騒音

太陽光発電は、二酸化炭素などの有害物質を出さないクリーンエネルギーとして注目を集める発電方法です。しかし、導入数が増えて身近になるとトラブルが発生します。心配事のひとつが「騒音」です。

屋根に載せる太陽光発電がうるさく感じるなんて、想像しづらいかもしれません。近隣住民のトラブルも心配ですが、自宅がうるさくなってしまってはたまりませんよね。

ここでは、太陽光発電の騒音とトラブル・健康被害を避ける方法について解説していきます。

太陽光発電の騒音はなぜ起こる?

太陽光発電の騒音

太陽光発電から発生する音の正体は、パワーコンディショナ(パワコン、PCS)のモーター音です。

パワーコンディショナとは、太陽光発電パネルが発電した電力を、家庭で使ったり売電できる形に整える装置です。パネルから出力される直流電力を交流電力に変換するもので、太陽光発電には不可欠と言えるでしょう。

このパワコンが電力を変換するときに、少しだけ「モスキート音」が発生します。

モスキート音は、蚊の羽音のように、感じ方に個人差があるタイプの騒音です。ほとんど気にならない人が多いものの、そうでない人も少なからず居られるでしょう。できることなら、稼働中のパワコンで稼働音をチェックしておくことが望ましいですね。

パワコンはどのくらいうるさい?

どのくらいうるさい?

太陽光発電に使われるパワコンは小さいので、騒音レベルは30dB前後が一般的。これは郊外の深夜や落ち葉の音と同じレベルです。

太陽光発電システムは日中にしか発電しないため、静かな夜の近所迷惑はありません。静音性に優れるパワコンメーカーを選ぶ、屋外や音が気にならない場所に設置するなどの回避策が取れるでしょう。

太陽光発電の騒音トラブル事例

太陽光発電で訴訟トラブルに至ったケースと言えば、反射光や反射熱です。パワコンの騒音トラブルでこうした裁判には発展したケースはありませんが、苦情はゼロではありません。

下記のグラフは、一般家庭よりも大きい規模の産業用太陽光発電に寄せられた苦情を分類したものです。パワーコンディショナの運転による騒音は全体の4%と、かなり低い水準になります。

教示の騒音に関する苦情等の発生について、苦情等が寄せられている住宅の距離について
①0mから50m未満 で苦情が起こりやすく、50m以上になると件数が激減します。住宅が密集する地域では、屋外に設置するパワコンに静音性の高さが求められる可能性があるでしょう。

住宅用太陽光発電のパワコン騒音問題

住宅用太陽光発電のパワコンは、屋外設置型と屋内設置型の2タイプがあります。

パワコン 屋内型と屋外型の違い

屋外にパワコンを設置する場合、昼間も静かな住宅街か、真横にお隣さんの窓が密着していて騒音トラブルになる可能性はあります。

屋内に設置する場合、人が普段は居ない廊下などなら、モスキート音も気にならないでしょう。リビングやキッチンは常に人がいる場所なので、音が気になる可能性があります。

静音性の高いパワコンメーカー

タイナビの無料一括見積もりは、申し込み前に自由に書き込める要望欄があります。騒音について気にしていることを施工業者に相談してみましょう。

産業用太陽光発電システムのパワコン騒音問題

産業用太陽光発電はパワコンの使用台数が多いため騒音を感じやすく、トラブルに繋がりやすい可能性はあります。

こういった場合、周辺住民とのトラブルになる可能性もあり、訴訟などになる前に騒音トラブルの対策を取る必要があると言えます。

産業用太陽光発電システムのパワコン騒音対策

産業用太陽光発電、住宅用太陽光発電ともに、騒音トラブルになった事例は存在します。全体の数から見ればトラブルは少数だからといって、配慮しなくて良いものではありません。

パワコンの設置場所など、施工前から気を付けられるポイントはたくさんあります。施工して終わりの販売業者ではなく、長期的な運用まで計画できる良質な業者と契約しましょう。