エコなエネルギー資源の代表格、太陽光発電。
ところが実際は発電するためのパネルの耐久年数やエネルギー効率の上でいくつかの課題があり、エネルギー消費大国の日本が抱える問題をすべて解決できるとまではいかないのが現実でした。
ところが近年、従来では考えられなかった技術が次々に登場し始めています。
ここではその最新技術のうち5つをピックアップしてご紹介いたします。
どこへでも張り付け可能!低コスト、超薄型パネル
現行の太陽光発電に使われているパネルは、シリコンや無機化合物を原料としているため製造するためのコストが高く、更に設置には広い平地のような広い場所が必要でした。
この問題を解決し、狭い都市部にも導入を容易にするため今研究が進められているのが「有機薄膜型太陽電池」です。
有機薄膜型太陽電池は、発電するパネルに有機化合物による有機薄膜を使用している為、製造コストが従来のシリコンや無機化合物よりも遥かに低く生産することができます。
更に、従来の発電パネルよりも遥かに薄く、ある程度ではありますが曲げる事が可能です。これは従来では考えられなかった曲面への貼り付け、設置を実現できるのです。
紙でできた太陽電池!?
みなさんがご存知の太陽電池パネは、大きく平面で見るからに持ち運びに苦労しそう、というその常識が変わるかもしれません。
大阪大学の研究グループが現在開発を行っているこの太陽電池は、パルプを使って透明な薄い紙を作り、それにナノサイズの銀の導電膜を張り付けて作成されます。
紙なのでなんと丸めて持ち運ぶ事も可能!
さらに処分も簡単、紙だけに製造には印刷技術を応用できるのです。
まさに「印刷する太陽電池」が実現するのです。
まんまるで発電効率アップ!球体型太陽光パネル
発電効率がどれだけ長い時間、太陽の光を受けられるかに直結する太陽電池において、パネルの設置角度や位置は重要な問題でした。朝や夕方は太陽が地平線に近くなり、当然日差しが当たりにくくなります。
これを解決する方法として考えられているのが、球体型の太陽電池です。従来の平面型パネルでは180度までしか太陽光を受け止めることが出来ませんが、球体上であれば360度全面で太陽光を受け止めることができるのです。
当然、発電効率は平面型より大幅にアップします。
太陽光の利用効率を倍以上にアップ!
現在、太陽光発電では太陽光のうち最大30%しか利用できません。
しかしIBMの新技術は、今まで無駄になっていた残りの70%を、IBM社のスーパーコンピューター技術を応用した水を使った冷却システムにより熱として再利用し、エネルギーロスを大幅に削減することができるのです。
太陽光発電の際に発生する「熱」により暖められた水を利用することで建物を温めることはもちろん、逆に建物を冷やしたりできるシステムが検討されています。
この技術は試算によれば、サハラ砂漠の2%をこのhcpvtシステムで覆い尽くせば、世界の電力需要を満たすことができるそうです。もちろん、このシステムは砂漠に限らず、世界のどの場所でも使えます。熱を利用できるため、応用例が広いのが特徴です。
発電したエネルギーを数週間残せる新技術!
現在の技術では、太陽からのエネルギーをソーラーパネルに蓄えられる時間はほんのマイクロ秒(100万分の1秒)です。
しかしカリフォルニア大学ロサンゼルス校(ucla)の化学者たちが植物の光合成からインスピレーションを受けて研究を開始したというこの最新技術があれば、電荷を数日から長くて数週間蓄えておくことができ、エネルギーの維持を著しく改善することができるのです。
環境面への配慮という面でも優れており、現在実用化に向けて取り組んでいるとのこと。
いかがでしたでしょうか。もしかすると新世代のソーラーパネルが登場する日もそう遠くないのかもしれませんね。
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