卒FITは売電先とは?

太陽光発電で作った電気は、FIT制度により10年間一定の価格で買い取ってもらうことができます。しかし、FITが終わった後がどうなるのか、気になりますよね?

結論を申し上げますと、

  • 卒FITとして売電を続ける
  • 自家消費して電気代を節約する

どちらかを選択することになります。

ただし、今までのFITと卒FITには大きな違いがあります。ここでは、数あるサービスの中から積水ハウスが提供する「積水ハウスオーナーでんき」に注目して違いを解説いたします。このサービスの対象者はもちろん、対象外になってしまった方にも役立つ情報をご紹介します。

住宅用太陽光の10年後「卒FIT」とは

「卒FIT」とは

家に設置した太陽光発電は、発電した電気をそのまま自宅で使ったり、FIT制度(固定価格買取制度)で売電することができます。

2009年にFITを始めたら2019年まで、2022年にFITを始めたら2032年までといったように、住宅用太陽光発電システムはFIT制度で定められた10年間はずっと同じ単価で、余った電気を売ることができます。

FITの買取期間

FITの買取期間
発電システムの種類 FITの買取期間
住宅用太陽光発電
10kW未満
10年間
産業用太陽光発電
10kW以上
20年間

これらのFIT期間を終えた発電システムは「卒FIT」と呼ばれ、国の制度であるFITから離れた売電システムがリリースされてます。卒FITを迎えた世帯につきましては、今までの大手電力会社と卒FIT用の買取契約を結び直すか、あるいは他の大手電力会社や新電力の買取サービスと契約することになります。

すでにFITを始めている方には、FITが終わる頃に卒FITの案内が届きます。FITの単価で売電を継続することはできませんのでご注意ください。

「10年後の太陽光」「2019年問題」を解決

卒FIT

日本で住宅用太陽光発電のFITが始まった2009年、この頃に太陽光発電を始めた家庭が10年間のFITを終えるタイミングで発生したのが「2019年問題」です。

FITの期間中は、太陽光発電で自家消費と余った電力を高額な単価で売電することができます。ところが、10年後にFITが終わったあとも売電を継続できるのか、誰が買い取ってくれるのか、その場合の単価がどうなるのか分からなかったことが不安を呼びました。

最終的には卒FIT買取サービスが電力各社から発表され、全国の住宅用太陽光発電が卒FITを迎えたあとの売電先を確保できるようになったことで解決されました。

FITと卒FITの大きな違い

FITと卒FITで大きく変わることがあります。

  • 国のFITよりも買取価格が安くなる
  • 売電先を自由に選べるようになる
  • 買取単価や契約条件が買取サービスによって異なる
  • 大多数の家庭が「自家消費のほうが得する」状態に

卒FIT買取サービスを提供する企業によって買取単価や契約条件が異なりますので、一番有利な条件で売電できるように比較してください。

大手電力と新電力の卒FIT買取、どっちが得?

卒FIT後は既存の電力会社の買取価格が低下。買取価格が高い新電力に乗り換え

卒FIT電力の買取サービスで単価が高いところを選ぶには、まずは新電力をチェックするべきです。大手電力は誰でも契約できるものの買取単価が安い傾向があるからです。

大手電力の卒FIT電力買取サービスの傾向

  • 複雑な条件がなく、誰でも契約できる
  • 買取単価が安い

新電力の卒FIT電力買取サービスの傾向

  • 複雑な条件があるケースが多い
  • 買取単価が比較的高いことが多い

卒FIT電力の買取価格は大手電力の平均で7〜8円/kWh、新電力11円を超えるケースが出てきます。単価が高い買取サービスは契約条件が難しいケースが多いので注意してください。

卒FIT電力は売るより使うほうが得?

太陽光発電自家消費がお得

一般家庭の電気代(電力会社から買う電気)の相場は27円/kWhです。日中の電気が高額になり、夜に安くなる「夜間電力(深夜電力)」を使うプランなら、日中の電気代は30円を超えるケースもあります。

卒FIT電力の買取価格が7〜8円/kWhを超えることを考えると、実は卒FITの電気は売るよりも自宅で使った方がお得なのです。自家消費の比重を増やして電気代を節約することを基本に、どうしても余ってしまった電気を無駄にしないために卒FIT買取サービスを利用してください。

新電力・大手電力各社の卒FIT買取サービスを解説した記事をまとめております。買取単価や条件、自家消費との比較シミュレーションを行いました。

積水ハウスの卒FIT向け電力買取サービスとは

積水ハウスの電力買取サービス

積水ハウスは、卒FIT向け余剰電力買取サービス「積水ハウスオーナーでんき」を開始しました。電力会社ではない積水ハウスは、複数の小売電力事業者と協力して独自の電力サービスを提供しています。

さらに積水ハウスは「RE100」という国際イニシアチブに参加して、事業で使う電気をすべて再生可能エネルギーにすることを目指しています。すでに自社の戸建て住宅や賃貸住宅に累計700MW以上の太陽光発電を設置しており、このうち2~3割の卒FIT電力を買い取ることで、脱炭素化目標が達成できるそうです。

