太陽光発電を片付ける方法 廃棄費用とリサイクルについて

一般的な家電製品なら、最後はリサイクルショップや粗大ごみで処分できます。それでは、太陽光発電を捨てるときは、一体どうするのでしょうか?

実際に10年20年と活躍してくれた太陽光発電システムはいずれ撤去や処分が必要になってくるでしょう。また、引越しなどで再設置をする際の費用なども考える必要があります。

今回は、住宅用太陽光発電の処分方法や費用などについて、詳しく説明していきます。

太陽光発電を始めるときは、設置と運用だけでなく、廃棄についても想定しておくことが重要です。太陽光発電の導入を検討されている方は、ぜひご参考にしてください。

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太陽光発電の撤去・廃棄にかかる費用とは?

太陽光発電システムを撤去する場合、大きく分けて2つのケースがあります。

・住宅の解体と同時に撤去する場合

・発電設備だけを単独で撤去する場合

それぞれの費用や注意点について詳しく見ていきましょう。

住宅の解体に伴う撤去

住宅の解体

屋根に設置された太陽光パネルの撤去費用は、パネルの枚数、屋根の形状や傾斜、建物の階数、足場の要否などによって変わります。撤去費用と、撤去した太陽光パネルの産業廃棄物処分等の費用は分けて考えておきましょう。

住宅の解体と同時に撤去する場合は、足場の設置費用や取り外し作業費が解体費用に含まれることもあります。ただし、処分費用や運搬費の扱いは業者によって異なるため、事前に見積もりの内訳を確認することが大切です。

撤去・廃棄費用は設備の状態や地域、資源価格によって変動します。購入した販売店や施工店、解体業者など複数の業者から見積もりを取り、処分方法まで確認しておきましょう。

また、撤去した太陽光パネルはリユースできるかを確認し、リユースが難しい場合も可能な限りリサイクルを検討することが望まれます。

発電設備だけを撤去する場合

ソーラーパネル

発電設備の寿命が来た場合や、故障・災害などで撤去が必要になることがあります。

発電設備の取り外しには専門技術が必要です。感電や転落の危険があるため、自分で作業せず、購入した販売店や施工店、メーカーなどに相談しましょう。

発電設備だけを撤去する場合も、費用はパネルの枚数、設置状況、足場の要否、撤去後の処分方法によって変わります。

特に屋根上の作業では、新たに足場が必要になることがあります。見積もりでは、取り外し作業費、足場費、運搬費、産業廃棄物処分等の費用がどこまで含まれているかを確認しましょう。

廃棄の方法と費用

ソーラーパネルの処分費
撤去した太陽光パネルは、廃棄物処理業者等によってリサイクルや最終処分が行われます。処分費用はパネルの状態、枚数、運搬距離、地域の処理体制などによって変わります。

その他の設備(架台、パワーコンディショナー、接続機器など)
工事業者などが取り外した機器は、原則として産業廃棄物として扱われます。家庭から排出される一部機器の扱いは自治体によって異なるため、自己判断せず、施工業者や自治体の窓口に確認しましょう。

タイミングごとに異なる太陽光発電の廃棄方法

太陽光発電を廃棄するタイミングとしては、住宅のリフォームや売却、発電機器の故障時などが考えられます。

どの場合でも、廃棄時のルールに従う必要があります。それぞれのケースについて見ていきましょう。

移設する場合の撤去費用

太陽光発電を移設する費用

初めに施工業者などとの話し合いでも、こういった再設置の話をしておくといいでしょう。実際に再設置を行なう際の金額を知っておくことでリフォームや、引っ越しなどの際にもスムーズに同じ施工業者で行なうことができます。

基本的には、取り外してそのまま使えるものばかりですが、撤去費用はかかります。また、引っ越しなどで屋根の形状が変わる場合、架台の変更が必要になり、追加費用が発生する可能性があります。

移転に伴う人件費は10万円程度が目安です。

移設する時の再設置費用はどのくらい必要なのか?

