太陽光発電やめた方がいい

太陽光発電について調べていると、

「やめたほうがいい」

「設置して後悔している」

といった意見を耳にすることがあります。

実のところ、太陽光発電は今からでも十分購入する価値のある財産です。


しかし、メリットがあるにも関わらず、どうして「やめたほうがいい」という人が出てしまうのでしょうか。

この記事では、太陽光発電に対して否定的な意見が出る理由とこれからの太陽光発電のお得な活用方法について解説します。

「太陽光発電はやめたほうがいい」と言われる3つの理由

太陽光発電3つの理由

「太陽光発電はやめたほうがいい」と言われるのにはどのような理由があるのでしょうか。そう言われるようになった主な理由を3つ紹介します。

理由①売電価格が安くなって元が取れない

FIT制度による売電価格の低下

1つ目の理由は、FIT制度による売電価格の低下です。

住宅用太陽光発電の売電価格は、制度開始直後の2012年は42円/kWhでしたが、2023年は16円/kWhにまで下落しています。

したがって、売電価格だけに着目すると「売電によって得られる利益が少なくなる」と思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし、売電価格は設置費用を回収できる範囲で毎年見直されるものであり、売電価格が下がっているということは、設置費用も下がっていることも意味します。

太陽光パネルの設置

例えば、容量5kWの設備の場合、2012年に233万円だった導入費用が、2022年には80万円まで下がってきています。

つまり、売電価格が下がった以上の割合で、導入費用も安くなっているのです。

しかも、技術の進歩により、発電効率など太陽光パネルの性能は上がっているため、昔と比べて収益性は向上しています。たとえ売電価格が下がっていても、問題なく元が取れる仕組みになっているのです。

理由②未熟な業者の施工で雨漏りなどの不具合が起きた

業者の選び方

2つ目の理由は、業者の選び方で失敗してしまったことです。

一般家庭では自宅の屋根に太陽光発電を設置するケースが多いのですが、安全に工事を行うためには業者側に専門知識と技術が求められます。

万が一粗悪な業者に当たってしまった場合、雨漏りなどの不具合が起きる可能性もゼロではありません。

雨漏れ

太陽光発電の失敗事例を知恵袋などでも拝見しますが、その多くが施工不良による雨漏れです。

もちろんすべての業者ではありませんが、訪問販売会社の「激安」「最安値」「補助金」などを売りにしている業者の中には、未熟な職人に施工させる業者や、仕事が雑な業者もいます。

それだけに、業者選びは価格以上に、実績や口コミなども重要になってくるのです。

太陽光発電の施工実績が豊富で、ベテランの職人が施工に任せる業者なら設置中・設置後のトラブルはほぼ起きません。導入に失敗しないためにも、施工業者選びは慎重に行いましょう。

理由③あとからメンテナンス費用が必要だとわかった

メンテナンス費用

3つ目の理由は、メンテナンスの有無についての誤解です。

太陽光発電システムは一度設置したら終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要になります。

したがって、「設置費用だけでなくメンテナンス費用も必要」と聞くと、「売電した利益が減って損」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、一定の発電効率を維持し、また事故を防ぐためにもメンテナンスは必須です。金額だけ見ると高くなってしまうように思えますが、太陽光発電は10年以上使用するもの。施工業者が責任をもって定期点検を行うことは安心材料です。

太陽光発電システム設置

目の前の安さではなく、長期的な視点で契約内容の良し悪しを判断することが大切です。

良心的な業者の場合は、設置費用の見積もりの中に設置後のメンテナンス費用も含んでいたり、メンテナンスを無料で行っていたりします。

見積もりを依頼する際に、一度メンテナンスについて確認しておきましょう。

太陽光発電で「得をした人」と「損をした人」が分かれるのは何故?

太陽光発電で得した人

太陽光発電を購入して得をしたと感じる人がいる一方、損をしたと感じる人がいるのも事実です。

なぜ得をした人と損をした人が分かれるのか、その違いはどこにあるのでしょうか。以下、具体的に見ていくことにしましょう。

太陽光発電についての勉強をしているか?