他社に比べて好条件も、サービス加入条件が厳しい

条件が厳しい

「積水ハウスオーナーでんき」は自社の戸建て住宅や賃貸住宅のオーナーを対象にした卒FIT買取サービスで、買取価格は11円/kWhです。

数ある卒FIT買取サービスの中でも、積水ハウスの買取価格はかなり高額な方です。他社の買取価格は7~8円/kWhに設定される例が多く、積水ハウスの11円/kWhに競合するプランは少数です。

ただし「積水ハウスオーナーでんき」の対象は積水ハウスの戸建て住宅や賃貸住宅のオーナーのみで、条件に合わなければ売電契約はできません。

それでは、積水ハウス以外の家に住んでいる人はどうすればよいのでしょうか。次の段落では、積水ハウス以外で住宅を建てた人向けの卒FIT対策を紹介します。

積水ハウス以外で選べる卒FIT後の選択肢

卒FIT後の選択肢

「積水ハウスオーナーでんき」が利用できない人の場合、卒FIT後に発電した電気についてはどう扱うのがベストなのでしょうか。考えられる選択肢について説明します。

別の電力会社に売電する

2つ目の選択肢は、別の電力会社に売電することです。

卒FITを対象とした電力買取については、一般送配電事業者以外の企業も名乗りを上げています。

昭和シェル石油 8.5円
(北海道・東北・北陸・東京・中部・関西・中国・四国エリア)
7.5円
(九州エリア)
スマートテック10円
(北海道、北陸、四国、沖縄エリア以外)
丸紅新電力 SHARPプラン(通常)
9円〜11円
SHARPプラン(蓄電池プレミアム)
13円〜15円
NTTスマイルエナジー エコめがね卒FIT Plus
7.2円〜9.3円

新電力・大手電力各社の卒FIT買取サービスを解説した記事をまとめております。買取単価や条件、自家消費との比較シミュレーションを行いました。

さらに他にも売電できる事業者をお探しでしたら、資源エネルギー庁のサイトでも閲覧可能です。新電力への売電を検討する人は定期的にチェックしてみてください。

売電できる事業者一覧:資源エネルギー庁

現在売電している電力会社への売電を継続する

売電

ひとつめの選択肢は、現在売電している電力会社への売電を続けることです。

一般送配電事業者(北海道電力・東北電力・東京電力パワーグリッド・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力)の全社が、卒FIT後の余剰電力を買い取ると発表しています。

これらの電力会社に売電を続ける場合、指定された方法で再契約することになります。すでに太陽光発電を設置している世帯にはお知らせが届きますが、太陽光発電を設置する前でも買取価格などが公式HPで見ることができます。

売電以外のサービスを利用する

3つ目の選択肢は、売電以外の形で余剰電力を活用することです。実は、卒FIT後を見据えて売電以外にも余剰電力が活用できるサービスが登場してきています。

ツナガルでんき

東北電力が発表したサービスで、発電した電気の一時預かり、他の人や企業にシェアするといったサービスを予定しています。

蓄電池も使って自家消費する

蓄電池も使って自家消費する

卒FITの買取単価がとても安いので、基本的には自宅で電気を消費した方が家計へのメリットは大きいです。卒FITの電気を売れば7円の収入でも、自宅で使えば27円(日中なら30円超も)の支出を0円にできます。どっちが得か、一目瞭然ですよね。

太陽光発電で発電した電気を最大限に活用するには、蓄電池の設置が必要です。蓄電池は高価な製品なので、金銭的なメリットだけで考えると導入をためらう人もいるかもしれません。

蓄電池には電気代の節約になるだけでなく、停電に備えられるなどのメリットもあります。卒FIT後の電力をどう使っていきたいのか、売電収入や電気代の節約といった金銭面以外のポイントも含めて検討してください。

https://www.tainavi-battery.com/library/729/
https://www.tainavi.com/library/4387/

太陽光発電は10年後もずっと売電できる

太陽光発電はお得

一時期、今後の見通しが危ぶまれた太陽光発電ですが、卒FITの電力を買い取る業者は増えつつあります。10年間のFIT期間が終わっても、安定して売電できるといってよいでしょう。

特に「積水ハウスオーナーでんき」は、条件さえ満たせば卒FIT後も良い条件で売電ができます。積水ハウスのオーナーなら前向きに検討するべきサービスです。

積水ハウスの条件を満たさない家庭は、他社での売電を検討しましょう。大手電力会社や、数々の民間企業(新電力)が卒FITにビジネスチャンスを感じ、サービスや対価と引き換えようとしています。

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自家消費も家計にもたらすメリットが大きくなりますので、複数の選択肢を見比べ、検討できるようになります。これから太陽光発電を導入する人にとっても、安心して設備投資ができる環境になったといえるでしょう。

太陽光発電システムの初期費用を早く回収するためには、得られる売電収入も重要ですが、初期費用を安く済ませることも重要です。

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