太陽光発電システムを設置した際のトラブルの一つが、ブレーカーが落ちる事です。

何かの障害の可能性がある「ブレーカー落ち」事例を基に、どのような注意が必要なのか?またどのような対策を取るといいのかなどを紹介したいと思います。

夏場の太陽光発電所でのブレーカー落ち

夏の暑い日に、太陽光発電所のメインブレーカーが落ちてしまい、パワーコンディショナーの電源が落ちて発電しないと言う事があります。気付かないままでは、売電できない事にもなりかねません。

低圧の50kwならば、パワーコンディショナー8台くらい使用するケースが多いです。その場合メインブレーカーに250Aを使用してもブレーカーが落ちてしまいます。5.5kwのパワーコンディショナーを9台使用した場合、出力は49.5kwになります。

そのパワーコンディショナにそれ以上のパネルを積載した場合、パワーコンディショナに49500w/210Vの235Aもの電流が流れます。235A流れる時間は、天気の良い日でも一日のうちでほんの数時間になります。規定の250Aに対して94%となり、余裕のあるものです。

44kwで流れる電流は210Aで規定250Aに対して84%、22kwで流れる電流は105Aで規定125Aに対して84%ですが、両方ブレーカーが落ちる事例がありました。

規定では110%の電流まで遮断しない設計になっているのになぜなのでしょう。

なぜ、ブレーカーが落ちてしまったのか

飛んだブレーカーの入っている分電盤にパワーコンディショナ用の30Aブレーカーがパワーコンディショナの台数分入っていました。
原因を探す為に、天気の良い日に確認を行いました。

その結果、パワーコンディショナ用のブレーカーや配線から熱が生じていて、その熱が箱の中でこもってしまっていました。ブレーカーには感電防止のカバーがあり、熱をこもらせてしまった事が原因の一つになりました。

ブレーカーが落ちない為の対策とは?

汎用型のノーヒューズブレーカーや漏電遮断機は熱動型といい、過電流になった場合、内臓したヒーターの熱によってブレーカーが飛ぶようになっています。熱が異常にこもることで、想定以上に早くブレーカーが飛んだのだと考えられます。

そういった場合、対策としてファンを取り付けます。一番熱を持つブレーカーの負荷端子部分に直接風が当たるように、吸気ファンを取り付けます。

これによって、数日間の夏の暑い中でもブレーカーが落ちる現象が無くなりました。熱によってブレーカーが落ちる事が想定される真夏などには、こういった方法で対策を打つ事も効果的です。

ブレーカー容量によるもの

出力16kwの太陽光発電のブレーカー容量(余剰売電)を16kw(12000w)÷200Vの80Aとして計算、100Aで設置を行い運転していたところ、2ヶ月に1回の割合でブレーカーが落ちると言う事例がありました。

これは、ブレーカーの容量も間違っていませんし、全量売電、余剰売電関係なく設定されているものです。ではなぜこのようにブレーカーが落ちてしまったのでしょうか。

なぜブレーカーが落ちたのか?また対策は?

運転がなされているのなら、ブレーカーの種類に問題は無かったはずです。普通に考えれば、余剰売電は2次側の漏電を疑うところになります。そこで、漏れの電流の計測を行なうことで対策を行えます。

2次側の漏電の可能性が大きい場合、一般負荷側と漏電ブレーカーを分けて設置を行います。パワーコンディショナやモジュールのアースを一緒に取っていたりするとブレーカーが落ちる事例もあります。

太陽光発電所と住宅の余剰売電でブレーカーの落ちる事例を挙げました。
気候が原因であったり、漏電が原因であったりと様々ですが、それぞれの対策、導入の時点での対処も可能です。施工者などと事前に話をし、未然に防げるようにしたいものですね。