引っ越しで再設置を行なう際には、1kw辺り10万円を想定しましょう。また、家屋が太陽光発電に向いているのか否かも確認しておく必要があります。

撤去費用同様に、足場、架台などの新設、ケーブルの新品交換、取り外した家の修繕費(屋根、パワコン、接続箱の跡など)、太陽光発電システムの機器の運送料なども必要になってきます。

これは電気工事費を抜いたものなので、電気工事費を含むと約40万円前後と思っておくといいでしょう。また、建て替えやリフォームを行なうのであれば、引っ越し時と同様の費用を想定しておく必要があります。

家のリフォームなどでの再設置では、形状が変わり、架台や太陽光パネルの形なども変わる可能性がありますので、多く計算をしておく必要もありますね。

太陽光発電システムの再設置などを検討される方もいらっしゃると思いますが、場所や物によっては撤去費用や処分料で済ませた方が安くなる場合もあります。そういった場合も考え、信頼のおける施工業者との契約をしておく事が最も大事なことだと言えます。

家をリフォームするとき、もしくは解体するとき

住宅をリフォーム・解体する

住宅を修繕する、あるいは解体するのに伴って発電設備を撤去する場合は、住宅の解体業者がゴミの排出者になります。この場合、撤去された設備は「産業廃棄物」として扱われ、その業者が処分します。

なお、自力で太陽光発電を撤去するのは感電や転落のリスクがあり、大変危険ですのでお止めください。

発電設備の故障か寿命で買い換えるとき

太陽光パネルの故障・買い換える

発電設備の故障や不具合、あるいは設備の寿命による交換のとき、処分を検討する可能性もありますよね。(故障や不具合は保険や保証が使える可能性があります)

この場合は発電システムを施工した業者、あるいは販売業者(メーカー)が装置を撤去することになります。発電システムを施工した業者かメーカーが排出者となり、こちらも産業廃棄物として扱われます。

発電設備が事故や災害で地上に落下していたとき

発電設備が災害で地上に落下

事故や災害によって太陽光パネルが破損したり、台風などで地上に落下した場合でも、自己判断で触れたり撤去したりするのは避けましょう。

太陽光パネルは光が当たると発電するため、破損しているように見えても感電の恐れがあります。ケーブルの損傷、水没、浸水、ガラス破損がある場合は特に危険です。まずは施工業者、メーカー、自治体の担当窓口などに相談してください。

被災した太陽光パネルは、含有物質の流出や漏電を防ぐためにも、他の廃棄物と分けて適切に扱う必要があります。

怪我や感電などのリスクを避けるために、太陽光発電の対処ができる業者に問い合わせるのが一番です。

太陽光発電システムの一括見積もり
太陽光発電システムの一括見積もり

機器ごとに異なる太陽光発電の廃棄の仕方

一般に太陽光発電は、ソーラーパネルとこれを支える架台、パワーコンディショナーのほか、モニターやメーターといった数々の機器で構成されています。

それぞれの廃棄方法について、みていきましょう。

ソーラーパネルと架台

ソーラーパネルと架台の廃棄費用

解体されたソーラーパネルや架台などは、解体業者から産業廃棄物の中間処理業者に託されます。

受け取った処理業者はこれをさらにリサイクルできるよう金属類やガラス等へと分類するとともに、リサイクルできないものは埋立処分場へ持って行って廃棄できよう仕分ける作業を行います。

公共機関で引き取られた設備ゴミのその後は、公共もしくは公共機関が指定する民間の廃棄物処理施設で解体され、リサイクルできるものと埋立て処分するものとに分けられて処分が終了します。

パワーコンディショナー・接続箱などの関連機器

太陽光発電のパワーコンディショナー廃棄

太陽光発電のなかでも、パワーコンディショナー、接続機器、モニターやメーター、その他の電子機器類などの関連機器は、寿命による廃棄の頻度が高いでしょう。

一般に20~30年ほどは使えるソーラーパネルと比べて、これらの機器の寿命が短く、10年~15年ほどである場合が多いためです。つまり、ソーラーパネルの寿命に至るまで少なくとも1回は交換することになります。

メーカー保証を使う場合、それを施工した業者などに取り外しと交換を無償でしてもらえます。

保証期間を超えていても有償で交換に応じてくれる場合がありますが、その場合の廃棄費用も撤去料金の中に含まれるかは、業者に確認しておくほうが良いでしょう。

施工業者などが交換・取り外しを行った機器類は、原則として産業廃棄物として扱われます。自己判断で家庭ごみや粗大ごみに出さないよう注意しましょう。

家庭から排出する一部の機器類については、自治体ごとに扱いが異なります。分別方法や処分可否、廃棄費用はどの程度かかるかなどについては、自治体や施工業者に確認しましょう。

