2020年の太陽光補助金

FIT制度の開始により、太陽光発電システムの導入は一般家庭にも広がってきました。また、普及とともに導入コストが下がったため、費用面でも十分手が届くようになりつつあります。

しかし、それでも住宅用太陽光発電システムの導入には、ある程度まとまった費用がかかるというのも事実です。少しでも負担を減らすために「国や自治体から補助金がもらえたらいいのに」という人もいることでしょう。

そこで、ここでは2020年度の住宅用太陽光発電システム、および関連する設備等に対する国や自治体の補助金について解説します。

太陽光発電の補助金制度は自治体のものを確認しよう

固定価格買取制度(FIT制度)の開始、および太陽光発電の普及拡大に伴い、太陽光発電に関する国の補助金制度は2013年に終了しました。しかし、各自治体では独自に太陽光発電の補助金制度を設けているケースもあります。

これから太陽光発電を始めるなら、一度住んでいる地方自治体の制度を確認してみましょう。

以下、各自治体の補助金の一例を紹介します。

自治体補助金申請期間
東京都台東区1kWあたり50,000円(上限200,000円)2020/4/1~終了日未定
東京都八王子市1kWあたり20,000円(上限100,000円)2020/4/15~終了日未定
大阪府豊中市1kWあたり15,000円(上限60,000円)2020/5/18~終了日未定
京都府宇治市1kWあたり10,000円(上限40,000円)2020/4/1~2020/12/28

「終了日未定」は、予算がなくなり次第終了となるものです。2020年は、4月時点で新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響も出てきています。状況に応じて補助金の内容変更を検討する可能性がある、とアナウンスしている自治体もあります。補助金制度に変更内容がないか、あらかじめ確認しておくことが必須です。

自治体によって補助金をもらえる条件、申請方法、必要書類などが異なります。制度の有無だけでなく、適用条件などについても購入前に確認しておくようにしましょう。

京都府宇治市のように、太陽光発電設備だけでなく蓄電池も同時に設置すると補助金が交付されるケースもあります。補助対象についてもよく確認しなければなりません。

2020年度も使える!太陽光発電を絡めた補助金

補助金2019

ここまでの段落では太陽光発電システム単体に対しての補助金制度を紹介してきました。しかし、太陽光発電関連の補助金制度は他にもあります。特に、国が力を入れているのが、ZEH関連の補助金です。

ZEHとは、高い省エネ性能を持ち、かつ太陽光発電などで電力を自給自足できる住宅のこと。結果的に年間のエネルギー収支が0になることから、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれています。

国では住宅の省エネ化を推進していますが、普及率がまだ低いのが現状です。そこで、普及拡大に向けた国の補助金が作られました。

ここでは、ZEH関連の4つの補助金制度について、それぞれ条件などを紹介していきます。

ZEH支援事業

ZEH住宅へのリフォーム、およびZEH住宅の新築、購入を対象とした補助金です。補助金額は1戸あたり60万円。蓄電池も設置する場合は、さらに最大20万円の補助金がもらえます。 補助金をもらう条件は以下の通りです。

  1. ZEHロードマップの「ZEHの定義」を満たしている
  2. SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されているZEHビルダーによって設計・建築・改修または販売されている

施工事例が増加するにつれて、補助金の金額も減ると考えられます。もしZEH住宅に住む予定があるなら、早めに検討することをおすすめします。

ZEH+実証事業

ZEH+はZEHよりもより高い省エネ性能が求められる住宅です。認定されると、105万円/戸(蓄電池も設置する場合はさらに最大20万円)の補助金がもらえます。ZEH+と認められるのに必要な条件は以下の通りです。

  • ZEH+の基準を満たしている
  • 停電時に、以下のいずれかにより、主たる居室で電源を確保できること
  • 太陽光発電システムのPCS等から取り出す非常用電力を主たる居室を含む3箇所以上の非常用コンセントに配線する計画

  • 太陽光発電システム、太陽光発電システムにより発電された電力を蓄電する蓄電システム又は停電自立型燃料電池のいずれかから、住宅内又はその一部に電力供給することが可能な計画
  • 次のうち1つを導入

    • 蓄電システム
    • 自立制御電源を確保した太陽熱利用温水システム
    • 停電自立型燃料電池

ZEH+R強化事業はZEH関連の補助金のなかではもっとも認定基準が厳しいのですが、その分補助金額も最高です。ZEH+実証事業と同じで、普及拡大につれて補助金額が減る可能性もあります。条件が整ったら、できるだけ早めに申請を検討することをおすすめします。

