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設置費用・価格と収益性

太陽光発電の減価償却について

公開日:2016年11月1日
産業用太陽光発電の導入にかかる費用は最低でも数百万円かかり、設備が大きいところでは数億円単位での投資となります。そのため、安い設備と同じように一括で経費計上するのではなく、法律で定められた耐用年数期間内において、分割して計上することとなります。これを、減価償却といいます。

減価償却とは?


産業用太陽光発電は、作った電気を売電することで収益を得ています。設備投資としては、太陽電池モジュールなどの機器一式の導入が必須。

それら設備を管理して利益を得ると共に、資産として、初期費用は経費として計上することが可能となるのです。経費は利益から控除し、申告することで税金が少し削減されることとなります。

導入するのにかかった費用は、減価償却において分割して経費計上します。ですが、発電した電力の活用内容によって分類が変わってきますので、耐用年数もおのずと変わってくるものとなります。

減価償却の必要がある人


太陽光発電を導入しているのは、法人だけでなく一般家庭でもおこなわれています。大きく分けると、太陽光発電を事業としている人、他の事業をしつつ太陽光発電を設置して売電収入を得ている事業者、そして自宅に太陽光発電を設置して余剰電力を売電している人の3パターンです。

このうち、最後の自宅で余剰電力を売電している人に関しては、減価償却の必要性はありません。

減価償却の2つの計算方法


太陽光発電は、電気業用設備といった分類の中のその他にあたり、さらに「主として金属製のもの」に分類されます。耐用年数は17年とされているので、導入費用を17で割って経費として計上することになります。これを、定額法といいます。減価償却には定額法以外に定率法といった方法があり、これは毎年の残存価値の中から一定割合を耐用年数期間中に経費として計上していきます。

定額法は毎年同じ額が経費計上できますが、定率法では最初が高額で年々減っていきます。現在では、主に前者の定額法を採用していることがほとんどです。

一般家庭では減価償却をしない理由


企業やマンションなどに太陽光発電を導入する際には、減価償却はとても大きな意味をもちます。ですが、一般家庭においてはほとんど無関係。サラリーマン世帯で太陽光発電を導入し売電したとしても、給与所得以外の収入が20万円を超えない限り、申告する必要がないからです。

売電することで申告しなければいけないのは、得た年間収入から減価償却費を引いた金額が20万円を超えていた場合。この数字を一般家庭で超えるのは、まず無理です。ですから、売電収入による確定申告はもちろん、減価償却をおこなう必要はないのです。

グリーン投資減税と減価償却


太陽光発電は、一定の条件を満たせばグリーン投資減税が適用されます。グリーン投資減税は、正式名称をエネルギー環境負荷低減推進税制といい、再生可能エネルギーに関係した経費にかかる税金に対して、優遇措置を講じてくれるものです。

グリーン投資減税では、取得額の100%即時償却もしくは30%特別償却することが可能。課税の繰り延べをおこない、資金回収を早期にできるようになっています。導入した年に、一気に償却することで税金の支払いを減らすことができるのです。

また、資本金1億円未満の企業とその子会社以外の法人と個人に対しては、取得費用の7%を税金から控除することが可能。節税効果もあるのですが、法人税額もしくは個人では事業所得税の20%以内となっています。

グリーン投資減税が適用される条件


青色申告書をする個人もしくは法人が対象となりますが、売電収益を事業所得にしている場合に限ります。100%即時償却、30%特別償却もしくは税額控除においては適用期間がそれぞれ異なりますので要注意。

適用期間内に取得したら、その日から1年以内に事業所得を得なければならず、全量買取制度が適用されている10kW以上の産業用太陽光発電である必要があります。

売電による申告ライン


売電した金額に対して申告する必要があるかどうかは、「(年間の売電金額ー太陽光発電の減価償却費)+雑所得」の計算式の答えが20万を超えるか超えないかで決まります。

例えば、4kwの太陽光発電システムを導入し、掛かった費用から補助金を差し引いたら、最終的な導入コストが210万円だった場合。この210万という数字には、売電だけでなく自宅で消費した電力分も含まれています。ですから、減価償却を算出するには、導入コスト全体から売電に必要とした導入コストを割りだす必要があります。

減価償却費の算出方法


総発電量に対して、売電分と自家消費に使った割合を出し、売電比率の方を210万円にかけます。そこで出た数字を17で割った答えが、年間の減価償却費となります。例えば、売電分が60%だったとしたら下記のようになります。

純水に売電に使った導入コスト…210万(4kw)×60%=126万年間の減価償却費…133万÷17=7.411(少数第4以下切り捨て)

つまり、売電金額から経費として差し引ける金額は減価償却費、約7万4千円程度となるのです。4kw前後の太陽光発電であれば、年間の売電価格は10万ほどです。そこから7万ほど減価償却経費として引けるので、そうなると3万円ほどが、売電による申告所得となります。

太陽光発電の耐用年数は?


一般的に、太陽光発電の耐用年数は17年といわれています。補助金を受け取って設定した場合では、法定耐用年数である17年間は勝手に処分することはできません。処分する際には、太陽光発電普及拡大センターで承認を得る必要があります。

ただし、例外もあるので注意が必要です。過去には、法定耐用年数が9年になる事例があります。それは、太陽光発電で得た電力を工事の設備稼働に使用していた、自動車の製造会社。発電した電力で自動車を作るということが、自動車に関わる設備と判断されたからです。

こうしたケースに限らず、太陽光発電の使い方次第では耐用年数が変わることがあるのです。

利用状況によって異なる法定耐用年数


太陽光発電の耐用年数が17年とされている根拠は、自家発電設備の一つであり、かる機械もしくは装置になるからです。

減価償却資産の耐用年数等に関しては、財務省から省令別表第2に記載されています。自家発電設備における項目では、「369前掲の機械および装置以外のもの…」の項目になり、さらに「主として金属製のもの」の17年に該当するものとなっています。

ただ、利用状況によっては、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の中の「23 輸送用機械器具製造業用設備」が適用され、17年ではなく9年となる事もあります。税務署によって法定耐用年数の見方が異なることも珍しくないので、納税ときには確認するのがおすすめです。

会社の利益が予想以上に出てしまい納税額が多額になった際、太陽光設備を作って節税する動きもあります。太陽光発電にかかる設備費用は、産業用ともなると数百万から億単位にまでなります。減価償却資産として経費に計上できるのですが、利用状況によっては耐用年数が変わりますし、定額法と定率法といった計算方法の違いもありますので、税務署へ確認しておくと間違いがありません。

また、太陽光発電設備の対象範囲には、工業標準化法に規定する日本工業規格に定める一定のものとなっていますので、こちらも要チェックです。