太陽光発電の売電価格とは?

太陽光発電の導入を検討する際に「売電価格が下がるなら太陽光発電を導入するメリットはあるのだろうか」「今から付けて損をしないか」といった不安を抱える方は少なくありません。

2026年度における太陽光発電の住宅用(10kW未満)売電価格は、平均14.6円/kWhです。

売電価格はFIT制度が開始された当初は比較的高い水準にありましたが、年々下落していて、FIT期間が終了する「卒FIT」後はさらに低下します。

売電価格は年々下落しているとはいえ、太陽光発電の導入が損になるとは限りません。

近年は電気代高騰の影響もあり、売電よりも自家消費にシフトして電気代を節約する方がお得という考え方もあります。

この記事では、2026年度の売電価格と推移や容量別の売電収入、卒FIT後の対策について解説します。

太陽光発電の価値と活用法を知るため、ぜひ参考にしてみてください。

【2026年度最新】太陽光発電の売電価格は平均14.6円/kWh

太陽光発電の売電価格

2026年度における太陽光発電の住宅用売電価格(売電単価)は、平均14.6円/kWhです。
※24円/kWhが4年間、8.3円/kWhが6年間適用されるものとして、10年間の平均を算出

太陽光発電の売電価格(売電単価)とは、自宅などの太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に売却する際の1kWhあたりの単価を指します。

ここでは、太陽光発電の売電単価を決めている要素を、以下の順に整理します。

売電単価がどのように決定するかを知り、太陽光発電の導入判断に活かしていきましょう。

売電価格はFIT制度に基づき決定される

売電価格はFIT(固定価格買取制度)に基づき、資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会で毎年議論され、経済産業省が最終決定します。

FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを国が保証する制度です。

太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を促進するために、制定されました。

再生可能エネルギーの導入には一定の費用がかかることから、売電収入を一定期間保証することで、導入時の負担やハードルを軽減する仕組みとなっています。

FIT制度により、住宅用(10kW未満)の太陽光発電は、10年間、認定を受けた年度の売電価格で売電できます。

認定年度によって単価は異なり、2026年度の売電単価は、平均14.6円/kWhです。

申込が当該年度の認定に間に合わなければ、翌年度の単価が適用されます。

2026年度に認定を受けるための申請期限は、2027年1月5日です。
出典: 2026年度中の再エネ特措法に基づく認定の申請にかかる期限日について|資源エネルギー庁」

しかし、電力会社への申込はこれより前になるため、2026年度の単価を適用させたい場合は早めに手続きを進めましょう。

初期投資支援スキームにより5年目に売電価格が下がる

初期投資支援スキームは、FIT期間の10年間を2段階に分け、前半の買取単価を高く設定して初期費用の回収を早める仕組みです。

2026年度の住宅用太陽光発電では、10年間の売電単価が以下の2段階に設定されています。

  • 1〜4年目:24円/kWh
  • 5〜10年目:8.3円/kWh

後半となる5〜10年目の売電単価である8.3円は、前半の24円より安いだけでなく、家庭で電気を購入する単価(電力量として支払う単価)を下回る価格です。

つまり、初期投資支援スキームで売電単価が下がる5年目以降の余剰電力ををどのように扱うかが、10年間の収支を左右する分岐点です。

ただし、売電価格を決定する調達価格等算定委員会は、住宅用太陽光について2029年度から支援期間の短縮を適用することを基本方針として示しています。
※出典:令和8年度以降の調達価格等に関する意見

現時点では具体的な期間は決まっていませんが、期間が短縮される前の導入検討をおすすめします。

卒FITを迎えると売電収入は減少する

FIT期間が終了する11年目からは「卒FIT」となり、国が定めた固定価格での買取は終了します。

卒FIT後も余った電気を売電できますが、FIT制度ではなく、各電力会社や事業者が設定する買取プランを選んで売電することになります。

現在の卒FIT向け買取価格を見ると、九州電力では7.0円/kWhなど、FIT期間中より低い価格が設定されている例があります。
※出典:九州電力「固定価格買取(FIT)制度の買取期間満了後の買取」

