住宅用の太陽光発電が、いよいよ自家発電の時代に入ります。

FIT制度(固定価格買取制度、余剰電力買取制度)が始まった2009年に、太陽光発電を始めた世帯は約40万。同制度が定める買取期間が2019年に終わり、多くの家庭が売電できる権利と、売電価格の約束を失います。

売電期間後の売電の権利や売電価格については明確にされておらず、自家消費型のライフスタイルに変わる選択が求められています。太陽光発電のスタイルが売電中心から自家消費中心に変わるとき、太陽光発電の電気をどう使えば効率が良いでしょうか。

その答えのひとつが、利便性を高めた蓄電システムです。

すでに太陽光発電を始めている方はもちろん、電気自動車や蓄電池も合わせて検討している方にお役立ちの情報です。ぜひ目を通して、将来の太陽光発電の使い方をイメージしてみてください。

今回は、太陽光発電の電気で「家庭内での消費」「蓄電池への充電」「電気自動車への給電」の3役を1台でこなす、ニチコンの蓄電システムについてご紹介します。

太陽光発電を自家消費型に急変させる2019問題と解決策

固定価格買取制度が定めた10年間の売電期間を終えたあと、太陽光発電の余剰電力を売れるかどうか、その売電価格も明らかになってはいません。売電できても1kWhあたり11円程度まで値下がるという予想もあり、余剰電力は売るよりも自宅で使ってしまう方が得する時代に入りつつあります。

太陽光発電の電気をやりくりするパターンは、大きく分けると「家庭内での消費」「蓄電池への充電」「電気自動車への給電」の3パターンです。太陽光発電の電気をこのように使うと、以下のメリットが得られます。

  • いつもの電気代を節約できる
  • 停電になっても発電した電気が使える
  • ガソリンよりも燃料費が安くできる

しかし、家庭内での消費は、ライフスタイルによっては難しくなります。

  • 電気自動車を日中に使うと充電できない
  • 太陽光発電の電気を蓄電池やV2Hスタンドで使うときに電力がロスされる
  • 多種多様な機械を使いこなせる人が少ない

ニチコンが2018年にリリースした「トライブリッド蓄電システム™」は、太陽光発電で発電した電気を蓄電池・V2Hスタンドにつなぐ世界初のシステムです。

電気自動車は太陽光充電で燃料費を最小化できる

ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、電気自動車(EV車)の燃料費を最小限にできます。

それでは、ガソリン車と電気自動車で、年間12,000km走行するときのエネルギーコストを比較してみましょう。まずは、電気自動車に充電する電気を電力会社から購入する一般的なケースについて見ていきます。

ガソリン車 燃費 12km/L(※1)×ガソリン代 140円/L(※2)=140,000円
電気自動車 電費 10km/kWh(※3)×電気代 17円/kWh(※4)=20,400円
(太陽光発電で全量充電すれば、年間エネルギーコストは0円に!)

※1 ガソリン車の燃費を12km/Lとした場合

※2 経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査(2018年2月)を参考

※3 日産 新型リーフ(JC08モード)の場合

※4 東京電力 スマートライフプラン(深夜料金)

1日1時間以上車を走らせる場合、電気自動車の燃料費(電気代)のほうが安くなることがわかります。充電に深夜の電気が安い電気料金プランを使うと、ガソリン車と比べて10万円以上も安いコストで走れるのです。さらに、太陽光発電の電気を電気自動車に給電すると、エネルギーコストを0円にすることも可能になる(※)のです。

※ 天候や家庭の電気使用量によっては0円にならない場合があります。

太陽光発電で電気自動車を充電するときの重大な問題

電気自動車を普段使いする人は、通常の太陽光発電システムでは充電できません。

朝から電気自動車で出かけると、太陽光発電が発電している間に充電器に繋げないのです。そのため、電気自動車を太陽光発電で充電できるのは、基本的に在宅しているか、週末にしか車に乗らない人などに限られていました。

この問題を解決したニチコンの蓄電システムは、太陽光発電の電気をまずは蓄電池に溜めます。
電気自動車が帰宅してから、蓄電池の電気を電気自動車に移すのです。こうして、夜に帰宅する電気自動車を、昼間に発電した電気で走らせることに成功しています。

ただ、電気はいくつもの機器を移動させると変換ロスが起こり、少しずつ量が減っていってしまいます。これを、太陽光発電から蓄電池、電気自動車のバッテリーまでをひとつのシステムとして連携させるという、画期的な方法で解決しました。

自家発電した電気をムダにせず、蓄電池や電気自動車、そして家庭に行き渡らせることができるということです。

ニチコンは、電気自動車の電力を家庭に供給できるV2Hシステムを世界で初めて開発したメーカーです。電気自動車の充電・給電システムと蓄電池の開発力に強みを持つニチコンが、太陽光発電とこれらの機器を連携させるシステムを発売するにいたりました。

この蓄電システムを使うには、太陽光発電システムのパワーコンディショナーと蓄電池、V2Hのメーカーをニチコンで統一することになります。それぞれの機器や電力の管理が効率よくなりますが、格安な海外製が使えないことがデメリットに感じるかもしれません。

3つの役割を包括するトライブリッド蓄電システムは、利便性と家計へのメリットを高める方向へ高性能化したシステムだといえるでしょう。

太陽光発電の自家消費は「かんたん操作」が望ましい

自家消費型の太陽光発電がもたらすメリットは多岐にわたります。新しいエネルギーを誰もが使いこなすためにも、発電システムには「操作の簡単さ」が求められるようになるでしょう。

例えば、太陽光発電は停電のときにも電気が使えるので、万一のときに備えられるイメージがあります。しかし、一般的な太陽光発電システムが停電時に手動で運転モードを切り替えなければならないことは、それほど知られていません。

滅多にない事態に使う機能こそ、直感的に使えることが求められるのです。非常時に使いやすいかどうかは、パワーコンディショナーの機能性に大きく依存します。

自家消費型の太陽光発電システムは、家族の誰でも簡単に電気が使えるような機能性にも注目していくべきです。

太陽光発電の機材を買い換えるタイミングは、「10年目」が目安です。太陽光発電の寿命は長いものの、機器によって使用できる期間に差があります。最も寿命が短いパワーコンディショナーは、およそ10年で寿命を迎えます。FIT期間が終わる10年めが、太陽光発電を自家消費型に変える絶好のタイミングと言えます。

タイナビはこれからも、自家消費型の太陽光発電に役立つ情報についてお伝えしていく予定です。