電と蓄電池をセットで導入した場合、別々に導入した場合と比べてどれぐらい安くなるものなのでしょうか。
実際にタイナビでセット導入いただいた場合と、そうでない場合での価格の違いについて、同等の機種で比較してみると次の通りです。
合計見積もり額 | |
---|---|
太陽光発電のみ 後に蓄電池を導入 | 306万円(税込) (内)取付工事費用:48万円(税抜) |
太陽光発電と 蓄電池セットで導入 | 258万円(税込) (内)取付工事費用:39万円(税抜) |
上記のように、太陽光発電と蓄電池をセットで導入した方が48万円(税込)分安くなっていることが分かります。
また、取付工事費用も9万円(税抜)ほど安くなっています。
このように、実際に取付工事費用だけではなく、セットで導入した方が50万近くお得になることが分かります。
もちろん、機種やメーカーなどにセットとそうでない場合でどれぐらい差が出るのか、は異なりますが、安く導入できるということは上記の見積もり額の比較からも分かります。
補助金活用でもっと安くなる
セットで導入することで初期費用を安く抑えることが可能ですが、さらに国や自治体の行っている助成金を利用することでも、さらに費用を安く抑えることが可能です。
実際にタイナビで補助金を活用して太陽光発電と蓄電池をセットで導入した際のそれぞれの価格が次表の通りです。
メーカー名 | 太陽光発電の容量 | 蓄電池の容量 | 設置費用 |
---|---|---|---|
エクソル | 7kW | 10kWh | 約160万円 |
長州産業 | 4.5kW | 12kWh | 約64.5万円 |
ネクストエナジー 住友電工 | 6kW | 12kWh | 約59万円 |
先ほどのセットの導入事例とは容量が異なるので一概に比較ができませんが、前述のセット導入258万円(税込)と比べると非常に設置費用が安くなっていることが分かります。
このように、補助金を活用することにより、より安くセット導入をすることが可能になるのです。
太陽光発電と蓄電池のセット導入をもっとお得にするポイント
太陽光発電と蓄電池は今現在はセット導入を検討した方がお得ですが、よりお得にしていくために押さえておくべきポイントが次の2点です。
- 各家庭に適した発電量が出せるものを選ぶ
- 複数社の一括見積もりを利用する
それぞれ分かりやすくポイントを解説していきます。
各家庭に適した発電量が出せるものを選ぶ
太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合は、太陽光発電の発電量に蓄電池の容量を合わせるのが、より無駄なくお得に活用するポイントです。
たとえば、3KWの発電容量の太陽光発電の場合、天候など諸条件によって変動しますが、1日あたり平均で9KWh程度の電気を発電することが可能です。
この時蓄電池の容量が発生した電力量よりも小さいと、その分発電した電気が無駄になってしまうのです。
そのため、少なくとも太陽光発電で作れる電力量よりも大きい蓄電池容量のものを選ぶ必要があります。
容量が大きすぎてダメなことはありませんが、容量がオーバースペックすぎると、それだけ初期費用もかかりますし、メンテナンス費用なども考えると長期的にみて損につながります。
また、容量が自宅の太陽光発電に対して大きく、高額になりすぎると、補助金がもらえる条件に満足しないリスクも出てくるので、おすすめしません。
太陽光発電で発電できる電力をカバーできるちょうど良い容量の蓄電池がおすすめです。
各家庭に適した蓄電容量の選び方
蓄電池の容量は、ご家庭ごとのニーズに合わせて選ぶようにしましょう。
一つの目安としては、停電時に使いたい家電によって選ぶ方法があります。
100V対応の蓄電池の場合、停電時に冷蔵庫やテレビ、照明などが使えます。
200V対応の蓄電池では、さらにエアコンや電子レンジなども利用可能です。
また、蓄電池には停電時に家全体に電気を供給する「全負荷型」と、部分的に電気を供給する「特定負荷型」があります。
停電時にも普段と同じ生活をしたいなら、全負荷型を選ぶと良いでしょう。
蓄電池選びでわからないことがあれば、蓄電池選びのプロである販売店にご相談ください。
次のような要望をたくさんお伝えいただくと、最適な蓄電池を予算の範囲内で紹介してもらえます。
- 長期停電に備えてたくさん電気を溜めておきたい
- 太陽光発電で充電しながら電気代を安くしたい
- 初期費用を安くしたい
また補助金申請も合わせて見繕ってもらえる優良な販売店はタイナビの無料一括見積もりでご紹介可能です。
ぜひご利用ください。
複数社の一括見積もりを利用する
太陽光発電と蓄電池をセットで導入するしないに限らず、複数社の見積もりをとって比較することは重要です。
日本メーカーよりも海外メーカーの方が性能がよく、高いコストパフォーマンスを発揮してくれる可能性も十分あるのです。
何より、導入する住宅の状態や置かれた環境・エリアによって適した太陽光発電と蓄電池の仕様は変わってくるのです。
たとえば、豪雪地帯で普通の太陽光発電を導入したら、積雪により壊れてしまいやすくなります。
そういった場合には、ある程度の積雪に耐えられる仕様の太陽光発電にしなければ機能しなくなってしまいます。
実際に複数社見積もって初めてわかることも多かったり、セット割などキャンペーンを実施していたりで、よりお得に導入できる確率が上がるので、太陽光発電と蓄電池の導入を検討しているのであれば複数社の見積もりは必ず取るようにしましょう。
業者を選ぶポイントについては、次の記事にて詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
太陽光発電と蓄電池のセット価格の一括見積もりならタイナビ!
太陽光発電と蓄電池は、設置工事費用を抑えるためにもセット購入がおすすめです。
いろいろな補助金制度もあるので、活用できれば初期費用を抑えることができるでしょう。
インターネットで情報収集される方は、他社との見積もりを比較するタイプの方が多いですが、訪問販売企業から購入する方の多くはその場で即決するタイプの方が多いとよく聞きます。
みなさんも、太陽光発電の導入を検討したきっかけはさまざまなかと思いますが、初期費用を安くするには見積もり比較が一番です。
太陽光発電のみでも、蓄電池とセットで購入する場合でも、タイナビの一括見積もりを利用すれば、トータルの価格を抑えられる可能性があります。
業者ごとに工事費用などを比べて検討できるので、おすすめです。
また、蓄電池の容量は導入される家庭の電気使用量によって最適な容量が異なりますので、見積依頼後に複数業者の提案を必ず比較しましょう。
太陽光発電のみ、太陽光発電と蓄電池セットの見積もり依頼も可能なので、ぜひ利用してみてください。
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