ただし、2026年度にFIT認定を受けた場合、卒FITを迎えるのは10年後のため、実際に卒FITを迎える時点の買取価格が現在と同じとは限りません。

一方、FIT期間が終了しても、太陽光発電設備は引き続き使用できます。

発電した電気を自宅で消費すれば、その分だけ電力会社から購入する電力量を減らせるため、卒FIT後も電気代の削減効果が期待できます。

そのため、卒FIT後は余剰電力をそのまま売るだけでなく、自家消費を増やすことも重要です。

卒FITとなった11年目以降、どのように対策すべきかは「太陽光発電の売電収入を増やすには?卒FIT後の4つの対策」で詳しく解説します。

また、2026年度の初期投資支援スキームでは、5年目以降に売電単価が24円/kWhから8.3円/kWhへ下がります。

そのため、太陽光発電の10年間の収支を改善するには、売電収入だけでなく、導入時の費用をできるだけ抑えることも重要です。

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価格競争が起きることで平均的な設置費用よりも安価に設置できた例もあるため、導入費用を抑えるための比較検討にぜひご活用ください。

太陽光発電の売電収入はいくら?容量別シミュレーション

売電収入は「余剰電力量(kWh)×売電単価(円/kWh)」で決まります。

ここで、太陽光発電を設置した場合の、容量別年間・月間売電収入の目安を表にまとめました。

なお、試算の前提は次の3点です。

  • 1kWあたりの年間発電量=約1,000kWh
  • 自家消費率=発電量の3割
  • 適用単価=1〜4年目:24円/kWh、5〜10年目:8.3円/kWh

季節や天候によって、月ごとの発電量は変動します。

項目4kW5kW6kW
年間総発電量4,000kWh5,000kWh6,000kWh
年間売電量(余剰電力:70%)2,800kWh3,500kWh4,200kWh
自家消費率30%30%30%
1〜4年目の年間売電収入約67,200円約84,000円約100,800円
5〜10年目の年間売電収入約23,240円約29,050円約34,860円
月平均1〜4年目:約5,600円
5〜10年目:約1,900円
1〜4年目:約7,000円
5〜10年目:約2,400円
1〜4年目:約8,400円
5〜10年目:約2,900円

※発電量・売電量の単位:kWh、売電収入の単位:円

5年目以降は売電単価が24円/kWhから8.3円/kWhに下がるため、同じ発電量でも売電収入は大幅に減少します。

電力会社から購入する電気の単価が8.3円/kWhを上回る場合は、発電した電気を売るよりも、自宅で使って購入電力量を減らす方が経済的です。

蓄電池の導入や家電を使う時間帯の調整により、自家消費率を高めることも検討しましょう。

タイナビの見積もりデータから見る4~6kWの導入費用と回収期間

タイナビではモデルや条件によって1kWあたり15万円での設置が可能です。

実際に、4kWの太陽光設備を60万円で設置した実績があり、上のシミュレーションと同じ5kWなら75万円程度、6kWなら90万円が目安です。

これらの金額は、住宅用太陽光発電の設置額平均である1kWあたり25.5万円を下回ります。

仮に1〜4年目の年間売電収入が約84,000円であった場合、75万円を回収するまでの期間は約8.9年になります。

太陽光発電の初期費用を早く回収したい場合は、タイナビの一括見積もりで、できるだけ安く設置できる業者を選定するのが効果的です。

複数社を比較することで価格競争が生まれ、 適正価格よりも安く導入できる可能性があります。

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太陽光発電の売電価格の推移一覧表

以下は家庭用(10kW未満)の太陽光発電における、売電価格の推移をまとめた表です。

年度10kW未満の売電価格(円/kWh)備考
2012年度42FIT開始
2013年度38
2014年度37
2015年度33※2015年度~2021年度までは、出力制御対応機器設置義務なしのデータ
2016年度31
2017年度28
2018年度26
2019年度24
2020年度21
2021年度19
2022年度17
2023年度16
2024年度16
2025年度上期1510年間一律
2025年度下期〜2026年度24(1〜4年目)/8.3(5〜10年目)初期投資支援スキーム
2027年度24(1〜4年目)/8.3(5〜10年目)住宅用はスキーム継続