先進的再エネ熱等導入支援事業【ZEHプラスα】

ZEHプラスαでは、認定されると最大90万円/戸の補助金を受けられます。ZEHプラスαに認定される条件は、まず「ZEH支援事業」または「ZEH+実証事業」または「ZEH+R強化事業」の補助事業の交付決定を受けていることです。さらに、次の5つの条件のうちいずれかを満たさなくてはなりません。

補助対象となる建材・設備と補助金額は下記の通りです。

  • 直交集成板(CLT)(90万円/戸)
  • 地中熱ヒートポンプ・システム (90万円/戸)
  • PVTシステム (最大90万円/戸)
  • 液体集熱式太陽熱利用システム(最大15万円/戸)
  • 蓄電システム(ZEH+実証事業においてZEH+の補助対象住宅に導入する場合に限る)(最大20万円)

CLTは板を張り合わせて作った新しいタイプの木材で、高い強度と断熱性、遮音性などを持つ材料です。日本では流通量がまだ少なく、コストが高いのが難点といえます。その他の建材、設備に関しても、それなりの工事費用がかかります。補助金額は手厚いものが多いのですが、工事費用がかかる点にも留意しておきましょう。

蓄電関連の補助金制度

蓄電池

ZEHを除き、現在の補助金は蓄電システムを絡めたものが多い傾向が強いです。蓄電システムは初期費用が高い一方で、太陽光発電と合わせると「電気料金の節約」「非常時の自家発電」の効率を大きく高めるメリットが大きいですね。

電気を貯めるには、蓄電池も良いですが、電気自動車も有力な選択肢です。蓄電システムに使える補助金制度について見ていきましょう。

VPP補助金

VPP(バーチャルパワープラント)の実証実験に参加することで、蓄電池の補助金を受けられる可能性があります。

VPPは、一定のエリア内に点在する太陽光発電システムや蓄電池などを、ネットワークでまとめて一括で管理する仕組みです。家庭の発電システムや蓄電池など、小さな電源を取りまとめて1つの「仮想発電所」に仕立てあげようという取り組みです。

VPPは点在する電源を遠隔操作し、電力需要の増減に細かく対応します。エリア内の太陽光などが発電する電力が余る時は蓄電池に貯めておき、電力需要が多い時は各地の蓄電池から電力を放電させます。

エリア内の電力需要に応えつつ、発電した電気を無駄なく使い切り、電力供給のコスト削減が図れる(=電気料金を安くできる可能性!)のです。

VPPの管理者(アグリゲーター)が行う実証実験に協力すると、家庭用蓄電池の導入費用が補助されます。アグリゲーター事業者は一般社団法人環境共創イニシアチブのサイトで確認可能です。

常に募集があるわけではなく、補助金交付には条件がありますので、最新情報をよく確認してください。

蓄電池補助金(公募期限2020年6月30日まで)

蓄電池の設置に対する補助金もあるので確認しておきましょう。2020年度の蓄電池補助金はないと見られていたのですが、2019年度分の追加公募として受け付けられることになりました。これは、「平成31年度『災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金』」の追加公募です。

補助金対象となる蓄電システムの条件として、10kW未満の太陽光発電の併設が必須になります。太陽光発電については、すでに設置していても、これから新たに設置する場合でもどちらでもOKです。

蓄電池の補助金は、蓄電池の初期実効容量によって補助額が異なります。大容量であるほど高額な補助金を受給できるシステムですが、蓄電池の補助金は最大でも60万円です。

補助金対象となるには、公募要領に示されている「目標価格」を、工事費をのぞく設備費用が下回っていなければなりません。目標価格は蓄電池の保証年数によって異なるので、確認することが必要です。

補助金への申し込みは2020年04月07日(火)から2020年6月30日(火))までと、期間が限られているので気になる人は早めに検討しましょう。

電気自動車 CEV補助金

一般的な家庭用蓄電池ではなく、電気自動車を選択する人もいるかもしれません。この電気自動車の購入費用に対しても、蓄電池と同様に補助金を受けられる可能性があります。それがCEV補助金です。

