太陽光発電「2019年問題」とは・どうするFITの10年後

2023年度のFIT発表!

固定価格買取制度の最新情報を ▼ こちらの記事で解説しています。

https://www.tainavi-next.com/library/490/

太陽光発電を既に設置している人もこれから太陽光発電を設置しようと検討している人にとっても、太陽光発電を導入目的は固定価格買取制度(FIT)を活用した売電収入と太陽光発電の電気を自家消費することでの電気料金の削減メリットの2つかと思います。

ただ、2022年は全世界の脱炭素化の流れによる電気料金不足・火力発電のもととなるLNG不足・ウクライナなどの社会情勢などにより、大きく電気料金が高騰していいます。

太陽光発電は安い買い物ではないですが、10年の固定価格買取制度(FIT)により電気が売り続ける事が国より保証される仕組みになっており、そのFIT価格も太陽光発電を設置した年によって価格が異なります。

10年前に太陽光発電を設置した人は、2023年に設置した人よりも売電単価は高いですが、導入費用は高かったはずです。

太陽光発電

固定買取価格はその時の太陽光発電設置費用などを加味して価格が決められるので、FIT価格に関わらず同じような投資回収期間が見込まれる優れた制度ではありますが・・

気になるのは、10年後の売電期間終了後(卒FIT)のことですよね。10年後の売電価格は?そもそも買取期間が終了後にどの電力会社に売電できるのか?蓄電池はどうなの? 将来の選択肢についても知っておきたいのは当然のことです。

今回は、住宅用太陽光発電の今後が気になる方に向けて、3つのテーマで解説いたします。

  • FIT(買取期間10年)が終わったらどうなる?
  • 10年後の余剰電力は何円で売れる?
  • 電気の売値がつかなかったらどうすればいい?

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太陽光発電の卒FITとは

2019年問題(卒FIT問題)とは、固定価格買取制度(FIT)の10年間を終えた太陽光発電システムで、売電が継続できるのか危惧されていた問題のことです。

住宅用太陽光発電で売電ができるようになった最初の年は2009年です。この時に太陽光発電を始めた世帯では、2019年11月より、固定価格買取制度で定められた10年間を終える方が約55万世帯出てきました。

FIT期間を終えた後でも売電できるのか、同年の春頃までは不透明な状態でした。太陽光発電を始めて10年経ったユーザーにとって、先行きが不安な状態が、2019年問題だったのです。

太陽光発電の卒FIT

最終的にはFITを終えても余剰売電できる電力会社が多数でてきたことで、2019年問題は大きなトラブルを起こさずに終息しています。

ただ、多くの電力会社が出している買取単価は6円~8円程度であまり魅力的な買取価格ではなく、再エネ賦課金の上昇などによる電気料金の値上げや自然災害による停電の増加により国や自治体が自家消費を推奨しており、蓄電池に対する補助金がでています。

総合的に売電よりも自家消費の方が得だと判断した方は蓄電池を追加して夜間の安い電気の活用や太陽光の電気を貯めるなど、新たな電気の活用方法も定着しつつあります。

特に電気料金が高騰していくスピードが加速中の今!買取期間終了後に7円~8円で売電するのはいいが、その4倍もの電気料金を購入している事実を加味すると蓄電池に貯めて自家消費する流れが加速しています。

「住宅用太陽光発電でFITが使えなくなる」は誤り

住宅用太陽光発電固定価格買取制度

これから住宅用の太陽光発電を導入する人は、10年間の固定価格買取制度を利用できます。大きめに10kW以上乗せる人でも、自家消費型の要項を満たせばFIT価格で売電できます。

住宅用太陽光発電は、固定価格買取制度(※)により売電価格は10年間保証されています。固定価格買取制度は2009年11月に開始されました。

※ 2009年には余剰電力買取制度という名称で、2012年に固定価格買取制度に統合。

固定価格買取制度の保証期間が過ぎた家庭のみ、売電価格がFIT価格よりも下がります。

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買取期間終了後の売電価格は?