出典:過去の買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー
買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー

FIT認定を受けた年度により売電価格は異なり、家庭用(10kW未満)の売電価格は、2012年度の42円/kWhから段階的に引き下げられてきました。

一方、2025年度下半期以降は、初期投資の早期回収を支援するため、売電価格を前半と後半に分ける「初期投資支援スキーム」が導入されています。

2026年度にFIT認定を受けた場合の売電価格は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。

各年の売電量が同じと仮定して10年間の平均に換算すると、約14.6円/kWhになります。

10年間の平均に相当する14.6円/kWhは、2012年度の42円/kWhと比べると約3分の1の水準です。

ただし、最初の4年間に適用される24円/kWhは、2019年度の売電価格と同水準となっています。

5年目以降は売電価格が8.3円/kWhに下がるため、売電を続けるだけでなく、発電した電気の自家消費を増やして電気代を抑える方法も検討することがおすすめです。

太陽光発電は売電より自家消費の方がお得

発電した1kWhを売る場合と自宅で使う場合を比べると、余った電気は自宅で使う方がお得になります。

太陽光発電が売電より自家消費の方がお得である理由は、下記の通りです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

電気は売る単価よりも買う単価のほうが高い

家庭が電力会社から買う電気の単価は31円/kWhが目安で、売電単価より高くなっています。

この31円は、公正取引協議会が定めた電気料金の目安単価です。
※出典:よくある質問 Q&A|公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会

一方、5〜10年目の売電単価は8.3円/kWhです。

電気を売電せず自宅で使えば31円分の支払いが不要になり、売電した場合よりも経済的メリットが約22.7円大きくなります。

参考として、東京電力・関西電力・中部電力の家庭向けの従量料金をまとめました。

段階東京電力エナジーパートナー※1関西電力※2中部電力ミライズ※3
第1段階29.8020.2121.20
第2段階36.4025.6125.67
第3段階40.4928.5928.62

※1 出典:東京電力エナジーパートナー「料金単価表‐電灯」
※2 出典:関西電力「従量電灯A」
※3 出典:中部電力ミライズ「従量電灯A・B・C」

電力会社とプランにより異なりますが、いずれも、5〜10年目の売電単価8.3円/kWhを上回ります。

日中に使う電気は売らずに自宅で使った方がお得

太陽光発電は日中に集中するため、日中に使う電気を自宅で使用する「自家消費」を行った方がお得です。

一般的な戸建ての自家消費率は、発電量の3割前後が目安です。

太陽光発電で生み出した電力の自家消費率を3割から4割に上げた場合と、その分を売電した場合と比較すると、以下のような差が出ます。

容量年間発電量電気代を含めた年間差
4kW4,000kWh約9,100円
5kW5,000kWh約11,400円
6kW6,000kWh約13,600円

※売電価格と購入価格との差額を22.7円の差額として計算

自家消費率を上げる現実的な方法として、以下のような家電を日中にタイマーで稼働させることが挙げられます。

  • 洗濯機
  • 食洗機
  • 掃除機

発電は日中に集中するため、タイマーで家電を昼に動かして使う量を増やすほどお得です。

反対に、日中の在宅が短い家庭ほど、その効果は小さくなります。

余剰電力が多い場合は蓄電池で夜間もお得になる

日中に使い切れず売っていた電気を蓄電池に貯めて夜に使えば、その分の買電が不要です。

売電単価が8.3円、購入単価が31円だった場合、蓄電池に貯めておいた電気を夜間に1kWh使うたびに22.7円分の差が生まれます。

蓄電池の効果が出やすいのは、日中の余剰が多く夜の使用量が大きい家庭です。

反対に、日中に発電分を使い切っている家庭や、余剰がもともと少ない家庭では効果は小さくなります。

タイナビで行った独自アンケートでは、蓄電池の利用に関して以下のような声が寄せられました。

夏場はエアコンを使う時間が長いのですが、昼間の発電量が多いので、電気代の心配がかなり減りました。
特に実感したのは、夕方以降の電気代です。以前は夜の使用量が多くて請求額が高かったのですが、蓄電池のおかげで夜も太陽光の電気を使えるようになり、月の電気代が明らかに下がりました。
季節によって差はありますが、特に夏と春は効果を強く感じます。

