一戸建ての電気代をしっかり節約する方法

一戸建て住宅の電気代は、集合住宅に比べると高くなりやすい傾向があります。たとえば、マンションから一戸建て住宅に引っ越して、電気代の違いに驚いた人も多いのではないでしょうか。

光熱費は家計のなかでもウエイトが高いため、少しでも安く抑えたいものです。照明のスイッチをこまめに切ったり、エアコンの温度を調整したりすることで、ある程度の節電はできますが限界があります。

この記事では3人家族を例として、一戸建て住宅の電気代が高くなってしまう理由や3人家族の電気使用量、電気代を節約するために効果的な方法を紹介します。

3人家族の電気使用量と電気代

3人家族における電気使用量は、平均で月に370kWhです。また、総務省統計局による2018年家計調査によれば、3人家族の電気代は1カ月あたりの平均で1万1024円となっています。

3人家族の電気代が高くなる理由として考えられるのは、子供が生まれてからのライフスタイルの変化です。育児のために在宅時間が増えたり、洗濯や洗い物など家事の回数と量が増えたりしたため、電気の使用量も増えています。

一戸建ての電気代は集合住宅よりも月額約2000円高い

日本生活協同組合連合会が2019年9月に発表した「電気・ガス料金調査」報告書によると、一戸建て住宅の1カ月の電気料金の平均は8546円です。これに対し、マンションなど集合住宅の電気料金は6477円。

一戸建て住宅は集合住宅よりも2000円ほど電気料金が高いということです。

また、電気の使用量についても一戸建て住宅が350.2kWh、集合住宅が246.6kWhと、一戸建て住宅のほうが約42%多い結果が出ています。

この理由としては、一般的に一戸建て住宅のほうが部屋数や床面積が増えることが挙げられるでしょう。部屋数が増えれば照明やエアコンの数が増えますし、一部屋の面積も大きくなるのでエアコンの電気代もかさみます。

そのため、一戸建て住宅は集合住宅と比べると電気料金が高くなりがちなのです。

一戸建ての電気代が集合住宅よりも高くなる理由

一戸建ての電気代が高くなりがちな理由

電気料金は「契約アンペア数」「料金単価」「電気使用量」の3つの要素で決まってきます。

電気代は、基本料金に電気の使用量に応じた料金をプラスしたものです。基本料金はもちろん、電気の使用量に応じた料金は、電気料金プランによって異なります。

契約する電気料金プランが異なれば、ひと月に使う電気の量が同じでも、電気代に差が出てくるのです。

なぜ一戸建て住宅の電気代は高くなってしまうのか、電気料金プランを決める3つの要素を踏まえながら、説明していきます。

契約アンペアと基本料金が高い

このトピックは、主に東北電力、東京電力、中部電力、九州電力のエリアでアンペア制(10A〜60Aのブレーカーを使っている)電気料金プランを契約している家庭が該当します。

基本料金は契約しているアンペア数によって変わってきます。アンペアとは電気の量を表す単位です。電気料金プランにおいては、同時に使用できる電気の量を決めたものが契約アンペアになります。

契約を10アンペア上げると、基本料金が300円程度高くなるのが一般的です。

契約アンペアが大きければ、電子レンジやドライヤー、エアコンなど大きな電気を必要とする家電製品を同時に使っても、ブレーカーは落ちません。

たとえば、20アンペアの契約で、1500Wの電子レンジと1200Wの炊飯器を同時に使用すると27アンペアの電気が必要になるので、ブレーカーが落ちてしまいます。そのため、契約アンペアは、ある程度余裕を持って決めることが大切です。

かといって、あまり余裕がありすぎると無駄に電気代が高くなってしまいます。

たとえば、東京電力エナジーパートナーの場合、20アンペアで561.60円、40アンペアで1123.20円と契約アンペアで基本料金は大きく違ってきます。

現在契約しているアンペア数は、毎月の電気料金のお知らせの通知、またはポータルサイトで確認できますので、一度見直してみましょう。契約アンペアは電力会社に連絡すれば、簡単に変更できます。