太陽光発電についての勉強

太陽光発電の設備は、メーカーも機器の種類も豊富です。

したがって、
これから購入するつもりなら、

  • 自分の使い方にはどのメーカーの製品が合っているのか
  • 自分の住んでいる地域にはどんなパネルが適しているのか

・・・など、ある程度事前に知識を仕入れておくことをおすすめします。

購入前に勉強しておけば、業者の説明を聞いたときに疑問点があっても質問できますし、設備に関する希望も伝えられます。

「こんなはずではなかった」といった事態を避けるためにも、わからないことはすべて事前に解決しておきましょう

購入時に複数の業者を比較しているか?

太陽光発電業者を比較

これから太陽光発電設備を購入するのであれば、複数の業者を比較検討した上で契約することをおすすめします。

太陽光発電の施工業者はたくさん存在しますが、良心的な優良業者もいれば、売れればよいという考えの悪徳業者もいる、というのが実情です。

1社だけしか見積もりを取らずに決めてしまうと、その金額が適正なのか、その対応が適切なのかがわかりません。適正な価格と内容で契約するためにも、必ず複数の業者の見積もりを取って比較するようにしましょう。

複数社と比較すると、10万~30万は下がる傾向があります。タイナビを利用して100万円見積もりが安くなったという例まであります。

2023年3月にタイナビを利用したユーザーで2社以上に見積もりを取得した場合の、高い見積もりと安い見積もりの価格差についてアンケートを行いました。

太陽光発電見積もり価格差

アンケート内容:【電気代削減に効果】電気代の高騰が続く中、太陽光パネルを設置した方の82.2%が「電気代を削減できた」と実感!(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000025653.html

このように、1社だけで決定すると大きく損をする可能性があります。

売電収入だけが利益だと思っていないか?

売電収入や自家消費

太陽光発電を取り入れる醍醐味の1つは、余剰電力の売電ができることです。

しかし、売電価格が下がって、電力会社の電気代が値上がりを続けている現在では、売電よりも自家消費(発電して使う)による電気代の節約が大きなメリットになりつつあります。

例えば、夜の電気代が安くなるプランに加入し、昼間は太陽光発電からの電力を使用して夜は安い電力を購入して使うと、昼間の電気代を大幅に節約できます。

昼間に電気を買わずに済んだ分も太陽光発電による利益だと考えるとかなりお得だとわかるはずです。

太陽光発電に蓄電池を併用

さらに、蓄電池を併用すれば、昼は太陽光発電、夜は蓄電池からの電気を使用することで、電気代をほぼ0円にすることも可能です。

これからの太陽光発電は売電よりも自家消費がお得

太陽光発電自家消費

これから太陽光発電を始めるのであれば、売電よりも自家消費をメインの目的にするのがおすすめです。

2023年5月現在、電力会社から購入する電気代は再エネ賦課金・燃料調整費用込みで約38円/kWh程度(東京電力スタンダードSプランの場合で2023年6月からの値上げ加味)、一方の2023年の売電価格は16円/kWhです。

この状況で売電を中心に利用する場合、使用量によっては「高く買って安く売る」という事態にもなりかねません。

では、4kWの太陽光発電を設置し、売電中心に運用した場合の10年間の収支を考えてみましょう。

・太陽光発電の購入費用:60万円
(※タイナビ等の見積もり比較サイト利用した場合)
・使用割合:30%自家消費:70%売電
・10年間の売電収入:54万円
10年間で節約できる電気代(自家消費):55万円
・売電収入+節約分:109万円
・10年間のトータル収支:49万円の得
(プロ向けのシミュレーションソフトを使用)

この場合でも十分収支はプラスですが、自家消費をメインにすれば、節約できる電気代が増える分、さらに利益が増える可能性も考えられます。

今後も値上がり傾向にある電気代を考えると、これからは売電収入にだけ目を向けるのではなく、「作って使う」自家消費こそが太陽光発電を導入するメリットになる時代といえるでしょう。

本当に太陽光発電の設置をやめたほうがいいケースとは?