共働きで昼間は不在がちですが、日中に発電した電気を捨てずに蓄電池へ貯め、帰宅後の高い電気代がかかる夜間の時間帯に自給自足できるようになったのが非常に大きな変化です。
特に夏場のエアコンをフル稼働させる時期でも、以前に比べて電力会社から買う電気が目に見えて減り、家計の負担が軽くなったことを実感しています。

一番のメリットは、日中に発電した余剰電力を溜めておき、単価が跳ね上がる夕方から夜間のピークタイムに自給自足できるようになったことです。
以前は共働きで昼間不在のため、発電した電気の多くを安く売るだけでしたが、蓄電池導入後は夜の照明やエアコン代をほぼ太陽光由来で賄えるようになり、電気を買う量が劇的に減ったことを検針票で実感しています。

上記に共通するのは、日中に使い切れなかった電気を蓄電池へ貯め、夕方から夜間に使うと電力会社から買う量が減った、という点です。

蓄電池で余剰電力を効率的に使用するためには、夜間の使用量に合わせた容量選びが欠かせません。

夜間の使用量よりも蓄電池の容量が大きいと、貯めた電気を使い切れないまま費用だけが増えてしまいます。

タイナビでは、太陽光発電と蓄電池をセットで導入する場合の一括見積もりにも対応しています。

セットで導入することで、セット割引が適用されるケースもあるため、お得に設置したい方はぜひ一度お見積りをご活用ください。

エコキュートやEVと組み合わせるとお得幅が広がる

日中に使い切れない電気は、蓄電池に貯める以外にも、他の電気設備を活用して昼の電気使用量そのものを増やす方法があります。

例えば、お湯を沸かすエコキュートや電気で走るEVは、一度に使う電力量が大きい設備です。

活用する設備余剰電力の活用方法期待できる効果
エコキュートお湯を沸かす時間を深夜から昼間に変更する給湯に使う電気を太陽光発電でまかないやすくなる
EV自宅に駐車している日中に充電する電力会社から購入する充電用電力を抑えられる
蓄電池日中の余剰電力を貯め、夕方や夜間に使用する発電時間と電気を使う時間が合わない家庭でも自家消費しやすくなる

すでにエコキュートやEVを導入している家庭では、対応機種であれば、稼働・充電時間の設定を変更するだけで自家消費率を高められる場合があります。

ただし、日中にEVを自宅に置いていない家庭や、昼間に使い切れない電気が多い家庭では、設備を使う時間帯の変更だけでは余剰電力を十分に活用できないこともあります。

そのような場合は、日中の余剰電力を貯めて夕方や夜間に使える蓄電池が選択肢になります。

タイナビでは、太陽光発電と蓄電池の設置費用を比較できるだけでなく、ご家庭の電気の使い方に合った蓄電池容量についても相談できます。

見積もりの入力は最短60秒で完了しますので、蓄電池の容量を検討中の方は、下記ボタンから一括見積もりをご活用ください。

太陽光発電で売電価格が低下している背景

太陽光発電における売電価格の低下は、制度の見直しと設備費の値下がりが重なって進んできました。

ここでは、太陽光発電の売電価格が年々下がっている背景を詳しく解説します。

太陽光発電を今から導入すべきか判断する基準として、売電価格が下落している背景を押さえておきましょう。

技術革新による生産コストの削減

売電価格が下がってきているのは、技術革新により太陽光発電システムの導入コストが年々下がっていることと連動しています。

かつては太陽光パネルの材料であるシリコンの価格が高く、生産コストもかさんでいたことから、太陽光発電システムの導入には高額な初期費用が必要でした。

しかし、技術革新が進み、太陽光パネルの効率が向上したことで、同じ電力を得るために必要なパネル面積が減り、コストパフォーマンスが大幅に改善されました。

この生産コストの削減により、太陽光発電システム全体をより安価に導入できるようになった結果、売電価格も市場価格に合わせて調整され、引き下げられる流れになったのです。

