近年における太陽光発電システムでは、余った電気を貯めて好きなときに使える蓄電池が注目されています。ただ単に電気を生産するのではなく、貯めて有効活用することが視野に含まれるようになってきているのですが、ダブル発電による売電単価の低下といったデメリットも発生しています。蓄電池の設置では、どのようなところに気をつけて選べばいいのでしょうか?

蓄電池によるダブル発電とは?

太陽光発電で生産された電力は家庭内で使用し、余った電力を売電しそれを利益として得ています。この余った電力は、電力会社に売るだけでなく住宅用蓄電池やバッテリーなどに蓄電することも可能。
 
蓄電することで、自家発電できない夜間に使用することができ、夜間電力が一切かからないようにすることができるのです。これにより、2016年から始まる電力自由化により懸念されている、電気料金の値上げや停電の可能性といった不安も解消されます。
 
このように、太陽光発電で生産された電気を住宅用蓄電池やバッテリーに貯蔵し、発電した電気を時間をずらして使うことを「ダブル発電」もしくは「ダブル売電」と呼びます。蓄電しないのは「シングル発電」となります。
 
ダブル発電と呼ばれるものには、夜間に使用する電力を蓄電するための蓄電池だけでなく、ガスと発電を併用したエネファームやエコキュート、電気自動車バッテリーを蓄電池として利用する電気自動車もこれに当てはまります。

ダブル発電とシングル発電の売電価格の違い

ダブル発電においての売電価格は、一般的な売電価格よりも下がってしまう事に注意が必要です。経済産業省のホームページでは、平成27年度の売電価格がシングル発電のほうが6円も高い買取金額となっているのです。
 
なぜ価格に大きな違いがあるのかというと、太陽光発電が急速に普及し売電に対する支払いが大きく膨らみ、電力会社にとっては都合が悪くなってきたからです。一般家庭でこれ以上の電力カットをされないようにしている、ともいえます。
 
またもう一つ理由があります。蓄電池があることで、昼間の売電時間帯に放電して余剰分、つまりは利益を増やすことができるのです。それは蓄電池がない家庭と比べて不公平であるといったことから、ダブル発電に関しては単価を下げる事にしたのです。
 
もともと売電価格を設けているのは節電を促すため。節電すればするほど売電できて利益ができるという仕組みなっているので、通常の余剰売電家庭との差を拡げないためにも低く設定されたのです。

ダブル発電にならない蓄電池システム

蓄電池のなかには、ダブル発電が適用されないシステムもあります。そうしたシステムによるシュミレーションからも、確かにダブル発電による数千円の増収はでるようですが、蓄電池の経年劣化などからどこまでその利益が保たれるのか不明な点が多いものとなっています。
 
そうした動きからも、2015年からの補助金対象製品にはダブル発電が適用されない蓄電池が増えてきています。メーカーの方でもそれに対応できるように、蓄電池の放電を強制的にストップさせることができるRPRセンサーを搭載するなどの対応をおこなっています。

電気自動車&PHVと住宅の連携には注意

電気自動車やPHV(Plugin Hybrid Vehicle)に搭載されているバッテリを住宅でも使用可能として製品した、VtoH(Vehicle to Home)が普及してきています。これは、住宅内に蓄電池を置くのと似たような状態になりますので、太陽光発電とセットにしてしまうとダブル発電とみなされて売電単価が下げられてしまいますので注意が必要です。
 
ダブル発電ではなくシングル発電とするには、インテリジェントな電力モニタを設置し、太陽光発電システムからの発電状況や家庭内での電力消費の状態を把握し、適切な時にバッテリの放電をするようにします。
つまり、余剰電力の売電とバッテリの放電を同時におこらないようにするということ。余剰電力を売電する際には、バッテリの放電を止めればいいのです。

ダブル発電による生活をシュミレーション

蓄電池を設置すると、自家発電で得た電力を貯めて夜間の発電しない時間帯に無駄なく充てることができます。家計の負担を減らすだけでなく電力のピークカットができるので、エネルギー問題の解決にも貢献できます。ですが、蓄電池を設置する事でダブル発電とみなされて売電単価が低くなるデメリットには気をつけなくてはいけません。
自家発電した電力をどのように役立てていきたいのか、よくシュミレーションしてから選ぶようにするのが大切です。