太陽光発電を設置することで心配なのが、雨漏り被害ではないでしょうか。そもそもなぜ太陽光発電を設置する事で雨漏り被害が発生するのでしょうか。

ここでは雨漏り被害のリスクや事例などを紹介していきましょう。

なぜ太陽光発電を設置すると雨漏りのリスクがあるの?

屋根

まず、太陽光発電システムは屋根に太陽光パネルを設置します。その時に屋根に穴を開けます。一般的な屋根の構造の場合、太陽光パネルを設置する際にパネルを架台に固定する金具を屋根の一番下の垂木と野地板に止める必要があります。

従いまして、野地板の上にある屋根材と防水シートにも穴を開けることになります。屋根材と防水シートによって雨水が野地板に侵入するのを防いでいます。この事から、屋根材と防水シートに穴を開ける事が太陽光パネルを設置する上でリスクになるといえます。

また、施工技術者の倫理的問題もあります。大切な工程を省いたり、雑な手抜き工事、耐久性の低いコーキング剤を使ったコストダウンなども雨漏りの原因となります。
こういった面でも施工店などは慎重に選ぶ必要があるといえます。

実際の雨漏り被害の事例

太陽光発電雨漏り

「太陽光発電を設置して数年経った時期から2階の天井にシミが出来るようになった。」こういった事例がいくつかあります。

その場合、まずは業者に相談をして、念の為に第三者(建築士など適切な判断の出来る者)にみてもらうと良いです。雨漏り被害なのか、経年劣化なのかなども判断して貰えます。
実際に太陽光発電の設置によって雨漏りのトラブルはとても多くなってきています。

それは、急速に普及し出した3年前辺りから著しくクレームや相談件数が増えていることでも分かります。「公益財団法人住宅リフォーム・紛争開発センター」の調査では、屋根の不具合の第1位は雨漏り被害事例と相談の54.6%を占めています。

太陽光発電の設置が多くなかった2009年から比べると約3倍にもなっていることから、雨漏り被害と太陽光発電設置は関係がないとはいえないでしょう。

雨漏りに対する保証や保険などの紹介

太陽光発電のメーカーは施工が起因となる不具合については、保証をしません。メーカーの施工基準を順守して設置した結果、その工事が原因で起きたシステム機器の不具合などにはメーカー保証が適応されます。

つまり、雨漏りはメーカー保証の対象外ということです。
雨漏りの場合、施工店や販売会社の責任となります。そういったリスクに対して施工店は工事賠償責任保険に加入しています。

万が一、雨漏り被害があった場合、修復に掛かる費用は大きなものです。太陽光発電システムの一時停止、撤去、屋根の張替えなど、太陽光発電の再設置も行わなければならないので、施工店がこういったリスク回避の為に加入しています。

屋根に穴を開けない工法もある!メリット・デメリットとは?

太陽光発電

屋根に穴を開けずに太陽光パネルを設置する方法はいくつかあります。様々な方法があり、キャッチ法、シンプルレイエ法、支持瓦工法など瓦でも穴を開けずに、瓦自体を変えてしまう事で穴を開けずに済む方法もあります。

雨漏りの心配がないといったメリットは大きいですが、その代わりデメリットもあります。
まずは価格です。架台やパネルは標準より割高になるでしょう。雨漏りの心配を取り除きたいので問題ない!という方にはいいかもしれません。

また、屋根の老朽化にも左右されるのが穴を開けない工法のデメリットです。屋根が不安定なところに穴を開けない工法は危険だといえます。屋根の上に太陽光発電を設置しようと思っただけなのに、塗装や屋根の張替えの話になってしまうこともあるかもしれません。

太陽光パネルの設置において、雨漏り被害はシビアにお考えの方が多いかと思います。しかし、穴を開けても雨漏りをしない工法をしっかりとした技術者がいる施工店などではもちろん可能です。

設置する屋根の状態や、信頼の持てる良い施工店と出会えることが、不安なく太陽光発電設置を出来る方法だと言えるでしょう。