太陽光発電の普及と市場の成熟化

FIT制度の導入により太陽光発電が普及してきた点も、売電価格が低下した大きな理由です。

再生可能エネルギーが十分に普及していない時期に、高い買取単価で導入を後押しする目的でFIT制度は始まりました。

高い買取単価は、太陽光発電を広げるための「呼び水」です。

FIT制度により太陽光発電の普及が進むにつれて、パネルの調達や施工を担う事業者が増え、住宅用太陽光発電を導入しやすい市場が整います。

そこで、導入初期と同じ水準の支援を続ける必要性が薄れたため、買取単価も市場の成熟度に合わせて引き下げられていきました。

このように、太陽光発電の普及をはじめ、政府が進める環境問題への対策によって市場が成熟してきたことが、売電価格の下落につながっている、という見方もあります。

再エネ賦課金による国民負担の抑制

FIT制度で電力会社が再生可能エネルギーを買い取る費用の一部は、電気を使うすべての世帯や事業者が負担する再エネ賦課金でまかなわれます。

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及を促進するために、電気料金に上乗せして国民が負担する費用です。

2026年度の再エネ賦課金単価は、2026年5月分から2027年4月分まで4.18円/kWhです。

FIT制度の原資は再エネ賦課金でまかなっていることから、再生可能エネルギーが普及するにつれて再エネ賦課金の国民負担は年々増加しています。

買取単価を高く保つほど再エネ賦課金の負担も増えるため、売る側の収入と、電気を使う側の負担のバランスを取る必要があります。

ここで再エネ賦課金の制度を長く維持しながら国民負担を抑えるための調整が、売電価格の見直しです。

再エネ賦課金については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

https://www.tainavi.com/library/13240/

太陽光発電の売電価格は今後も下がる見込み

導入コストの低下や再エネ賦課金への負担抑制などを背景に、太陽光発電の売電価格は長期的に下落傾向が続いています。

ここからは、今後の見込みを以下の流れで解説します。

現時点では、売電単価の上昇を待つメリットはあまり高くない点を、ここで理解しておきましょう。

2027年度も前半24円・後半8.3円の2段階が続く

住宅用太陽光発電の売電価格は、2027年度も1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWhです。

住宅用の初期投資支援スキームが2027年度も続くため、申し込み年度が違っても単価は同じになります。

また、2027年度は、前半を高く、後半を安くする二段階の形も据え置きです。

つまり、今年度に申し込んでも来年度に申し込んでも、適用される売電価格は1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWhとなります。

5年目以降の8.3円は、以前の「2030年8.5円」想定にすでに近い

2025年度の売電価格は家庭用(10kW未満)で15円/kWhと、2024年度より1円低下しています。

また、電力中央研究所は2020年に「2030年度には売電価格が8.5円/kWhまで低下する」という考えを示唆していました。
※出典:2030年における太陽光発電導入量・買取総額の推計と今後の制度設計のあり方|電力中央研究所 社会経済研究所

2026年度に設定された5〜10年目の売電価格8.3円/kWhは、電力中央研究所が示した「2030年度8.5円」よりすでに低い水準です。

電力買取の原資は再エネ賦課金のため、売電単価の引き上げは全世帯の負担増につながります。

FIT制度の終了後は、より国民負担の少ない制度に移行する可能性もあるため、太陽光発電の導入は「売電価格の上昇」ではなく「8.3円の売電価格を前提として、発電した電気を自宅で使い切れるかどうか」での判断がおすすめです。

