クリーンなエネルギーである太陽光発電は、「光熱費を削減できる」「売電によって収入が得られる」「災害や停電時に家庭の電力を確保できる」など、たくさんのメリットがあります。
一見するといいこと尽くめのように思えますが、デメリットが無いかというとそうではありません。
太陽光発電システムは設置費用が高い
太陽光発電システムを設置するためにはある程度の費用が必要だということ。たとえば、容量が3.5kWの太陽光発電システムを設置するために必要な費用は、87.5万円とされています。(1kWあたり25万円で試算)
これは、当サイトが調査した中でコストダウンに成功したトップクラスの施工会社が提示した金額です。一般的には、1kWあたり30万円を切ったあたりが相場と言えるでしょう。
2001年時点では1kWあたり約267万円、2006年で約239万円、2011年で約181万円が太陽光発電の相場でした。震災後の固定価格買取制度(FIT)の貢献で急激に安くなりましたが、それでも100万円に近い大きな買い物であることは変わらないでしょう。
特に値下がりが大きかったのはソーラーパネルや工事費用です。今後も少しずつの値下がりが予想されますが、これまでほどの価格破壊は望めないでしょう。
1kWあたり25万円前後での設置をお望みなら、事業者同士が価格とサービス競争を前提とする一括見積りをご利用ください。
国の補助金が終了してしまった
これまで、太陽光発電の設置に対して国がいくらかの補助金を出していました。補助金制度は2014年に終了したきりです。残るは、自治体が独自に行う市町村ごとの補助金しかありません。
先ほどみたように、10年以上前に比べると太陽光発電は格段に安くなっています。裏を返すと、それだけ買い求めやすくなったから補助金も終了した、とみることもできます。
市町村単位では補助金を出しているところがあります。住んでいる地域の自治体が太陽光発電に対する補助金制度を設けているか、まずは調べてみましょう。地域に密着した太陽光発電の施工店は補助金情報に詳しいため、助成制度をしっかり活用してもらえます。
発電量が天候に左右される
太陽光発電は、日光が当たらなければ発電することができません。夜間は発電できませんし、天気が悪いときは発電量が下がってしまいます。天候に左右されて、発電量が毎日一定ではないことも、太陽光発電のデメリットなのです。
影の当たり具合は、時間によって変化します。太陽光発電の一部でも周りの建物の影に入る時間が長くなれば、発電量は落ちてしまいます。設置するときは、屋根の向きや高さの他に、周囲の環境を注意深く観察しなければなりません。
太陽光発電の施工会社は、周囲の障害物が及ぼす影の影響を加味した発電量をシミュレーションできます。家の図面だけを渡して見積もりを依頼するのではなく、面倒でも現地を見てもらう方が、日当たりや影などの潜在的なリスクの発見に繋がります。
現地訪問後のしつこい営業やセールスを避けたい方は、営業行為に対して厳しい取り決めがある登録制見積もりサイトの「タイナビ」をご利用ください。
メンテナンスが必要
太陽光発電システムは、設置したら終わりというわけではありません。ソーラーパネルは月日が経つごとに汚れていき、発電量の低下や、悪い場合は故障にまで繋がるケースがあります。
ケーブルや留め具など、各種部品の経年劣化も定期点検が強く推奨されています。安定的な発電量を確保するために、定期的なメンテナンスは必要不可欠なのです。
点検費用も太陽光発電のデメリットになり得ますが、4年に1回程度のメンテナンスで長期にわたり発電し続けてくれます。メンテナンス体制は太陽光発電の義務ですが、毎年欠かさずメンテナンスしなければならないとまでは決まっていないのです。
売電価格が下がってきている
太陽光で発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)で電力会社に買い取ってもらえますが、電力の買取価格(売電価格)は年ごとに安くなっています。太陽光発電を始めるのが遅かった設備は、同じ電力でも買取価格が安いのです。
2010年に太陽光発電を始めたひとは、1kWhの電力を48円で売ることができます。2019年に始めた人は、同じ量の電力でも24円/26円(※)の値段しかつきません。
つまり、過去の事例と比べて売電収入が減ってしまって、損な感じに思えてしまうのです。
10kW未満の場合、2010年で48円、2011年・2012年で42円、2013年で38円、2014年で37円、2015年は33円(出力制御対応機器設置義務なしの場合)といったペースで下がってきています。
これからも買取価格が下がると仮定すると、もう早く太陽光発電システムを設置したほうが良いという見方もできます。
2012年から導入された固定価格買取制度は、設置した年度の売電価格を10年間保証するよう電力会社に義務づけています。10kW未満の住宅用太陽光発電なら、10年間の途中で買取価格を下げられることはありません。
出力制御のリスクがある
太陽光発電の出力制御は、電力会社が発電事業者に対して行うものです。出力制御は、電力の需要と供給のバランスを保つために行われます。電力の需要・供給が偏ってしまうと、周波数のバランスが崩れてしまいかねません。