中には本当に太陽光発電の設置をやめたほうがいいケースも存在します。

初期費用が高すぎて採算が取れないケースや、天候条件などに恵まれず発電量が少なくなってしまうケースが典型です。

設置場所が特殊で費用がかさみ採算が取れない場合

良くない太陽光発電の設置場所

初期費用が高くなり、採算が取れない場合は太陽光発電の購入はあきらめたほうがよいかもしれません。例えば、スペースが狭かったり、設置場所が特殊な形状をしたりしているような場合は、設置できるパネルの枚数も少なくなります。

しかし、パネル枚数が少ないからといって、初期費用も比例して安くなるわけではありません。パネル代は減るかもしれませんが、パネル以外の設備や工事費用はあまり変わらないからです。

太陽光発電

1kWあたりのシステム費用(1kW発電させるために必要な導入費用)はパネル枚数が少ないほうが高くなります。

実際にかかった費用を何年で回収できるかは設置環境によって変わってきますので、これから太陽光発電を導入する場合は、シミュレーションが可能な施工業者で採算が取れるかを確認しておきましょう。

もっとも、現行の制度では10年間は固定価格で売電し、その後は自家消費で電気代の節約をするといった使い方ができます。長い目で見るとメリットがデメリットを上回るケースが大半です。

屋根が古すぎて太陽光パネル設置ができない

屋根

太陽光発電を設置する屋根が古い場合は設置ができません。

太陽光発電の施工マニュアルにも設置基準があり、古すぎる屋根には太陽光発電は設置できないことになっております。

例えば、垂木や野地板がない屋根などは設置できません。人が住んでいる家であれば、ほぼ該当はしませんが。

他には、除雪用の急勾配の屋根もあまりにも角度がある場合は設置が出来ない可能性が高いです。

太陽光発電を設置する以前に屋根のリフォームが必要の場合がありますので、必ず設置前には業者の方に相談してみましょう。

気象条件の影響で発電量が少ない場合

太陽光発電気象条件

地域によっては、雪が多いなどの理由によって年間の発電量が伸びない地域もあります。ただし、発電量が少ないといっても、発電量の多い地域と比べても多少不利になる程度です。

発電量が多い地域のように、初期費用を短期間で回収することは難しいかもしれませんが、10年の売電と自家消費による電気代節約分を考えれば回収は十分に可能です。

太陽光発電の積雪

ただし、積雪が多いと太陽光発電NGというわけではないので、日本の詳しい地点別の発電量は「NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)」のサイトで確認(https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100113.html)しておきましょう。

電気をほとんど使用していない場合

電気使用

当たり前ですが、日中は外出しており電気を全く使用していない方や夜も早く寝るような方は太陽光発電を設置する意味がありません。

電気使用量が著しく低い方は、そもそもエコな生活をしている為に自家消費する必要はありません。夜に使用料が多い場合は、蓄電池を入れるメリットはありますが、昼夜問わず電気を使っていない人を設置メリットがありません。

特に、売電単価が低い2023年は売電した経済メリットは低く、自家消費する事が一番の経済メリットとなります。

5年~10年で、家の売却を検討しているような方もやめたほうがいいです。

太陽光発電はとても良いシステムですが、ご自身のライフスタイルや将来設計を考えながら検討しましょう

太陽光発電の活用は売電から自家消費へ!購入費用を安く抑えることもポイント

太陽光発電の活用

これからの時代、太陽光発電は作った電気の「自家消費」がトレンドです。

電気代の値上がりが止まらない昨今では、売電収入のみを考えて太陽光発電を導入するのはやや時代に合っていないといえるかもしれません。

初期費用を早く回収するためには、売電単価を気にするというよりは、むしろ設置時のコストを安くする方法を考えるべきです。

特に電気使用量が多い家庭は、場合によっては3年~5年で元が取れる可能性もあります。

設置時のコストを抑えるためには、本文でも触れたように複数の業者の見積もりを比較検討するのがポイント。ぜひタイナビの無料一括見積もりを利用して、お得に契約できる業者を探してみてください。

太陽光発電一括見積もり