売電価格が低下しても太陽光発電を導入した方が良い理由

売電単価が下がっても、太陽光発電には売電収入以外にも以下のようなさまざまなメリットがあります。

売電以外で太陽光発電を導入する際の判断材料となるので、ひとつずつ解説します。

電気代が節約できる

太陽光で電気代削減

太陽光発電の導入メリットとして、発電した電気を自家消費できる点が挙げられます。

自家消費した電気は電線を通さないためロスが少なく、消費する時間帯は、電力会社から電気を購入する必要がないため、本来購入していた電気代を削減できます。

例えば月々の太陽光発電量が450kWh(自家消費割合30%)のご家庭では、発電した電気を自家消費することで毎月約8,910円、年間で約106,920円の経済効果につながります。
※電力料金の目安単価:31円/kWh、売電価格:15円/kWhとして計算

売電価格が下がり電力会社の電気代の値上がりが続いている現在は、売電よりも自家消費による電気代の節約が、太陽光発電の大きなメリットです。

家庭のエネルギー効率の向上が期待できる

太陽光パネルを屋根に設置する副次的なメリットとして、家庭のエネルギー効率の向上が期待できる点も挙げられます。

発電した電気をその場で使用すると、送電による損失がなく、発電所から届く電気より無駄なく使えるためです。

太陽光パネルを屋根に設置すると断熱効果が得られ、屋根に当たる直射日光を防げることから、室内の温度上昇の抑制が期待できます。

また、冬場は屋根に設置した太陽光パネルが室温の放熱を防ぐ働きをするため、室温の低下を抑えることが可能です。

発電量と使用量を実際にモニターやアプリで見ると、どの時間帯に電気を使っているかが分かり、家電の使い方を見直せます。

使う電気の一部を自宅で作る分、電力会社から買う量が減り、料金改定や燃料費調整の影響を受ける範囲は小さくなる仕組みです。

このように、太陽光パネルを屋根に設置する副次的なメリットとして、家庭のエネルギー効率の向上が期待できる点も挙げられます。

https://www.tainavi.com/library/4511/

環境負荷を軽減できる

買う電気を自宅の太陽光発電に置き換えるほど、CO2排出などの環境負荷は減ります。

再生可能エネルギーである太陽光発電は、安定的な電気供給の実現だけでなく、エネルギー資源の枯渇や地球温暖化防止などに貢献する設備です。

太陽光パネルの寿命は一般的に20~30年ですが、メンテナンスを続けた場合はそれ以上使えるケースもあります。

加えて、太陽光発電では、燃料価格や輸入の状況に左右されない電気を確保も可能です。

導入費用が年々下がっている

太陽光発電の導入費用は、売電価格・設置費用ともに年々下がっています。

経済産業省が作成した資料でも、住宅用太陽光発電のシステム費用は減少傾向にあることがうかがえます。

このように、太陽光発電は設置費用が下がった分、売電価格が下がっても、早めの費用回収が期待できるのが現状です。

補助金・支援制度を活用できる

太陽光発電や蓄電池の導入に際しては、国や自治体が提供する補助金・支援制度を活用できます。

多くの自治体で太陽光発電や蓄電池の設置に対する補助制度が設けられており、導入時の負担軽減が可能です。

太陽光発電と蓄電池の同時設置も、補助対象となる自治体もあります。

補助金や支援制度は、導入コストを大幅に抑えられる余地がある制度です。

申請方法や時期、併用可否は地域ごとに異なるため、見積もりを取る段階で最新制度を確認しておきましょう。

タイナビでは、補助金活用のサポートをしている業者からの見積もりが受けられます。

最新の補助金制度を踏まえたうえで導入をサポートしてくれる業者をお探しの際は、タイナビの一括見積もりをご活用ください。

太陽光発電や蓄電池の導入に関する詳しい情報や注意点は、以下の記事でも解説しています。

https://www.tainavi.com/library/4387/

災害・停電時にも電気を使える

太陽光発電は、災害や停電時にも自宅で電気を使えるという大きな安心感をもたらします。

たとえば太陽光発電システムに標準搭載されている「自立運転機能」を利用すれば、停電が発生しても日中に発電している間は専用コンセントから電気の利用が可能です。

