太陽光発電システム導入の際、「寿命は20年以上」で、「ノーメンテナンス」と言われたりしています。しかし、実際はそんな事はなく、10年で3割のシステムで異常が判明しています。
従いまして、販売店などでは定期点検が1年、3年などの周期で行われ、より発電効率の低下や早期の故障を見つけることを目的として行われています。
ここでは、そんな太陽光発電の点検項目などについて紹介していきましょう。
点検方法について
太陽光発電システムの定期点検を行なうのは主に販売店です。
長期保証のメーカーは、4年に1度以上での点検を行なう事を推奨しているので、販売店での点検はより早い段階での定期点検を行なって貰えるものだと言えます。
そして、点検を行なうのは販売店のJPEA認定PV施工技術者か、メーカー認定技術者などが行なうようにしています。
販売店は原則として、資格を持っているものや認定技術者でなければ、太陽光発電のメーカーと販売代理店契約を行えないので、「導入後の定期点検はあるのか」「それらの技術者が販売店に存在するのか」を確認しておくことも重要です。
また、点検には無償点検と、有償点検があります。施工販売店によっては10年間で10回無償の定期点検してくれる会社もあれば、全て有償でしっかりと内容の濃い点検を行ってくれる会社など様々です。激安店にありがちですが売りっぱなしという会社もあります。
それでは実際の販売店が行なう点検内容を具体的に見ていきましょう。
目視でチェックを行なう製品点検
製品点検では太陽光電池モジュール、接続箱、パワーコンディショナ、昇圧ユニットなどの製品自体の点検を行います。
まずは目視での点検になります。
モジュールの表面の傷、汚れ、破損が無いことを確認します。またフレームに破損がないか、変形が無いかなども確認します。
架台では腐食、サビがないかの確認を行います。ケーブル、配電線官の破損、接地線の接続、接続端子の緩みはないか、ネジの緩みのチェックも行います。
また、コーキングされている部分、防水シーラーが指定された箇所に貼り付けてあるかの確認を行います。屋根では、屋根裏の確認、雨漏れの跡がないかなども確認します。
実際に運転を行い確認する運転点検
運転点検では、パワーコンディショナ、昇圧ユニットの動作確認を行い、正常に運転が行われているかの点検を行います。
架台設置確認では、接地抵抗値測定を行います。モジュール系統も運転の際、開放電圧の確認を行い、初期値と定期点検時測定値との比較を行います。
パワーコンディショナでは自立運転機能を確認します。自立運転切り替え時、専用コンセントから1500wまでの負荷が使用できるかを確認します。
運転時に異常振動、異臭がないかも確認します。
測定によってクリアになる数値測定点検
数値測定点検では、太陽電池、電力系統の電圧の測定、機器間の絶縁抵抗測定などを行い、電気系統に異常がないかを測定します。
モジュールでは、開放電圧測定を行います。初期値と定期点検時測定値との比較を行い、異常がない事を確認します。
また、短絡電流測定を行います。各モジュール系統の短絡電流を測定し、太陽電池モジュールの性能確認を行います。照度計により日射条件も合せて記録を行います。接続箱では、絶縁抵抗の測定を行います。
指定された測定条件で各モジュール系統すべてで測定し、その値が規定値以上であることを確認します。
0.2MΩ以上(測定電圧DC500V)出力端子の接地間の測定では、指定された測定条件で各モジュール系統すべてを測定し、その値が規定値以上であることを確認します。
1MΩ以上(測定電圧DC500V)絶縁抵抗測定では、入出力端子の接地間での測定を行います。指定された測定条件で各モジュール系統全てで測定し、その値が規定値以上であることを確認します。
基本的にはこの3つの点検が作業の項目ですが、より細かいものをセットにする販売店や、基本的な点検をオプションとして付けている場合もあります。
太陽光パネルの洗浄などを行う販売店もあります。オプション部分では販売店などで変わってくる部分ではありますので、契約時に確認をしておく必要があります。
定期点検以外でも自分で行えるチェック項目
1年、3年と専門の技術者によっての点検が行われますが、普段から点検を行なうことも重要です。普段の点検は自分でもできるものだと認識しておくと実際に点検に来た際にも、注意をして見ることもできるので覚えておきましょう。
点検しておきたい所として、パワーコンディショナ、太陽光パネルと架台、ケーブルや接続箱です。項目は、
※汚れはないか
※傷などの大きな損傷はないか
※破損、欠損が外から見て分かる程ないか
※腐食している箇所がないか
※配線が外れていないか
※振動が大きくなっていないか
※焦げ臭い匂いなどの異臭がないか
他にも、遠隔監視システムなどを利用されている場合、発電量などが急激に落ちている場合なども注意ができ、すぐに販売店やメーカーに問い合わせる事が可能ですし、エコめがねなどの販売店による見守り機能が付いていれば、事業者自身で気付かなくても発電量によって異常を感知して販売店が駆けつけてくれます。
最近では、この様な太陽光発電遠隔監視システムを利用される方が多く、発電量の変化で故障を早期に発見、販売店やメーカーなどに通知が届くシステムもあり、異常に気付くタイミングも早くなっています。
定期点検はメーカーが4年保証ありますが、4年では不安が拭えない部分は多々あります。
販売店では1年,3年,5年,7年などの手厚い無償点検がある事が多いですし、同時に遠隔監視システムなどを使用する事で、より安心な太陽光発電を行えるように心がけましょう。
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