売電から自家消費へ

太陽光発電といえば「売電」ですが、今後は自家消費を中心としたシステム構築が進みそうです。そのきっかけとなっているのが、FIT価格(固定買取価格)の低価格化。売電よりも自家消費したほうがお得になってきているのです。

太陽光発電システムにおける自家消費率

太陽光パネルの平均設置規模は4.5kWで、年間発電量は約5130kWhです。その使用状態は、1539kWhが自家消費されており、余った3591kWhを売電しているといったもの。

この事から、自家消費率は平均で約3割ほどいうことがわかります。平均以外ではどうなのかというと、積載量と家庭での電力消費量によって10%~100%の差が出ています。生活スタイルが異なることからも、自家消費率も状況によって異なるのです。

自家消費費率を高くするには、まずはどれぐらいの電気使用量なのかを把握することが必要。必要な容量に合わせた太陽光発電システムの構築が、設置費用を適切なものとするのです。

売電と自家消費ではどちらがお得?

自家消費型太陽光発電システムとは、売電はしないですべて自家消費する事をいいます。これらに対して、補助金も支給されています。

独立型再生可能エネルギー発電システム等対策費補助金といい、「経費の3分の1」か「kWあたり11万円」の低い方の金額が適用されます。では、普通に全額売電するのと、補助金をもらって自家消費するのではどちらが得なのでしょうか?

それは、現在の電気の買取単価が高ければ高いほど、自家消費した方が得する可能性が高くなります。なぜなら、自家消費することがそのまま投資するといったことにも繋がるからです。

自家消費型太陽光発電システムを導入するメリット

電気料金を節約を出来る事から、自家消費型太陽光発電システムの導入を検討される人が増加しています。その理由としては、電力会社から買うよりも、太陽光発電システムを自宅に導入して作り出すほうが経済的だからです。

システムの導入にお金はかかりますが、補助金も用意されているので発電コストは10/kWhを切る事もありますし、最近ではFIT価格が27円/kWhまで落ちてしまっているので、自家消費型の方がシステム導入にかかった費用分をはやく回収することが可能となっているのです。

エネルギー先進国のドイツではすでにFIT制度が終わりに近づいており、売電するよりも自家消費した方が得として自家消費型太陽光発電システムを導入する家庭が増えています。

日本もドイツと同じようにならないとは言えない状態であることからも、今後も電気料金単価が上ることが予測されています。同時に、ますます自家消費型太陽光発電システムによるメリットが大きくなるのでは…と考えられているのです。

自家消費は蓄電池との連携が重要

今後は、自家消費を意識したシステム構築、周辺機器や設備の設置に重点が置かれるようになり、蓄電池やHEMSなどの導入を検討する人も増えてくるでしょう。

太陽光発電をうまく使うのには、蓄電池との連携が重要です。太陽光と蓄電池の常時接続・連携がとれてこそ、自家消費をうまくコントロールすることができるのです。

定置用のリチウムイオン蓄電池システムを出してきているところもありますが、ただの巨大な外付けバッテリーにならないように注意が必要です。

売電から自家消費の時代へ

数年前に太陽光パネルが注目を集めた時は、売電が特に重要なものとなっていました。売電で電気料金を減らすことができると、多くの人が考えたのです。

でも今は、売電ではなく自宅で使う事…自宅消費が注目を集めてきており、各社メーカーもそれを意識した太陽光発電システムの構築が進められています。

これから太陽光パネルの設置を考えているのであれば、自宅での電気利用量の把握と、売電と自家消費についてしっかりと理解し、どういったシステム構築をしていくのか考えていかなくてはいけないのです。