なお、アンペア料金制ではないプランを契約している場合、電気の使用量を下げるしか方法はないと考えられます。

専有面積が広く空調などの消費電力が高くなる

一般的に一戸建て住宅は、マンションなどの集合住宅に比べて部屋数が多く、一部屋あたりの面積や全体の面積も大きくなります。当然、それに合わせてエアコンや除湿機・加湿器、照明などの数も多くなるでしょう。

複数の部屋で同時に使用する機会も増え、使用する電気の量が増えて電気代も高くなります。

家庭向けの一般的な電気料金プランの場合、ひと月の電気使用量が一定量以上に増えると料金単価が上がる仕組みになっています。

たとえば、東京電力エナジーパートナーの場合、120kWhまでは1kWhあたり19.52円、120~300kWhまでは26.00円、300kWh超過分は30.02円という料金設定です。同じ家庭でも、一ヶ月の間に200kWh使ったときの電気の単価と、300kWh以上使ったあとの単価は違うということです。

電気代を抑えるためには、電気の使用を控えて、電気使用量を増やさないことが基本となるのです。

断熱性の差でエアコンなどの消費電力が高くなる

断熱とは、家の中と外で熱の出入りをさせないことです。この性能が劣るということは、夏の熱が家に入り、冬は暖房の熱が外に逃げていってしまいます。こうした環境では、エアコンの冷暖房により多くの電力が必要になります。

つまり、断熱性の差は、光熱費にとって重要な要素なのです。
そして、一戸建て住宅は、集合住宅よりも断熱性が低い傾向にあります。

集合住宅は上下左右を隣家に囲まれているため、外気に触れる面積が比較的小さいです。四方を外気に接している一戸建て住宅よりも、断熱性が高まります。そのため、一戸建てよりも集合住宅のほうが、空調の電気使用量が少なく(電気代も安く)済む傾向にあるのです。

一戸建ての電気代を節約する効果的な方法

一戸建ての電気代を安くする方法

一戸建て住宅には、集合住宅に比べると電気代が高くなりやすい要素がたくさんあります。ここでは、一戸建て住宅の特性を踏まえて、少しでも電気代を節約するために効果的な方法を紹介します。

電球をLEDに変えることで電気代を1万円以上節約できる

白熱電球をLED電球に変えることで、電気代を節約することが可能です。

たとえば、1kWhあたり27円の単価で、54Wの白熱電球を1日8時間使用した場合の電気料金は年間約4200円になります。同程度の明るさの7.8WのLED電球を同じ条件で使用した場合の電気料金は、年間で約600円になります。

つまり、電球をLEDに変えることで電気代を1万円以上節約できることになるのです。これは、電球1個の場合の電気代ですので、仮に5個変えれば年間1万8000円もの節約になります。

LED電球は白熱電球に比べると売価はやや高めですが、白熱電球よりも寿命が10年以上と長いため、結果的に購入コスト面でもメリットがあります。

窓ガラスやサッシを変えることで断熱性を高めることができる

一戸建て住宅は集合住宅に比べて断熱性が劣るというデメリットがありますが、これを改善することで電気代を抑えることができます。

一戸建て住宅の断熱性能を高める方法としては、断熱材を高性能なものへ変更する方法があります。壁や屋根、床、基礎などの断熱材を見直してリフォームしたり、新築時には多少費用がかかっても良いものを選ぶようにしましょう。

窓を断熱効果の高いものに変更するのもおすすめの方法です。ガラス1枚で外気と接する窓の断熱性を改善すると、外気温に影響されにくくなるので、高い省エネ効果が期待できます。