そのため、工場や家庭など使う側の電力需要が少ないときには、発電量のほうが多くならないように太陽光発電の出力は制御されます。需要と供給のバランスが崩れてしまうと、電気設備の不調や大規模停電へのリスクが高まります。電力不足は大きな問題ですが、同時に多すぎる場合にも問題が起こることも知っておきましょう。
せっかく発電しても売れない可能性がある点が出力制御のリスクです。10kW未満の住宅用太陽光発電の場合は、北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄のエリアに出力制御のリスクがあるといわれています。しかし、実際の出力制御の際には、大規模な産業用太陽光発電から行われるため、住宅用太陽光発電への影響はほとんどありません。
反射光に配慮しなければならない
太陽光発電を設置する際には、反射光トラブルのリスクにも備えることが大切です。反射光トラブルは、太陽光パネルに反射する太陽光の影響を受けた近隣住民が、まぶしさや暑さを感じる場合に起こります。
マスコミで報道されたケースは住宅ではなく野立ての太陽光発電ですが、そもそも反射光トラブルは大変稀なものです。太陽光発電の施工業者が設備を設置するときには、反射光に十分に配慮した設計を行っているのでほとんど問題ありません。
反射光が問題になるのは、主に北面の屋根に太陽光パネルを設置した場合です。南からの太陽光が斜め下に反射し近隣住宅の家の中まで入りやすいため、一般的には北面へのパネル設置は避けるよう設計されています。発電量も南面よりも少なくなることから、南面や東・西面への設置がおすすめです。
北面へのパネル設置を強く勧めてくる業者には注意したほうが良いでしょう。北面へもパネルを設置したいという場合は、反射光の影響についてしっかり確認しなければなりません。
設置できないケースもある
太陽光発電設備を導入したくても、屋根の形や向きなどによりスムーズに設置できない場合もあります。屋根が北向きだけの面になっているケースや、屋根の面積が少ないケースなどでは、期待する発電量が得られない可能性も考えられます。
また、海に面しているエリアでは塩害、豪雪地帯では積雪の影響など、地域ごとに環境は異なるため、それぞれに適した設備を設置しなければなりません。むしろ、環境への配慮もなく単に太陽光発電の設置のみを強く勧めてくる業者には注意が必要です。
太陽光発電を設置しにくい屋根の形でも、土地やカーポートの上に太陽光パネルを乗せるという方法もあります。塩害や積雪の影響があるエリアの場合には、塩害などへ対応できる製品を導入すると良いでしょう。
地域や環境に適した太陽光発電を設置するためには、専門知識や実績のある優良業者を選んで相談することが大切です。それには、訪問販売よりもタイナビの一括見積りで優良業者から選ぶのがおすすめです。
騙される可能性もある
太陽光発電の設置を検討する際に、依頼する側が相場価格を知らないと悪意のある業者に騙される可能性もあります。なかでも、キャンペーンやモニターといった特別価格や、工事代金が無料になるなどの特典を使う業者には注意が必要です。
一見安くなるように感じられますが、実際には内訳を操作して高額になってしまうというトラブルもあります。太陽光発電の相場価格を知るには、複数の業者を比較できる「相見積もり」は欠かせません。1社のみの見積りでは相場が分からないため、必ず複数の見積りで適正な価格を把握しておきましょう。
また、専門知識を持たない方が、悪意のある業者のシミュレーション結果を鵜呑みにしないことも大切です。エリアごとに異なる日射量などの環境を考慮せずに、日照時間のみで算出した数値を提示する可能性もあります。
また、メンテナンス費用や点検費用などのランニングコストを含めていないなど、実際の利益よりも大きく見せるようなシミュレーションもあるので注意が必要です。シミュレーションは実際の利益とまったく同じになることはありませんが、優良業者によるものなら数値の誤差は少なくなるでしょう。
設置業者をしっかり検討しよう
太陽光発電は多くの人の関心を集めており、設置業者が豊富ですが、全てが良い業者とは限りません。残念ながら、なかには悪質な業者も存在しており、トラブルが絶えないという報告もあります。
特に注意が必要なのは「契約を急がせる」「メリットや特典などいいことばかりを言う」業者です。こうした業者は、一般相場とはかけ離れた請求額を出してくるリスクが高いのです。
見積りの明瞭な提示や、発電量のシミュレーション、太陽光発電のデメリットもちゃんと説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。
編集部おすすめ記事
【2024年】住宅用(家庭用)太陽光発電は損!?売電価格と設置費用は?
【2024年版】太陽光発電と蓄電池はセット価格がおすすめ!ソーラーパネル設置費用は?
【最新2024年度】太陽光発電の補助金はもらえる?補助金額や申請条件を解説!
【2024年】太陽光パネルメーカーおすすめランキング! コスパ・品質・価格で比較してみよう
【2024年最新】太陽光発電はやめたほうがいい5つの理由!後悔しないための完全ガイド
【初心者必見】太陽光発電を自宅に設置するメリット・デメリットとは?