補助金額は電気自動車の型式によって異なりますが、令和2年度の補助金額は次のようになっていました。

日産リーフ(ZAA-ZE1)320,000~420,000円
日産リーフ(ZAA-AZE0)76,000~180,000円
三菱i-MiEV18モデル(ZAA-HD4W)184,000円

CEV補助金の最新情報は、一般社団法人次世代自動車振興センターのサイトで最新情報を確認するようにしましょう。

太陽光発電システムの導入は今こそおすすめ

太陽光発電システムの設置費用は、年を追うごとに安くなっているのです。技術や電気を取り巻く状況なども変化しつつあります。ここでは、導入するなら今こそおすすめしたい理由は何かを詳しく解説していきます。

安価に設置できるようになっている

太陽光発電が安価に設置できるようになった理由は何でしょうか。2020年の売電価格は、10kW未満の家庭用で21円/kWhと年々下がってきています。売電価格が低下するなか、設置にかかる費用も下がってきているのです。

たとえば、2011年の設置費用と比較すると、2020年には半額程度に費用が安くなっています。その理由としては、太陽光発電システムが十分に普及したため、大量生産によって低価格化したことが挙げられます。設置するための工事についても、業者の努力により効率が上がったことで費用が下がっているのです。

狭い屋根でもたくさん発電できるようになっている

最新の太陽光パネルは、狭い屋根に載せてもたくさん発電できるようになっています。これは、技術が進んだことで発電効率が上がり、狭い屋根でもより多くの電気を発電できるようになっているからです。

太陽光発電システムで重要な位置を占めるパネルは、日々の研究により性能がアップしているのです。比較的低価格な海外メーカーのパネルも、国産のものとほぼ同レベルにまで進化し、質が高まっています。安くて品質のよい太陽光発電システムを導入できるチャンスが到来したといえるでしょう。

電気代が上がっている

電気代が上がっている昨今、太陽光発電の導入によって得られるメリットが高まっています。太陽光発電システムは、太陽エネルギーを利用して作った電気を、売電するだけでなく自宅で使用することも可能です。

電気を自宅で使用することによって、その分の節約効果が見込めます。消費税増税や再エネ賦課金などによって、電気代が年々高騰している今だからこそ、このメリットは大きいといえるでしょう。

災害への備えになる

近年、日本では台風や大雨、地震などによる災害の頻度が多くなっていることは否定できません。大きな自然災害が起こるたびに、大規模な停電で悩まされる地域があるのです。

太陽光発電システムがあれば、急な停電が起こっても日中に発電して電気が使えるので安心できます。

自宅避難は電気の備えがより重要

今後は感染症への対策として、避難所ではなく自宅での避難を選ぶケースも考えられるでしょう。災害への備えとして、これからは従来よりも電気エネルギーを確保する手段の重要性が増すと考えられます。

避難所に選ばれる施設には、太陽光発電やガソリンなどを利用した自家発電システム、蓄電システムが備わっている場合が多いです。しかし、自宅避難を選ぶなら、電気も自分で備えなければなりません。屋根に太陽光発電が乗っていれば、燃料が調達できない状態でも発電して電気を使い、自宅の家電が使えるようになります。

補助金が活用できる

太陽光発電システムの導入には補助金も活用できます。ただし、太陽光発電に関する国の補助金は廃止されていますので、自治体の補助制度に注目しましょう。

一部の自治体では、太陽光発電システムへの補助金を用意しているところもあります。導入を検討するなら、太陽光発電を設置する予定の建物がある自治体の補助金情報を確認しましょう。

蓄電池やZEH住宅の補助金も狙いどころ

ZEHや蓄電関連などと絡めた国の補助金も活用できるので、今は導入を検討するのによい時期です。ZEHのように複合的な取り組みも展開されている太陽光発電は、今後も推進すべき事業として期待されていることが分かります。

補助金を無駄にしないために業者選びも重要

太陽光発電システムの導入に関しては、状況によって補助金を受けられる可能性があります。自治体単位での補助金制度、その他太陽光発電関連の補助金がありますので、事前の問い合わせでどの補助金が受けられるか確認しておきましょう。

ただし、せっかく補助金が受けられても、太陽光発電の導入に必要な費用が高ければお得度は低くなってしまうかもしれません。太陽光発電システムの設置費用は、業者によってかなり違いがあります。

タイナビの一括見積りを利用して複数社から見積りをとり、費用を比較しながら業者を選定することをおすすめします。