このため、非常時でも最低限の家電を動かしたり、スマートフォンを充電したりといった対応ができます。

ただし、使える電力量には限りがあり、発電量は天候や時間帯に左右されるため、普段通りにすべての家電が使えるわけではありません。

夜間にも電気を使いたい場合は、蓄電池を併設することで太陽光発電で発電した電気を貯めて利用できます。

ただし、蓄電容量によって利用できる家電や時間が限られるため、停電時に動かしたい家電を決めてから容量を選びましょう。

太陽光発電は防災対策だけでなく、日々の電気代節約や環境への配慮、導入コストの低減など多くのメリットがあります。

少しでも導入を検討されている方は、ご自身やご家庭の電気使用状況や将来設計に合わせて、総合的に比較・検討するのがおすすめです。

まずはタイナビの一括見積もりで費用のシミュレーションや導入事例などを知り、ご自身に最適な選択肢を見つけてみましょう。

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太陽光発電の売電収入を増やすには?卒FIT後の4つの対策

卒FIT後対策

卒FITを迎えた太陽光発電の導入11年目以降でも、太陽光発電の売電収入を増やす方法はないのでしょうか。

卒FIT後に太陽光発電の売電収入を増やす方法として考えられるのは、主に次の4つです。

卒FIT後も売電収入を最大化するため、ひとつずつ解説します。

自家消費を拡大する

卒FIT後は、太陽光発電の電気を売るより自家消費に回した方が、家計の負担は下がります。

FIT制度の期間が終了すると売電収入が大幅に減少するため、昼に使用する量を増やすほど、安い単価で売る量を減らせるのが理由です。

この方法は、日中の在宅時間を増やしたり、家電の使用を昼に寄せたりできる家庭が向いています。

昨今は燃料調整費の高騰などにより、電力会社から購入する電気代は上昇傾向にあります。

その結果、売電価格よりも電力会社から購入する電気代のほうが高くなるケースも珍しくはありません。

このような状況では、売電するよりも自家消費に回したほうが、長期的に家計の負担を軽減できる可能性が高いといえます。

蓄電池を導入する

自家消費の比率を上げるには、家庭用蓄電池の導入が役立ちます。

蓄電池は、日中に発電した電力を貯めて夜間に利用できるだけでなく、地震や台風などによる停電時にも、非常用電源として有効に活用できる設備です。

太陽光パネルのみでは自給率は40%程度です。

しかし、蓄電池を併用するとカバーできる電力量が増え、電力の購入量を減らして電気代を下げられます。

太陽光発電と家庭用蓄電池は、国や自治体の補助金で費用負担を抑えられる場合があります。

太陽光発電に関連する補助金については、以下の記事もあわせてお読みください。

https://www.tainavi.com/library/4387/

売電をそのまま継続する

卒FIT後も電力会社と売電契約を続け、発電した電気を買い取ってもらうプランを選択できます。

太陽光発電の売電継続に向いているのは、余剰が少なく、追加の設備投資を予定していない家庭です。

多くの電力会社では、期間満了時も継続して同じ会社で売電する場合、特別な手続きなしで自動的に新プランに切り替わるケースがほとんどです。

ただし、この場合の買取価格はFIT適用時と比べて大きく下がるのが一般的です。

売電先を新たに探す手間は省ける一方で、以前のような売電収入は見込みにくくなるため、使い方やプランの見直しなどを検討する必要があります。

高い買取価格の電力会社に乗り換える

卒FIT後は、買取価格の高い電力会社へ乗り換えて売電を続けることが可能です。

向いているのは、売電量が多く、契約先の変更に手間をかけられる家庭です。

会社ごとに余剰電気の買取価格が異なるため、1円/kWhの差でも年間収入に差が出ます。

もともと契約していた電力会社の買取価格に納得できない場合は、複数のプランを比較し、より高く買い取ってくれる会社と契約を結ぶのも一つの手です。

例えば、新電力会社(電力自由化以降に参入した電気小売事業者)は大手電力より売電価格が高く設定されていることが多く、売電収入を少しでも高めたい世帯の選択肢になります。