断熱性能を高めるためには費用もかかりますので、コストバランスを考えながら最適な方法を選択しましょう。

省エネ家電に買い換えて消費電力を抑える

最新家電は省エネ性能に優れたものが多いため、家電を買い換えるだけでも、消費電力を削減して電気代を節約できる可能性が大です。

家電のなかでも、エアコンは特に消費電力が大きいといわれています。エアコンの省エネ性能を比較するときに役立つ指標が「通年エネルギー消費効率(APF)」です。APFとはエネルギー消費効率を意味し、数値が大きいほど効率が高い省エネタイプとなり、消費電力量を減らせます。

パナソニックのエアコン「エオリア」の「X(APF7.2)」と「EX(APF5.3)」を比較すると、電気代の差額は1年間で1万1313円です。10年間では11万3130円もの大きな差が生じることを考慮すれば、省エネ性能の高い家電を導入することで削減できる電気代は大きいといえます。

ビックカメラ.comによると、エアリア10畳用の価格は、Xが174,000円(税抜)、EXが153,180円(税抜)です(2020年6月現在)。本体価格の差額は約2万円のため、約2年間で差額分を回収できる計算になります。

よって、購入時の価格が高額だとしても省エネ性能の高い機種を購入して電気代を削減するほうが、長い目でみればお得になるのです。

電気料金プランを見直すことで電気料金を安くできる

かつては、契約できる電力会社は地域によって決められており、自由に選ぶことができませんでした。しかし、2016年の電力自由化によって、多くの電力会社からさまざまなプランを選べるようになったのです。契約しているプランを見直すことで、電気料金を抑えることもできます。

前述のように、電気料金は「基本料金+従量料金の料金単価×電気使用量」で算出されますが、基本料金や料金単価は電力会社やプランによって変わってきます。

たとえば、日中は仕事や学校で留守のため、電気は主に夜に使うという家庭も多いでしょう。このような場合は、夜間に電気代が安いプランを選ぶと、大きく電気代を下げることができます。

電力会社によって、朝の時間帯が割安になるプランや土日が安くなるプランなどが用意されています。自分にぴったりのプランがないか、契約プランを見直してみましょう。

太陽光発電を設置することで電気代を削減できる

戸建住宅には、屋根などに太陽光発電システムを設置できるという大きなメリットがあります。太陽光発電システムを設置すれば、電気代を下げられるだけでなく、余った電気を売って収入を得ることも可能です。

また、屋根に設置した太陽光発電システムには断熱効果もあり、夏場にはマイナス11度程度、冬にはプラス5度程度の温度を調整する効果があります。そのため、冷暖房の使用を大幅に抑えることができ、高い省エネ効果が期待できます。

毎日の発電量や使っている電気の量も一目で把握できるため、家族みんなの節電意識が高まるでしょう。節電すればするだけ、売電する量が増えて収入も大きくなるので、節電の習慣化にもつながります。

3人家族の電気代を太陽光発電で安くできるかシミュレーション

ここでは、太陽光発電で電気代をどれくらい削減できるか、買電量のシミュレーションをします。そのうえで、節約できる電気料金や家族が増えた場合の電気代の変化について説明します。

削減できる買電量

条件にもよりますが、3人家族の場合は1年あたり5万円以上、電気料金の削減が可能です。ここでは、減らせる買電量について解説します。

3人家族における電気使用量の月平均は370kWhです。発電量4.5kWの太陽光パネルを載せた場合、年間発電量の平均は約5000kWhとなっています。発電量は季節によって変動しますが、月平均にして417kWh程度です。

小さい子供がいて、日中も親が自宅にいる場合を想定してみましょう。日中に消費する電気の割合が全体の40%として、その分をすべて太陽光発電で賄える場合、370kWh×40%=148kWhを削減できます。つまり、月に148kWh、年間で1776kWhの買電量をカットできるのです。

節約できる電気料金

上と同じ条件の場合、電気料金についても約40%削減できます。つまり、3人家族の電気代が1カ月あたり1万1024円なので、その40%にあたる約4400円が節約できるということです。1年間に節約できる電気料金は約5万2800円です。

