太陽光発電というと、業者に施行してもらうのが一般的。ですが、なかにはオフグリッド(独立型発電)の太陽光発電を自作で作っている人もいます。一体、どのような方法で自作しているのでしょうか。

DIYから始める太陽光発電

太陽光発電システムには系統連系型システムとオフグリッド(独立型)システムとあり、自作するなら後者となります。系統連系型システムは住宅の屋根一面に設置する一般的なタイプで、電力会社と売買電します。オフグリッド(独立型)システムは、系統連系型システムのように電力会社の送電網とはつながってはおらず独立した形となっているので、DIYで作るのであればこちらが向いているのです。
 
実際に、オフグリッドシステムで独立した電気は多数街中でも見かけられ、道路標識やソーラー街灯といった身近なものがそれに当たります。近年の自然災害への不安から、ライフラインが絶たれてしまった際の非常電源として、また環境破壊の進行を予防するためにと、DIYによる太陽光発電システムの構築・利用が増えています。

DIYで太陽光発電を作るメリット

DIYで作る太陽光発電は、さまざまな目的に合わせた形で作れるのが魅力。点灯時間の長い外灯や防犯灯などの照明、パソコンやテレビなどの家電製品、農作物の獣害防止の電気柵、キャンピングカー、船舶ボートのバッテリー補給のために等、利用シーンや予算に合わせたシステム構築が可能。もちろん、太陽光パネル1枚だけでもOK。
 
最初は小さく、次第に大きく増やしていく事もできるのです。
 
また、電力会社の送電線とはつながっていない独立した蓄電システムですので、災害など非常事態における停電でも、電力を確保することが可能となります。反対に、独立しているので電力会社に売電することはできません。

発電から実際に電気が使われるまで

太陽光パネルで発電した電気は、充電コントローラーを通りバッテリーに蓄電。それを交換変換し、目的に合わせて使用します。例えば、一般家電の100V機器で使う場合は、DC/ACインバーターを通って交流交換した後に機器を接続して。直流機器の照明やテレビ、扇風機などは、バッテリーからそのまま取りだして使われています。

基本的システムに必要なアイテム

太陽光発電を構築する道具としては、ソーラーパネルやバッテリー、DC/ACインバーター、チャージコントローラー、ケーブル、電圧計、電工ベンチなどの工具は必須です。
 
太陽光パネル
太陽光から直流電力を発生させます。発電量は設置した方角や角度で異なり、直角に当たっている時が一番発電量が多くなります。南向き、角度30度が安定した発電ができるといわれています。
 
充電コントローラ
発電した電気をバッテリーへ充電させるためのコントローラー。過充電や過放電、太陽光パネルに逆流するのを予防します。充電時のロスを減らすMPPT方式コントローラというのもあり、種類も豊富にそろっています。
 
バッテリー(蓄電池)
直流電力を蓄電。バッテリーの種類はさまざまで、充電電圧が合わずに満充電しないものも。システムや充電コントローラーとの組み合わせを考えて選びます。

直流電流のメリット・デメリット

LED照明やデジタル家電などを太陽光発電で動かすには、直流電力でそのまま利用します。この場合、交流100Vへ変換しなくてすむので、DC/ACインバーターは不要。機器による電力消費や変換ロスが30%ほど減り、電力ロスの解消にもなるものの、直流電力でのシステム構築では、使用できる機器が意外と少ない事がデメリットとなります。

DIYによる太陽光発電の接続方法

太陽光発電で使う機器、それぞれのプラスとマイナスを正しく接続します。また、接続が完了するまで、ソーラーパネルは太陽ではなく壁側に向けて発電しないようにしておきます。
 
1 チャージコントローラーとバッテリーを接続
ケーブルをチャージコントローラーに接続し、バッテリーに丸型端子の方を接続。この際、後でインバーターにKIVケーブルを接続する為、ネジはまだ締めないままにしておきます。正常に接続されると、チャージコントローラーの「BAT」が緑色に点灯します。
 
2 バッテリーとインバーターを接続
インバーターの後ろにある端子とKIVケーブルの丸型端子側を接続し、チャージコントローラーに接続したKIVケーブルの上に、インバーターからのKIVケーブルを接続してネジを締めます。
 
3 ソーラーパネル延長ケーブルを接続
ソーラーパネルの後ろからでているケーブルと延長ケーブルを、カチッと音がするまでしっかりと接続します。
 
4 ソーラーパネルとチャージコントローラーの接続
接続後、パネルを太陽に向けて、チャージコントローラーの「SUN」が点灯したらOK。
 
5 チャージコントローラーと電圧計を接続
正常な電圧値を保っているのか確認します。

NPO法人太陽光発電所ネットワークから教わるDIY

NPO法人太陽光発電所ネットワーク(PV-NET)とは、太陽光発電を屋根に設置している人達が集まって2003年に発足したユーザーの会。太陽光発電の情報交換をおこなっており、会員数は全国に3千人近くいます。各県で地域交流会が開かれており、中でも出前発電所プロジェクトは目玉となっています。

出前発電所プロジェクトとは?

出前発電所プロジェクトは、ハンズオン形式のセミナー。キャスター付きで持ち運びができるミニ発電所をDIYします。参加費用は3万円ですが、セミナー受講料やテキスト代、必要な部材が一式入っているので、セミナー会場で作って持ち帰る事が可能。太陽光発電の基礎はもちろん、これから作るシステムの概要の説明があるので安心です。

市販されている小型のソーラー充電器

太陽光発電のDIYはそう難しくないとはいえ、多少の知識と組み立て作業が必要となります。DIYが好きな人、普段から手作りする事が多い人にとっては苦痛ではありませんが、そうじゃない人にとっては必要以上に難しく捉えてしまいがち。DIYすることに不安がある人は、まずは完成品を購入して体験してみるのがいいかもしれません。
 
持ち運びができる、モバイル充電器などのUSBから充電できるタイプなど、気軽に取り入れられるミニ太陽光発電が売られています。

Suntactics社から販売されているソーラー充電器「sCharger」

「sCharger」は、設置しないで持ち歩く小型のソーラー充電器。主にアウトドアに特化したソーラーパネルなので、キャンプや登山、バイクのツーリングなどで大活躍。USBポートに充電用ケーブルを差し込むだけで、ソーラー発電体験ができます。充電できる製品はそう多くはありませんが、太陽光発電について慣れ親しむことができるので、DIYへの抵抗も少なくなるのではないでしょうか。
 
太陽光発電をDIYするなんて、電位的な知識がないと難しいイメージがありますが、必要な装置があれば1時間もかからずに構築することが可能です。今後は電力会社から電気を購入する家庭がどんどん減少していくことが予想されます。次世代のライフスタイルとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。