太陽光を電気に変換するときに最も重要な「太陽電池」は、実は新しい技術がどんどん開発されています。

なかでも「ペロブスカイト太陽電池」は今までとまったく異なる製法で、エネルギーと人との関わり方に大きな進歩をもたらすことが期待される挙がる重要な存在です。

開発に携わった日本人がノーベル賞の候補にもなっているペロブスカイト太陽電池とは何なのか、薄くて、軽くて、フィルムのように曲げられる太陽電池がどうしてそんなに画期的とされるのか、注目するべきポイントをご紹介します。

ペロブスカイト太陽電池とは

ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト半導体を使用した太陽電池で、今までのどの材料にもない圧倒的なスピードで変換効率が上昇しており、シリコン系電池に迫る22%を超える変換効率まで進化をしている太陽電池の一つです。

従来の太陽光パネルと比較して、その厚さは100分の1、つまり非常に薄く、重さも10分の1と格段に軽量になっています。

これらの特性は、パネルが薄く軽いという特徴を生み出しています。

今、ほとんどのメガソーラーや住宅用モジュールで活用される結晶シリコン太陽電池は誕生から60年以上が経過しています。

世界中でより高効率に、より安くと素材や製法の研究が進んでいるなかで、日本の研究開発により誕生した新しい太陽電池として注目を集めています。

ペロブスカイト太陽電池が注目されていることは、ペロブスカイト太陽電池を最初に発表した日本人の宮坂力(つとむ)さんがノーベル賞候補に挙がり続けていることがその証明になるでしょう。

ノーベル賞のほかにも国内外で数々の賞を受賞しており、次世代の太陽電池への実用化に大きな期待が寄せられています。

シリコンの原料価格が高くなり、太陽電池の価格競争が鈍っているという課題を抱えています。ペロブスカイト太陽電池は期待がもてる太陽電池なのです。

ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつ?

ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつ

ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつなのか、気になるところですよね。目標としては2025年とされていますが、実際に手に取れるまではどれくらいかかるか分からないというのが実情です。

さらに、ペロブスカイト太陽電池が無事に商品化されたとしても、気になるのはその価格です。

いま一般的に販売されているパネル型の太陽電池も、いまでこそ太陽光発電所を建てるトータルコストが1kWあたり15万円まで下がっていますが、これも10年以上かけて市場競争が進んだ結果です。

いま、脱炭素のために必要な施策が太陽光発電でしたら、現在のパネル型で対応するほうが安くて確実と言えます。

ペロブスカイト太陽電池のメリット

ペロブスカイト太陽電池構成

ペロブスカイト太陽電池のメリットは「軽くて、薄くて、柔軟性がある」ことです。これらの特性は、その設置の自由度を大幅に高めます。

①塗るだけで高効率の発電ができる

理化学研究所では、印刷技術を活用し、大きな面積に低コストで製造する事が可能な塗布型OPVを開発しています。薄くしかも、軽いシート状のもので、曲げても壊れないと言う凄い特徴を持つ太陽電池です。

たとえば建物の壁や車体の曲面など、今までに太陽光発電の設置ができなかった場所や、難しいところでも自然エネルギーでの発電が可能になります。

変換効率は、研究室サイズでは現在のシリコン系パネルと同レベルのエネルギー変換効率を実現しています。これでもまだ研究段階ですので、変換効率や価格面において、より魅力的な製品に仕上がってくる可能性があるでしょう。

②製造コストが安価に抑えられる

ペロブスカイト太陽電池の製造

塗るタイプのペロブスカイト太陽電池のメリットとして、簡単な作成方法と製造コストが安価に抑えられることが挙げられます。

インクジェットで印刷するような製法もすでに登場しておりますので、高温加熱や、高真空の製造過程を避けて低コスト化を実現するというわけです。

ペロブスカイト太陽電池は、溶液処理プロセスを利用して生産することが可能で、そのため生産コストを抑えることができます。また、必要な材料も比較的安価で、大量生産に適しています。

また、ガラス板の上に多孔質の酸化チタンに溶液を塗布して乾かすだけで簡単に完成するので、高度な技術が要らないというのも期待が持てるポイントです。

ペロブスカイト太陽電池のデメリット

ペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池は安く、高効率な先を見据えた太陽電池として急速に研究が進められています。

そのデメリットを挙げるとすれば、変換効率が従来のパネル型太陽電池よりもすこし低いことと、日本での実用化がいつになるか分からないことでしょうか。

①耐久性に懸念されている

ペロブスカイト型太陽電池研究

ペロブスカイト型太陽電池は、空気中の酸素や水分にとても敏感です。酸素や水分が電池の中に入ると、電池内部で電気を運ぶ働きがうまくいかなくなってしまいます。

この問題を解決する方法が見つからない限り、ペロブスカイト型太陽電池が今の太陽電池の代わりになるのは難しいと考えられています。

https://www.tainavi.com/library/5144/

②実用化するにはまだ早いかも?

太陽電池実用化

ペロブスカイト太陽電池は小規模な実験環境では非常に良好な結果を出していますが、その性能を大規模な商業生産に移行することができるかどうかはまだ確定していません。

スケールアップする際に発生する技術的な困難や製造コストの増加は、その実用化を阻む可能性があります。

メリット・デメリットがあるペロブスカイト太陽電池ですが、薄くて軽くて柔らかい太陽光発電がこれからどんな場所で活躍するか、とても楽しみな存在です。

これから太陽光発電を始めようと検討している方で、このペロブスカイト太陽電池の実用化を待つべきか?とお考えの方もおられるかもしれませんが、

現行のシリコン系太陽電池で十分な場面でしたら、新素材の実用化を待つほどの理由はないといえます。

https://www.tainavi.com/library/4119/

ペロブスカイト太陽電池は、より耐久性と安全性を持つものへと進化をしなくてはいけません。

太陽電池の新規材料開発は絶対に必要なものになっており、ペロブスカイト太陽電池はこれからの太陽光発電の拡大に貢献できると期待されているのは確かなことです。

ペロブスカイト太陽電池の実用化を待つべきか?

ペロブスカイト太陽電池の実用化

電気代の高騰に頭を悩ませているあなたへ。

ペロブスカイト太陽電池の可能性に注目しているかもしれませんが、その実用化を待つ必要はありません。現在のシリコンベースの家庭用太陽光発電システムは、信頼性と効率性を確立しており、すでに何十年もの間、数多くの家庭で使用されています。

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ペロブスカイト太陽電池が実用化されるその日まで、シリコンベースの太陽光発電システムで、太陽の力を最大限に活用しましょう。

https://www.tainavi.com/library/3977/
https://www.tainavi.com/library/4027/

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