2020年度のFIT発表! 固定価格買取制度の最新情報をこちらの記事で解説しています。

2020年度 太陽光発電FIT価格まとめ[住宅用/低圧/高圧/特別高圧]

家庭の屋根に設置した太陽光発電は、電力会社に電気を売ること(売電)ができます。売電する時の価格は、太陽光発電などの発電機器の使い方や、住宅があるエリアによって異なります。

ここでは、2018年度(2018年4月〜2019年3月)に設置する住宅用(発電容量10kW未満で発電した電気を自家消費できる)太陽光発電の、売電価格と期間についてチェックしていきます。

住宅用の太陽光発電でややこしい「ダブル発電」や「出力制御機器設置義務」なども少しおさらいしながら、売電価格を見ていきましょう。

2018年度 住宅用太陽光発電(10kW未満)の売電価格一覧

まずは、2018年度に新設した住宅用の太陽光発電に固定価格買取制度を適用した場合の、売電価格をチェックします。住宅用の太陽光発電とは、家庭の屋根やカーポートなどに載せる、発電容量が10kW未満で発電した電気を自家消費する太陽光発電を指します。

10kW未満(住宅用)太陽光発電
出力制御対応機器設置義務なしのエリア※:1kWhあたり26円(税抜)
出力制御機器設置義務ありのエリア※2:1kWhあたり28円(税抜)
※ 東京電力・中部電力・関西電力の電力供給区域
※2 北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の電力供給区域

10kW未満(住宅用)太陽光発電【ダブル発電あり】
出力制御対応機器設置義務なしのエリア※:1kWhあたり25円(税抜)
出力制御機器設置義務ありのエリア※2:1kWhあたり27円(税抜)
※ 東京電力・中部電力・関西電力の電力供給区域
※2 北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の電力供給区域

上記の売電価格で電気を売れる期間は、いずれの場合も10年間です。

固定価格買取制度をおさらい

太陽光発電は、固定価格買取制度(FIT制度)を使うことで、発電した電気を電力会社に買い取ってもらえます。固定価格買取制度において、電気の買取価格と買取期間を固定されます。

つまり、固定価格買取制度の手続きを済ませれば、その後の買取価格と期間は国が約束してくれるのです。

固定価格買取制度の申請は、太陽光発電を設置する前に行ないます。申請が通った年度によって売電価格が変わるので、年度ごとの申請期限などに注意してください。なお、申請が通った後、1年以内に太陽光発電の運転を開始できなければ認定は失効されます。

固定価格買取制度の認定を受けた太陽光発電は、毎月電力会社が電気を買い取って代金が振り込まれます。住宅用の太陽光発電の場合、発電した電力をまずは自家消費用に利用し、使い切れずに余った電力(余剰電力)を電力会社が買い取ります。

これを、余剰売電と言います。家に太陽光発電を設置するときに大事なことは、2つです。固定価格買取制度で売電の収入を得ることと、自家発電で電力会社から買う電気の量を減らすことで、電気代を節約することなのです。

ダブル発電(エコキュートなどの機器で押し上げ運転をする場合)で売電価格が変わる

ダブル発電とは、太陽光発電とそれ以外の自家発電設備を併用することです。基本的に、売電価格はダブル発電の方が、太陽光発電のみを使用するときよりも安くなります。

使い方次第でダブル発電に該当する可能性がある機器は、以下の通りです。

  • 蓄電池(電気自動車など含む)
  • 家庭用燃料電池(エネファームなど)
  • 家庭用ガスコージェネレーション(エコウィルなど)

ダブル発電のメリットは、太陽光発電の余剰電力を増やして、売電できる電力量を増やせることです。その反面、売電価格が安くなりますので、ダブル発電を利用したほうが経済的に良いとは一概に言えません。

ダブル発電と認定されるのを避けるには、これらの発電機器のなかで「ダブル発電(押し上げ効果)」を防ぐ機能が付いている機種を選びましょう。

出力制御対応機器の設置義務の有無で売電価格が変わる

太陽光発電を設置する家の所在地によって、出力制御対応機器の設置義務があるケースがあります。出力制御対応機器を設置すると初期費用がすこし高くなるため、設置義務を負う太陽光発電の売電価格はすこし高く設定されます。

売電価格の差は、1kWhあたり2円になります。

出力制御対応機器の設置義務あり
北海道電力・東北電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力が電力を供給するエリア

出力制御対応機器の設置義務なし
東京電力・中部電力・関西電力が電力を供給するエリア

固定価格買取制度を使う太陽光発電は、電力会社が所有する電力系統に接続しなければなりません。電力系統とは、発電設備、送電設備、変電設備、配電設備、需要家設備といった設備全体のことです。

電力系統に流れる電力は、消費量と発電量のどちらが多すぎても不安定な状態になります。電力系統が不安定になれば、大規模な停電が起こる危険性もあります。

そのため、個人が所有する太陽光発電の電力も、発電量をコントロールしなければならなくなる可能性があるのです。ただし、これは将来的な話です。2018年時点の住宅用太陽光発電において、出力制御の予定はありません。

これから太陽光発電をつけるときの売電価格が知りたい!

売電価格を決める要素は、以下の3つです。

  • 固定価格買取制度を申請するタイミング
  • 太陽光発電以外の発電システムの利用状況
  • 出力制御対応機器の設置義務の有無(住宅があるエリア)

これから家に太陽光発電を付けるのに、売電価格がわからなくて検討するのが難しいと思われているかもしれません。そこで、活用していただきたいのは無料見積もりです。もちろん、すぐに契約を決める必要はありません。

適用される売電価格をきちんと診断しながら、将来にわたる収支シミュレーションについて相談してみてください。