
近年、再生可能エネルギーの注目がますます高まるなかで、次世代型の太陽電池として注目を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。
軽量で柔軟性があり、ビルの壁面や窓ガラスなどこれまで設置が難しかった場所にも活用できる可能性を秘めています。
この記事では、ペロブスカイト太陽電池の仕組みやメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
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ペロブスカイト太陽電池とは?
ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト構造の結晶を使った太陽電池のことです。
従来主流だったシリコン系の太陽電池とは異なる素材を使っており、薄くて柔軟なフィルム状に加工できるのが特徴です。
ペロブスカイト太陽電池の仕組み

ペロブスカイト結晶に太陽光が当たると、結晶の中に電子(-)と正孔(+)ができます。
電子(-)と正孔(+)はそれぞれの電極に引き寄せられるので、2つの電極を導線でつなぐと電子(-)が正孔(+)の方へ移動して電気が流れます。
ペロブスカイト太陽電池と従来の太陽電池との違い

ペロブスカイト太陽電池と従来のシリコン太陽電池の大きな違いとして、薄くて軽いことや製造工程が簡単なことが挙げられます。
シリコン太陽電池の結晶の厚さは約150~200μmですが、ペロブスカイト太陽電池は結晶の厚さが0.5~1μm程度です。
これはシリコンが光を吸収する力が弱いために厚さが必要なのに対して、ペロブスカイトは光を吸収しやすいため薄くても発電ができるからです。
原料の使用量も少なく製造工程も簡単なため、大幅なコスト削減が見込めます。
ペロブスカイト太陽電池のメリット