電気代のうち、基本料金は変わりませんが、使用量が下がるために電気代も安くなります。東京電力の従量電灯を例としてみていきましょう。

使用量300kWh以上の単価は高く設定されていますが、電気使用量を40%削減したことにより、300kW以内の単価が適用されます。また、電気料金に含まれている再エネ還付金も、電気の購入量を減らすことによって安くすることが可能です。

電気料金の計算方法については、以下の記事でくわしく解説しています。

https://www.tainavi.com/library/4574/

家族が増えた場合の電気代の変化

3人家族における電気代の平均が1カ月あたり1万1024円なのに対し、4人家族の場合は1万1719円と、増加はわずか700円程度です。夫婦2人暮らしから子供を含めた3人暮らしに変わったときは急に電気代が増えますが、4人暮らし、5人ぐらいになった場合の電気代は、ゆるやかに上昇します。

今後、もっと家族が増えるとしても、在宅時間や家事の頻度はそれほど変わらないため、現在の使用電力量を目安として太陽光発電を検討しても問題ないといえるでしょう。

太陽光発電システムは元が取れるの?

ここでは、太陽光発電システムを購入して元が取れるのかについて、導入費用・売電収入・10年後の収支結果から解説します。

太陽光発電システムの導入費用

タイナビに登録している施工店によれば、近年の太陽光発電システムの導入費用は1kWあたり約25万円です。3人家族向けのパネル容量として4.21kWを設置する場合、約25万円×4.21kW=約105万2500円となります。

およそ105万円となると、決して安い買い物ではないと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、太陽光発電の特徴として、長期間の使用を続けながら初期費用を回収できるという仕組みがあります。導入費用を回収するための収入源となるのが、次に説明する売電収入です。

売電収入

売電収入とは太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことにより得られる収入で、収入金額は「売電価格×売電量」で計算できます。

売電価格については、最初の10年間はFIT(固定買取価格制度)が適用されます。FITとは、定められた価格で10年間、発電した電気を電力会社に買い取ってもらえる制度です。2020年度のFIT価格は21円/kWhとなっています。

FITの詳細については、以下の記事を参照してください。

https://www.tainavi.com/library/3230/

パネル容量4kWの太陽光発電システムにおける発電量は、1年あたり平均4555kWhです。一般的に、発電した電力の30%を自家消費し、残り70%を売電します。

21円/kWh×4555kWh×70%=6万6950円と計算でき、年間で6万6950円程度の売電収入が期待できるのです。

太陽光発電システムを安く導入するには?

太陽光発電システムの導入費を安く抑えれば、その分、初期費用を早期に回収できます。ですから、良い物件を、できるだけ安く購入するのが重要なのです。

太陽光発電システムはホームセンターや家電量販店、ハウスメーカーなどから購入することもできます。ただ、適切な価格相場を知らないことによって、割高で購入してしまう可能性もあります。

そこで、太陽光発電システムの一括見積もりサイトで相見積もりを依頼することをおすすめします。複数の会社の見積もりを取れば、さまざまな視点から比較検討ができます。

たとえば、価格を比較したり、会社の評判や実績、アフターサービスなどを見比べたりすることによって、最も良い施工店を見つけることができるのです。

電気代を節約!一戸建ての特権 太陽光発電の導入はメリットが多い

一戸建て住宅の場合、集合住宅に比べて電気代が高くなりやすい傾向があります。しかし、電気の契約プランを見直したり、住宅の断熱性能を高めたりすれば、電気料金を下げることが可能です。

電気料金を下げるためにはいくつかの方法がありますが、一戸建て住宅ならではの方法として、太陽光発電システムの設置があります。最適な太陽光発電システムを選ぶためには、複数の業者に見積もりを依頼して比較検討することが大切です。

「タイナビ」なら無料で簡単に最大5社に見積もり依頼ができるので、まずは申し込んでみましょう。