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太陽光発電の電気で、電気自動車はどれだけ走るのか?

公開日:2017年3月10日
東京ビッグサイトでおこなわれた「スマートコミュニティJapan 2016」において、日本の大手自動車メーカーであるトヨタが新型「プリウスPHV」を初披露しました。

従来と比べて、蓄電池のみでの走行距離が増えただけでなく、ルーフ部分に搭載された太陽光パネルでの給電も大きな特徴として公開。太陽光発電で充電しながらどれだけ走れるのか、大きく関心を寄せるものとなったのです。

太陽光パネルを搭載した新型「プリウスPHV」


プリウスPHVは、2015年12月に発売された4代目プリウスをベースに、EV走行距離を2倍以上可能にし、太陽光パネルを搭載した新型車。搭載されているリチウムイオン電池パックの容量は、現行のプリウスPHVの2倍になる8.8kWh。

走行距離は、26.4kmから60km程度にまで伸びるとされています。ちなみに、エンジンを併用するハイブリッド車では37km/lと、環境への影響と共に走行距離にも差をつけています。

太陽光といった補助のすごさだけでなく、災害時などにどれだけ役立つことができるのかもメリットして挙げられ注目されています。ソーラー充電システムの搭載は日本と欧州仕様車のみの予定です。

充電・給電の両方に対応


プリウスPHVを充電するには、「200V/16A」もしくは「100V/6A」の家庭用電源の利用でOK。今回の新型車では、日本仕様車のみではありますが、CHAdeMO規格の急速充電にも対応可。急速充電では、約20分ほどで80%は充電できるものとなっています。

逆に、内部に充電するだけでなく外部への給電もできるように、家庭用としてお馴染みのAC100Vのコンセントも、車内に2カ所備えてあります。これによって、同時に最大1500Wまでは家電などに使うことができます。

旧型にはない駆動用電力としての働き


ルーフ部分に搭載されている太陽光パネルは、最大出力が180W。発電した電力をモーター駆動用電力として利用できるのは、従来のプリウスとは違うところです。旧型モデルでは、太陽光パネルで発電した電力で車内の換気をおこなう「ソーラールーフ」が、オプションとしてついていただけでした。駆動用ソーラー充電システムを量産車に搭載するのは、世界でも初となります。

新型プリウスPHVのソーラー充電システム


新型プリウスPHVには、リチウムイオン電池パック以外にも、12Vのニッケル水素バッテリー(ソーラーバッテリー)が搭載されています。車が止まっている時は、太陽光で発電した電力をニッケル水素バッテリーに蓄電し、それをまとめて駆動用バッテリーに充電。バッテリーの消費エネルギー部分を補っていきます。

各バッテリーへのエネルギーコントロールをするのが、DC/DCコンバータを内蔵した「ソーラーECU」となります。

米フォードモーターの「C-MAX Solar Energi Concept」


数年前では、大手自動車メーカー・米フォードモーターが、車の屋根全体に新開発した太陽電池ユニットを取り込んだ電気自動車を開発したことで注目を集めました。ベースとなったのは、米フォードモーターのヒット商品である5人乗りプライグインハイブリッド車「C-MAX Energi plug-in hybrid」です。

従来の車とほぼ同じ性能をもつプラグインハイブリッド車


開発された電気自動車は、ベースとなる車のモデルとほぼ同じ性能を発揮するといったデータが出ています。8kWhのバッテリー容量において、太陽光発電ユニットから電力を貯蔵。航続距離は620マイル(約1000キロメートル)で、バッテリーに溜めた電力だけを使って走るとなると21マイル(約34キロメートル)は走ることが可能です。

太陽光発電ユニットから得られた電力で、標準的な走行パターンの約75%は走ることができるといわれています。この太陽光発電ユニットで走る電気自動車が増えれば、CO2排出量を大きくカットすることができると期待されています。

米サンパワーと米ジョージア工科大学が開発に協力


プラグインハイブリッド車の開発には、米サンパワーや米ジョージア工科大学も協力しています。米サンパワーは屋根に搭載する太陽光発電ユニットを、米ジョージア工科大学は発電効率を高める技術開発をおこなっています。東大にも使われているフレネルレンズを採用して光をより多く集める事に成功。これは、通常の8倍にもなります。さらに、太陽の光の向きをとらえる機能が搭載されていることからも、長時間での発電を可能としているのです。

電気自動車の燃費は電力ですが、その電費は100MPGeになります。日本の電気自動車「プリウスPHV」の当時のタイプと比べてみても、95MPGeの電費となっているのでほぼ変わらない性能を持っているといえます。

NEDOが取り組む車載用蓄電池開発


新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、走行距離500kmを可能とする車載用蓄電池の開発をおこなっています。リチウムイオン電池よりも高いエネルギーを得られる、亜鉛空気電池・硫化物電池・ナノ界面制御電池のいずれかを採用し、2020年度までに、自動車メーカーや電池メーカーが実用化開発に取り組めるように、電池セルの仕様を明確化する方針です。

リチウムイオン電池から新しい蓄電池へ


政府のエネルギー基本計画では、2030年までにハイブリッド車や電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車の普及率を7割にまで引き上げることを目標としています。さらに、「自動車産業戦略2014」では、電気自動車やプラグインハイブリッド車だけでも3割の普及率を掲げています。

NEDOでは、政府のこの目標を達成するには電気自動車の走行距離を延ばすことが必要とし、走行距離に限界がみられてきているリチウムイオン電池以上の性能を持つ新しい蓄電池の開発に着手しています。

亜鉛空気電池・硫化物電池・ナノ界面制御電池であれば、リチウムイオン電池よりも高いエネルギーを得られることを、2009〜2015年度の革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)の中でも述べています。2016〜2020年度には革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISINGII)にて、先の成果を元に実用化に向けて研究開発を進めていくようです。

京都大学を拠点に大学や企業、研究機関が協力


研究開発は京都大学や産業技術総合研究所を拠点に、連携体制でおこなわれます。プロジェクトリーダーは京都大学教授の松原英一郎氏。サテライト拠点に全国にある16大学を、集中拠点には各自動車メーカーや研究所、企業から出向・主張する形で参加します。

ソニーやトヨタ自動車、三菱自動車、日産自動車などの大手有名自動車メーカーを筆頭に、豊田中央研究所、本田技術研究所、パナソニック、日立化成、日立製作所、日立マクセルなど各分野の技術が集結しています。世界各国で高まる電気自動車への太陽光パネルの導入。ガソリンに頼らないで太陽の光だけで走行が可能となれば、環境への負荷も軽減することができます。

ただ、太陽光パネルで発電できる量や時間帯は限られていますし、天気によって大きく左右されます。より効率的に電力を生産・確保して補充できるシステム開発が必要であり、走行距離も大きな課題となっています。

2030年を目標に電気自動車やプラグインハイブリッド車の流通が掲げられていますが、今後の研究開発によって実現すれば、大きくカーライフが変わってくる事が予想されます。

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