ペロブスカイト太陽電池によって太陽光発電システムが大きく変わる可能性があります。
主なメリットは、次の通りです。
- メリット①軽く柔軟性が高く曲げられるので設置しやすい
- メリット②色を変更できる
- メリット③エネルギー変換効率もシリコン太陽電池と同等
- メリット④国内の原料で生産可能
- メリット⑤弱い光エネルギーでも発電できる
- メリット⑥製造コストをロール・ツー・ロールで抑えられる
以下で、詳しく見ていきましょう。
メリット①軽く柔軟性が高く曲げられるので設置しやすい
ペロブスカイト太陽電池には、材料を液状化する技術が取り入れられており、フィルム状に加工できるほど薄くて柔軟なのが特徴です。
一般的なシリコン太陽電池はガラス基板の上にシリコンを積層するため、1㎡あたり約10kgになります。
一方、ペロブスカイト太陽電池は薄いフィルム状で作られるため、1㎡あたり1kg以下に抑えられます。
そのため、重量面で設置が難しかった建物の外壁や木造住宅などにも取り付けやすくなるうえ、曲面のある壁面や自動車の車体などにも柔軟に対応可能です。
メリット②色を変更できる
ペロブスカイト太陽電池は、使用する材料を調整することで色の変更ができます。
たとえば、黒や赤、黄色、オレンジなど、さまざまな色に対応できるため、建物の外観や景観に合わせたカラーリングが可能です。
これにより、太陽電池でありながら、デザイン性の高い建築デザインとも調和しやすくなります。
メリット③エネルギー変換効率もシリコン太陽電池と同等
ペロブスカイト太陽電池は、2012年には変換効率が10%台だったものの、わずか10年ほどで25%を超える水準にまで向上しました。
現在も研究開発が進められており、効率にはばらつきがあるものの、実用化の段階ではシリコン太陽電池と同等のエネルギー変換効率を目指して開発が進行中です。
メリット④国内の原料で生産可能
ペロブスカイト太陽電池を作るための主な原材料はヨウ素です。
ヨウ素は、日本が世界第2位の生産国であり、世界シェアの約30%を占めているため、安定して調達できるというメリットがあります。
また、日本にはヨウ素が多く埋蔵されており、世界のヨウ素8割近くがあると考えられています。
従来の太陽光発電では、レアメタルなど国内での産出が限られる資源に依存しており、輸入に頼らざるを得ませんでした。
一方で、ペロブスカイト太陽電池は主要な原料を国内で確保できる可能性があるため、外部要因に左右されにくく、安定した発電が期待できます。
ただし、すべての原料を国内だけでまかなえるわけではありません。
メリット⑤弱い光エネルギーでも発電できる
ペロブスカイト太陽電池は、太陽の強い直射日光だけでなく、曇りの日や室内のような弱い光でも発電できる性能を持っています。
これは、従来のシリコン太陽電池が発電に10万ルクス前後の高照度を必要としますが、それに対してペロブスカイト太陽電池は200〜1,000ルクス程度の低照度でも発電が可能なためです。
そのため、ビルの窓や日当たりの悪い環境でも発電が可能となり、応用範囲が広がります。
メリット⑥製造コストをロール・ツー・ロールで抑えられる
ペロブスカイト太陽電池は薄くて柔軟性があるため、特性を活かしたコスト効率の高い製造が可能です。
特に有効なのが「ロール・ツー・ロール製法」と呼ばれる生産方式で、フィルム状の素材をロールに巻き取りながら、連続的に印刷・加工を行う方法です。
製品を巻いた状態で処理・搬送できるため、作業の手間や工程ごとのコストを大幅に削減できます。
ペロブスカイト太陽電池のデメリット
ペロブスカイト太陽電池は、現時点では多くの課題が残っており、一般家庭での導入までには時間がかかるとみられています。
具体的なデメリットは、次の通りです。
- デメリット①寿命が短い
- デメリット②シリコン太陽電池よりも変換効率が低い
- デメリット③主原料の安全性に問題がある
- デメリット④面積を大きくするのが難しい
以下からは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
デメリット①寿命が短い
最も大きな問題は、耐久性の低さ、つまり寿命の短さです。
シリコン太陽電池は20~30年の寿命がありますが、現時点でのペロブスカイト太陽電池の寿命は5~10年程度しかありません。
太陽光発電システムは長期使用が前提となるので、この問題を解決することができない限り実用化は難しいでしょう。
デメリット②シリコン太陽電池よりも変換効率が低い
ペロブスカイト太陽電池は、研究段階では25%を超える高い変換効率が確認されていますが、実際の量産レベルではまだ10〜15%程度にとどまっているのが現状です。
一方で、シリコン太陽電池は量産レベルで20~25%程度の変換効率が可能です。
そのため、「今すぐに電気代を削減したい」「確実に発電効率の高い製品を導入したい」といったニーズには、シリコン太陽光発電のほうが適しているといえるでしょう。
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現在では、シリコン製ソーラーパネルの価格も10年前に比べて大幅に下がっており、補助金制度を活用すれば初期費用の負担も抑えられます。
また、発電量も安定しており、固定価格買取制度(FIT)によって10年間の売電も可能です。
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デメリット③主原料の安全性に問題がある
ペロブスカイト太陽電池の主原料はヨウ素と鉛の化合物ですが、鉛には毒性があるため安全性に問題があります。
廃棄や災害時の流出による環境や人体への影響が懸念されており、安全性確保のための技術開発が不可欠です。
デメリット④面積を大きくするのが難しい
現在の技術では、小さな面積であれば安定した発電が可能ですが、面積が大きくなるにつれて変換効率が不安定になりやすいことが課題とされています。
本格的な実用化に向けては、従来のシリコン太陽電池と同程度の広い面積でも安定して発電できることが求められます。
そのため、面積を広げることや性能の安定性を両立させることが今後の技術開発における重要な課題の一つといえるでしょう。
ペロブスカイト太陽電池はなぜ注目されているの?
ペロブスカイト太陽電池は、低コストであらゆるものに設置可能になる点が注目されている理由です。
具体的には、次のような利用方法が期待されています。
- 形状的に取り付けが難しかった部分への設置
- 重量的に設置が難しかった箇所への設置
- サイズ的に設置が難しかった箇所への設置
- タンデム太陽電池への活用
以下で、詳しく見ていきましょう。
形状的に取り付けが難しかった部分への設置
ペロブスカイト太陽電池は、薄いフィルム状にできるので、従来取り付けが難しかった曲面や複雑形状な面への設置が可能になります。
たとえば、湾曲した建物の外壁や自動車の車体といった、シリコン太陽電池では対応が難しかった場所にも、柔軟に設置できるようになります。
重量的に設置が難しかった箇所への設置
ペロブスカイト太陽電池は、1㎡あたり1kg以下という軽さが特徴です。
これにより、従来のシリコン太陽電池では重さに耐えられず設置できなかった場所にも導入しやすくなります。
たとえば、屋根への負担が懸念される木造住宅などでも、設置の可能性が高まっています。
サイズ的に設置が難しかった箇所への設置
ペロブスカイト太陽電池は、自由なサイズに加工しやすいため、小さな空間や限られたスペースにも無理なく設置できるようになります。
たとえば、窓ガラスや外壁の一部など、限られた空間にも無理なく設置することが可能です。
タンデム太陽電池への活用
タンデム太陽電池とは、異なる種類の太陽電池を重ねてより多くの太陽光エネルギーを電気に変える仕組みです。
それぞれが異なる波長の太陽光を吸収できるため、より効率的な発電が可能になります。
この方式により、変換効率が30%以上に達する可能性もあるとされており、次世代の高性能太陽電池としての期待が高まっています。
ペロブスカイト太陽電池は抱える課題も多い
ペロブスカイト太陽電池は、注目されている一方で、実用化までにクリアすべき課題があります。
特に、一般家庭向けの製品として広く普及させるためには、性能の安定性や耐久性、安全性の確保が不可欠です。
ペロブスカイト素材は湿気や熱に弱く、時間の経過とともに劣化しやすいという性質があるため、長期間にわたって安定して発電できるかどうかが課題といえるでしょう。
また、現段階では製造コストや量産技術が確立されておらず、シリコン太陽電池と比べてコストパフォーマンスの面で優位に立つにはもう少し時間がかかると見られています。
さらに、鉛といった有害物質の扱いについても、安全性や環境面での検証と対応が求められています。
そのため、太陽光発電の導入を考えている場合は、従来の太陽光発電を選択するほうが現時点では現実的で安心できる選択肢といえるでしょう。
ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつ?最新動向まとめ
実用化の時期については、企業や国から目標が発表されています。
たとえば、積水化学工業は、2023年4月から国内初の建物外壁での実証実験を行いました。
また、アイシンや東芝エネルギーシステムズも、自社工場や神奈川県の青葉台駅などでの実証実験を行っています。
国内では2040年までに20GW導入を目指す
経済産業省は、2024年11月の「次世代太陽電池戦略」で、2040年までに20GWの導入を目指す方針を公表しました。
このことから、国として積極的に導入を進めようとしていることがわかります。
ペロブスカイト太陽電池の実用化を待つメリットはある?
結論として、ペロブスカイト太陽電池の実用化を待つメリットはありません。
なぜなら、ペロブスカイト太陽電池はシリコン太陽電池よりも軽量で柔軟性があり低コストですが、変換効率はシリコン太陽電池の方が高いからです。
また、導入初期は高価になることが多いため、この点からも待つメリットはほとんどないといって良いでしょう。
それよりは、現行の国や自治体の補助金が終わって初期費用が高くなったり、ますます電気代が高騰してしまったりするリスクの方が大きくなります。
今考えられるベストな選択は、太陽光発電と蓄電池を導入して、十数年後の交換時期にペロブスカイト太陽電池が実用化されていれば、そのときに導入を検討することです。
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