太陽光パネルはメンテナンスフリーと言われていいますが、精密機械であるだけに、たとえ厳しい検査をパスしていたとしてもいつか必ず壊れます。特にパワーコンディショナーはトラブルが起きやすく、不具合から異音を発生させることもあります。
ただ、システムが設置されている環境によってその寿命は変わり、快適な環境であれば長持ちしますし、過酷な環境に置かれていれば壊れやすいというわかりやすい仕様になっています。
パワーコンディショナーから発生する異音
太陽光発電システムは、太陽光パネルと接続箱、そしてパワーコンディショナーで成り立っています。太陽光発電を安心して使う為にも、定期的な通常点検は必須。
パワーコンディショナーはその稼働において、高音でキーンといったモスキート音や、スイッチの切り替え音を発生させています。これらの音は、故障とは関係ありません。
ただ、上記以外の音やブーンといったモーター音の場合では不具合が発生している可能性が大ですので、すぐにメーカーに連絡を入れてみて下さい。
また、屋外に設置するパワーコンディショナーであれば排熱ファンがついていることもあり、ファンが回ることにより音が発生します。これも異常ではありません。
負荷がかかりやすいパワーコンディショナーのファン
太陽光発電システムの中でも一番トラブルを起こしやすいパワーコンディショナーでは、ファンの故障がよくみられます。
一般的にパワコンは屋外に設置される事が多いので、雨風に耐えられように防水対策を施しています。が、構造的に気密性が高く、内部が高温になりやすいといった特徴から負荷が大きく、そのために使用できる期間を短くしてしまっています。
さらに、高周波電磁ノイズによる回転中の軸受の内部を電流が通る事により起こる電食も、ファンにとっては大きな負荷になっています。正常な動作を阻害して異音を発生させてしまっているのです。
専用機器を使った精密な検査がおすすめ
太陽光発電システムの故障で一番多いのがパワーコンディショナーですが、次いで太陽光パネルの故障となります。配線不良や出力抑制などから不具合が起こることもありますが、そこまで多いものとはなっていないのです。
太陽光パネルでは、蓄積された汚れやゴミ、錆、ホットスポット、機械の初期不良、そして人的要因から起こる可能性が高い施工ミスなど…こうした事から出力が低下し、発電量が下がってしまうのですが、定期検査で故障に繋がる要因がないかを調べ、必要があれば適切な処置を施していきます。
ただ、発電不良は少しずつ時間をかけて悪くなりますので、通常点検において発見されにくくなっていることからも専用の測定機器を用いたより精密な検査をするとより安心です。
太陽光発電システムで発生した障害を見つけるには
太陽光パネルは何枚かを並べて繋げて配置しますが、その中のどれかに1枚に障害が起こってしまうと、発電量に影響を与えるのはもちろん他のパネルにも大きく影響を与えていくこととなります。
どのパネルで障害が発生しているのかを調べるには従来の点検方法では難しく、専用の測定機器を使って調べる必要があります。
なぜ専用機器を使わないと発見が難しいのかというと、直列に並べたパネルの中にセル不良があった場合に直流抵抗値が上昇して電流の流れが低下しますが、解放電圧は正常時と同じように発生してしまうからです。
この事からも、通常点検でおこなわれる解放電圧測定においてセル不良を発見するのは難しい状態となっているのです。
パワーコンディショナーが抱える問題と課題
パワーコンディショナーは故障を起こしやすく、数十年と使える太陽光パネルなどとは違って2~3年といった短い期間で壊れてしまう事も稀にあります。
メンテナンスはもちろん、交換などの費用が発生しやすい部分と言えるでしょう。
特に、なんらかの不具合を伝える異音が聞こえたら、すぐにメーカーに連絡し適切な対応を取ってもらうようにしなければいけません。
今後は、長寿命でよりメンテナンスフリーに近いパワコンの開発が求められるものといえます。
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