太陽光発電を設置した場合、住宅用太陽光発電(対象外あり)には固定資産税が掛かりません。しかし、産業用太陽光発電には固定資産税が掛かってきます。

屋根と一体型の場合は、家屋としての固定資産税になり、それ以外のもの(パワーコンディショナ、接続箱等)は、固定資産税(償却資産)に該当するので、申告の必要が出てきます。

ここでは、太陽光発電での固定資産税を分かりやすく紹介したいと思います。

固定資産税の公式

固定資産税=評価額×税率(1.4%)で求めます。

例えば、5000万円の産業用太陽光発電を設置したとします。
1年間にかかる固定資産税は、

5000万円×1.4%=約70万円です。

また、太陽光発電設備の国の定める耐用年数は17年です。17年間固定資産税が上がる事はなく、徐々に減少していくものですが、17年間は税金を払い続けなければいけません。

ここで、産業用太陽光発電には特例の措置が取られています。

産業用太陽光発電の固定資産税での特例措置とは?

産業用太陽光発電を設置した際、特例措置として設置した年から3年間は固定資産税が3分の2に軽減されるものがあります。また、1年目の減価償却率が半分になります。

※減価償却とは、建物・車両の資産(減価償却資産)についてその使用可能期間(耐用年数)に渡り、その資産の価値減少相当額(減価償却費)を費用計上する方法の事を指します。

実際にかかる固定資産税をシミュレーションしてみましょう!

実際に、5000万円の産業用太陽光発電を導入したケースで見てみましょう。
太陽光発電の耐用年数は17年で、減価率は0.127で計算します。

※1年目の評価額と固定資産税
評価額50,000,000円×(1-0.064)=46,800,000円
税金46,800,000円×2/3×1.4%=436,800円

※2年目の評価額と固定資産税
評価額46,800,000円×(1-0.127)=40,856,400円
税金40,856,400円×2/3×1.4%=381,326円

※3年目の評価額と固定資産税
評価額40,856,400円×(1-0.127)=35,667,637円
税金35,667,637円×2/3×1.4%=332,898円

※4年目の評価額と固定資産税
評価額35,667,637円×(1-0.127)=31,137,847円 
税金31,137,847円×1.4%=435,930円
←4年目は特例措置がなくなるので、3年目の固定資産税よりも高くなります。

この様に産業用太陽光発電の場合、売電収入だけではなく、固定資産税なども一緒に検討する必要があります。

住宅用太陽光発電の場合の固定資産税とは?

住宅用太陽光発電の場合、10kw以上のものが固定資産税の対象になります。

太陽光発電パネルが「屋根設置型」ならば、新築でも既存の住宅でも固定資産税は発生しません。しかし「屋根一体型」の場合は固定資産税が発生します。

また、会社員等の一般家庭であれば、売電の収入は雑所得とされます。20万円未満/年間の場合、所得の申告の必要がないので、固定資産税も発生しませんが、20万円以上を超える収入になる場合は申告の必要が出てきます。

また、産業用太陽光発電で小規模のものでも10kw以上のものは全量買取となり、事業目的として売電収入が得られるものとなるので固定資産税がかかります。

非課税の条件とは?

「固定資産税が掛からないようにしたい」と思う方もいらっしゃると思います。
どのような条件なら固定資産税などの課税対象外になるのでしょうか。

  • 10kw未満の設置容量であること。
  • 年間の売電収入が他の雑所得と一緒になっても20万円未満であること。
    が挙げられます。

以上2つの点が合うと言うことは余剰電力を売電するのみの方(住宅用太陽光発電)の可能性が大きく、多くの住宅用太陽光発電に固定資産税がかからないのはこの為です。

大型の太陽光発電を屋根に設置された方、またはこれから設置予定の方は、固定資産税の点も含めて、ベストな容量のソーラーシステムを設置しましょう。

メリットやデメリットを話してくれる詳しい施工販売店を是非タイナビで見つけて下さい。