あわせて、買取条件やセット契約の条件も確認する必要があります。

ただし、電力会社を変更しても卒FIT後の買取価格は下がる傾向にあり、大きな収入は見込みにくいのが一般的です。

具体的な売電価格は、次の項目で比較します。

https://www.tainavi.com/library/4380/

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卒FIT後の売電価格一覧【電力会社別比較】

下表に、大手電力会社10社の住宅用売電価格をまとめました。

電力会社卒FIT後の買取価格(円/kWh)
北海道電力8.00
東北電力9.00
東京電力8.50
北陸電力8.00
中部電力7.00
関西電力8.00
中国電力7.15
四国電力7.00
九州電力7.00
沖縄電力7.70

※10kW未満の場合

卒FIT後の買取単価は電力会社ごとに異なりますが、いずれも7.00〜9.00円/kWhの範囲内です。

電気を使用する際に支払う料金は30円前後なので、買取価格よりも利用料の方が高くなります。

つまり、余剰電力は、売るよりも自宅で使用して買う電気を減らした方が、家計に残る金額は大きくなります。

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太陽光発電の売電価格に関するよくある質問

太陽光発電の売電価格について、よく寄せられる質問に回答します。

太陽光発電を導入する前に、それぞれの質問に対する答えを知っておきましょう。

10年後の太陽光発電の売電価格はいくらですか?

10年後の太陽光発電の売電価格は、大手電力会社で7〜9円/kWh程度が目安です。

11年目以降は卒FITの売電価格に切り替わります。

2026年度の平均である14.6円/kWhと比較すると約半分の水準で、5年目以降の8.3円よりも安くなる場合もあります。

2026年度の売電価格を適用するにはいつまでに申請すればよいですか?

2026年度の売電価格を適用する申請期限は、2027年1月5日です。

認定は年度ごとの受付のため、間に合わない場合は翌年度の単価が適用されます。

電力会社への申込はその前に締切となるため、できるだけ早めに申し込みましょう。

太陽光発電の売電収入は月いくらになりますか?

太陽光発電の売電価格は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。

そのため、FIT期間の後半は売電収入が下がります。

下表は、FIT期間中の月間売電収入の目安です。

容量1〜4年目5〜10年目
4kW約5,600円約1,900円
5kW約7,000円約2,400円
6kW約8,400円約2,900円

これらはあくまで試算で、月の売電収入は、設置容量と余剰電力量、適用単価によって変動します。

自宅の売電価格はどこで確認できますか?

自宅の売電価格は、以下の場所で確認できます。

  • 検針票
  • 電力会社の会員ページ
  • 売電契約書
  • FIT認定の通知

適用されているのは認定を受けた年度の単価で、買取期間中は同じ単価が続きます。

今後、売電価格が上がる可能性はありますか?

2028年度以降の具体的な単価と期間は、現時点では未定です。

しかし、太陽光発電発電の売電価格は年々下落していることから、2028年以降に売電価格が上がる可能性は低いと想定されます。

太陽光発電の売電価格が下がった今こそ、太陽光発電と蓄電池で電気代を節約しよう

太陽光発電の住宅用の売電価格は、2026年度で平均14.6円/kWhです。

技術革新による導入コストの低下や再エネ賦課金の負担抑制を背景に長期では下落が続いており、卒FIT後は買取価格がさらに下がるため売電収入は大きく減少します。

しかし、近年は電気代が高くなっている傾向もあり、後半の売電単価8.3円より電気を買う単価の方が高いため、発電した電気を自家消費して電気代を節約した方が家計の負担は軽くなります。

併せて家庭用蓄電池を導入すれば、日中に発電した電気を貯めて夜間や停電時に使えるようになり、余った電気を無駄なく自宅で活用できます。

タイナビでは、太陽光発電だけでなく、蓄電池と太陽光発電をセットにした一括見積もりにも対応しています。

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