電気代と燃料費を節約するのに、電気自動車(PV・PHV)と太陽光発電の組み合わせは本当に効果的でしょうか? ここでは、電気自動車と太陽光発電を検討する人が知っておくべきことを解説します。
電気自動車(EV・PHV)
電気で動く自動車は、大きく2つの種類があります。どちらもメリット・デメリットがありますので、節電・節約を目指す上できちんと理解し選択することが大切です。
また、自動運転などの最新技術も含めて、自動車業界は世界的にも今後の発展が期待されている分野でもありますので、今後の技術の進歩も踏まえて考えていく必要があります。
ハイブリッド車(PHV)
電気とガソリンを併用して、走行状況により使い分けるのがハイブリッド車の特徴です。ガソリン車の燃費の良さと、電気自動車の環境への優しさという良いとこ取りができます。
国産車ではトヨタのプリウスをはじめ、ホンダ・日産・三菱など各社から登場しています。
ただし、こちらは走行時のバッテリーによる電力を使ったものであり、ガソリンも使いながら走行するものであるため、電力を節電するというよりはガソリン代も含めた節約という効果が期待できます。
電気自動車(EV)
プラグコンセントを自動車につないで充電し、その蓄えた電力で走行するのが電気自動車です。電気自動車専用の充電設備が必要(電気工事あり)になりますが、家庭用電力を使用します。自宅の電気を使うことで電気量は増加しますが、ガソリン代がかからないため、節約効果につながってきます。
課題としては、充電できるステーションの設置場所がガソリンに比べて少ないこと、一回の充電で走行できる距離が短いことです。現時点では、自宅に充電設備を備えた上で近距離の通勤・通学等が多い人に向いています。
長距離を走る機会が多い人は、プラグインハイブリッド車が適しているでしょう。
「太陽光発電」で自家発電すると燃料費が得になる
電気自動車は、燃料となる電気を自宅で作れるのが最大の特徴と言えるでしょう。「自家発電」について、一番普及しているのはやはり「太陽光発電」です。
太陽光発電で電気自動車の燃料(電気)を作ると、燃料費の節約ができます。
電気自動車で太陽光発電の電気を充電して使うとき、車種により差はありますが、1kWhの電気で4km〜10km走行できるとされています。2018年度に設置する住宅用(10kW未満)太陽光発電は、1kWhあたり25円〜28円で電気を売ることができます。
売電の仕組みをおさらいしながら、2018年の売電価格をもっと詳しく知る
ガソリン車の場合、10km走るのに用いるガソリン1リットルの価格は、2018年時点で140円前後となります。(レギュラー・全国平均)つまり、燃料費だけで比べれば、太陽光発電の電気のほうがずっと安いと言えるでしょう。
太陽光発電の売電価格が安くなると燃料費の節約効果が上がる
自宅で発電した電気を売って(売電)、収入を得られることが太陽光発電のメリットとされています。この売電価格は年々下がっており、太陽光発電を始めるには手遅れと言われる一因となっています。
これは、太陽光発電で発電した電気を自家消費せず、売電収入を多く得ることを目的としたケースの話で、電気自動車の燃料費削減が目的であれば、むしろ追い風となる話です。
また、売電価格が下がると、太陽光発電システムの設置費用を回収しづらいという話があります。
固定買取価格制度(FIT制度)で定められる売電価格は、太陽光発電の設置費用と撤去費用、少しの利潤が得られるように計算されています。そのため、太陽光発電の価格低下と連動して、売電価格が低下しているのです。
太陽光発電の売電価格が下がっても、基本的に元は取れる仕組みになっています。さらに電気自動車を使う場合、燃料費の節約額が上乗せされるので、実質的に投資費用と同額以上のメリットが享受できる可能性が極めて高いのです。
今後も、年を経るごとに売電価格は下落していきます。ガソリン代より売電価格が安くなるほど、売るよりも電気自動車に充電して使う方が金銭的なメリットが大きくなります。
電気自動車と太陽光発電の経済効果を検討するときは、ガソリン代がどのくらい浮くのか、自家発電で電気料金がどのくらい浮くのかまで含めて計算しましょう。
メリットが多い太陽光発電ですが、デメリットがあるということも忘れてはいけません。
初期投資費用は格段に安くなったが実際の価格は?
現在の太陽光発電の設置費用は、1kWあたり30万円前後が目安です。かつて、1kWあたりの価格が100万円を超えていた太陽光発電ですが、ソーラーパネルの性能が向上や、価格競争による値段の低下が目立ちます。
特に2017年からは、ソーラーパネルの価格競争は一段落したと見え、発電した電気を使えるように調整するパワーコンディショナーの価格や、工事費用での競争力が高まってきています。
そのため、太陽光発電は非常に設置しやすい環境になったと言えます。
補助金制度は自治体により異なる
太陽光発電の設置に使える補助金は、自治体によってはまだ実施しているところもあります。国が実施している太陽光発電の補助金はありません。
各地域によって、その実施内容や補助金額、申請期限などが定められています。予算枠は限られており、早いもの勝ちですので、できれば年度末に駆け込むのは避けたほうが良いでしょう。
太陽光発電の費用対効果を高めるには相見積もりが不可欠
ただし、自宅の屋根に太陽光発電を設置するなら、初期投資費用と設備の維持・修繕費用、日々の電気代・発電した電気を売る「売電」による収入を考えて計算することが大事です。
家の屋根の大きさや角度は太陽光発電の発電量に直結します。屋根の形態(傾斜がある、三角屋根、平面など)は設置にかかる費用に影響します。太陽光発電を設置する住宅の日照時間や、晴れが多い地域なのかといった要素も、太陽光発電の収支に大きく影響してきます。
家ごとに異なる設置費用と、エリアによって異なる想定発電量をシミュレーションして、費用対効果を検討して下さい。発電量のシミュレーションは、施工会社に見積りを取る時に計算してもらえます。
施工会社により、工事の方法や採用する発電機器が異なるため、見積額やシミュレーション結果に差がでます。できるかぎり、複数の施工会社に見積りを依頼して、最も費用対効果が高まる方法を探しましょう。
太陽光発電の設置を依頼する業者は厳選するべき
多くの業者が太陽光設置に参画してきていますが、しつこい営業や設置工事の知識・経験不足による工事不良が問題となっています。
新築以外の住宅は、屋根にパネルを設置するために穴を開けることがあります。工事に不備があれば、雨漏りなどの一因になってしまうのです。
そのため、業者選定は慎重に行わないと、節電・節約をするつもりが余計な出費がかかる危険性があります。
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