ケーブル

太陽光システムのケーブル

廃棄時に発生する太陽光発電システムの構成部品の中で、ケーブルは特に注目すべき要素です。

太陽光システムで使用されるケーブルには、銅やアルミニウムなどの有価金属が含まれています。これらの金属はリサイクル市場で需要が高いため、廃棄業者がケーブルを買取ってくれる可能性があります。

ケーブルの買取が可能な場合、廃棄費用の一部を相殺することができ、コスト削減につながります。廃棄の際には、リサイクル業者やスクラップ業者※に問い合わせて、ケーブルやその他の金属部品の買取価格を確認すると良いでしょう。

※スクラップ業者とは、金属やその他の再生可能な材料を収集し、処理して再販する業者のことを指します。

廃棄費用に影響を与える要因

廃棄費用の影響要因

太陽光発電システムの廃棄費用は、さまざまな要因によって異なります。以下は、主な影響要因です。

設置規模

システムの規模が大きいほど、廃棄する機器の量が増えるため、処理費用も高くなります。住宅用の小規模なシステムと商業用の大規模なシステムでは、廃棄費用が大きく異なります。

パネルの種類と素材

太陽光パネルの種類や使用されている素材によっても、廃棄費用が変わります。例えば、シリコン系パネルは比較的リサイクルしやすいですが、有害物質を含む化合物系パネルは特別な処理が必要で、処理費用が高くなる可能性があります。

しかし、ご安心ください。世の中に普及している住宅用太陽光パネルは約95%以上がシリコン系を使っています。

地域の廃棄処理制度

廃棄処理に関する制度や規制は地域ごとに異なります。一部の地域では、リサイクル施設が充実しており、処理費用が抑えられることがありますが、他の地域では処理コストが高額になる場合もあります。

太陽光パネルを廃棄した後の注意点

太陽光パネルを廃棄した後の注意点

太陽光パネルを廃棄した後にも、いくつかの注意点があります。廃棄が完了したら、それで終わりではなく、以下の点に気をつけましょう。

FIT制度終了後の事後処理

FIT制度の認定を受けている太陽光発電システムを撤去・廃止する場合は、売電契約の確認だけでなく、再生可能エネルギー発電事業の廃止届にも注意が必要です。

設置時に手続きを行った販売店や代行事業者に相談し、自分で手続きを行った場合は「再生可能エネルギー電子申請」の廃止届マニュアルを確認しましょう。補助金を受けて設置した設備では、法定耐用年数に満たない廃棄で返還が必要になる場合もあります。

屋根材の損傷の確認

太陽光パネルを長期間設置していた場合、パネルの取り付け部分や、その周辺の屋根材が損傷している可能性があります。

特に、パネルの架台を固定するために屋根に穴を開けている場合、これらの部分が劣化していたり、雨漏りの原因となっていることがあります。パネル撤去後には、必ず屋根材の状態を確認し、必要に応じて修理を行うことが大切です。

再塗装の検討

屋根材が塗装されている場合、太陽光パネルの撤去後に塗装の剥がれや色むらが目立つことがあります。このような場合、屋根全体の再塗装を検討することで、屋根の防水性能を高め、耐久性を向上させることができます。

不要になった太陽光発電は適切な方法で廃棄しよう

太陽光発電の廃棄は適切な方法で

太陽光発電設備は寿命や故障による取替えや、住宅の建て替え・売却時に処分する可能性があります。いずれの場合も、適正な処理方法によって廃棄しなければなりません。

なお、2026年6月5日には「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」が公布されています。主な制度は公布から1年6か月以内に政令で定める日に施行される予定で、多量の事業用太陽電池の廃棄者やリサイクル事業者を中心に、再資源化に向けた仕組みが整備されます。

住宅用であっても、今後はリユース・リサイクルを前提に、適正な処理方法を確認する重要性が高まっています。工事業者などが取り外した太陽光パネルや関連機器は原則として産業廃棄物になるため、処理に慣れた信頼できる業者に依頼するほうが安心です。

個人では判断に困るような処分についても、彼らが代行してくれます。

「使用済住宅用太陽電池モジュールの取外しおよび適正処理が可能な施工業者一覧表」