太陽光発電の売電価格

卒FIT(FIT後の発電システム)の売電価格は買取企業により異なりますが、7円〜8円が一般的です。

もっと高額な買取単価を提示している企業もたくさんありますが契約条件が厳しく、高くても10円を少し超えるくらいの金額です。

こんなに安い売電価格?FITが終わった「卒FIT」向けの余剰電力買取サービス プランごとに解説

FITの10年間は48円以上で売電できたことを考えると、随分安くなってしまう感じがしますよね。

こうまで極端な値下がりをする理由は、FITの売電価格を決めるときの原則にあります。

【売電価格を決める時の原則】

太陽光発電
  • 太陽光発電の設置費用や撤去費用が回収できること
  • 太陽光発電を設置した人に多少の利潤があること
  • 国民全体の負担(再エネ賦課金)を最低限に抑えること

つまり、固定価格買取制度を使った場合、10年間の発電を終えた太陽光発電は、売電収入で設置費用を回収し終わっていると想定されています。

売電価格が安くなった上に大きな金銭的負担が残されるということは、悪質業者に不当な請求をされていない限りはありえません。

それでは、固定価格での買取期間終了した太陽光発電オーナーが取れる、今後の選択肢について解説していきます。

今後の選択肢① 現在の電力会社で売電を続ける

太陽光発電売電お得

今の売電先である電力会社で売電を続けられます。FIT期間中は選択肢がなかった新電力(近年新しく電力事業に参入してきた事業者)にも、卒FIT売電は豊富な選択肢があります。

卒FITの買取サービスと売電価格は各社のHPに記載があります。新電力のほうが、大手電力よりも売電価格が高い傾向にあります。

乗り換えを制限するケースは極めて少ないので、数年に一度は契約を見直して1番お得なプランに乗り換えるのが良いでしょう。

https://www.tainavi.com/library/4027/

今後の選択肢② 新電力に売電する

新電力に売電する

新電力は、電力自由化で参入した新しい電力小売事業の会社のことです。FITで売電する相手は大手電力でしたが、卒FITになると新電力にも売電先が豊富にあります。

たとえば、ガソリンスタンドでおなじみのENEOSも電力の売買を行う新電力です。一般家庭の卒FITから電力を買い取るサービスを提供しており、沖縄・離島を除くすべてのエリアで卒FITの余剰電力を買い取っています。

https://www.tainavi-battery.com/library/488/

積水ハウスやヘーベルハウスなどのハウスメーカーも卒FITの電力買取に乗り出しています。
契約条件が厳しい分、買取金額は他社よりも高額な傾向にあります。

https://www.tainavi-battery.com/library/607/

卒FITの運用でおすすめなのは、できるだけ高額な卒FIT買取プランを契約しつつ、できる限りの自家消費、そして蓄電池を活用することです。

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今後の選択肢③ 売電せずに電気を自家消費する

太陽光発電自家消費

固定価格での買取期間が終わったあとの、余剰電力の買取価格は、7円〜10円くらいです。これは、電力会社から買う電気の価格よりも、格段に安いのではないでしょうか。

その場合、太陽光発電の電気は売るよりも自家消費する方が得になるのです。

太陽光発電はFITで売電している間は、昼間に電気を極力使わず、太陽光発電の電気を自家消費しないほうが得でした。今後は、昼間に太陽光発電の電気を使いきり、夜の電気はなるべく使わないようにするというライフスタイルが推奨されます。

蓄電池を活用

蓄電池を活用すれば、昼間に発電した電気を夜に使えるようになるので、時間に関係なく発電した電気を自家消費できるようになります。

また、蓄電池導入は国だけでなく地方自治体からの補助金を受けられるので、今なら大幅にコストを抑えて導入可能です。価格も約70万~となります。

蓄電池も国内・海外メーカーから多くの蓄電池が販売されています。タイナビシリーズを運用するグッドフェローズでは、家庭用蓄電池の一括見積りサイト「タイナビ蓄電池」を運用しています。

蓄電池に少しでもご興味を持たれた方は、タイナビ蓄電池で無料一括見積りをおこったうえで、より安く納得のいく蓄電池のご購入をしてはいかがでしょうか?

タイナビ蓄電池トップページ

今後の選択肢④ これから始まる卒FITの新しい活用法

太陽光発電メリット

大手電力会社の一部は、余剰電力の選択肢拡大に向けて動き出しています。

東京電力をはじめ、いくつもの電力会社が乗り出しているのは、ユーザー同士で直接売買できる仕組みの構築です。ユーザー同士の直接売買は、ブロックチェーン技術を使う仕組みで、仮想通貨の取引方法とほとんど同じものと言えるでしょう。

これが可能になれば、太陽光発電を持つ家庭にメリットがあります。

  • 蓄電池を持たない家庭でも、余剰電力を収入に変えられる
  • 余剰電力を近隣の誰かに売ることができる
  • 余剰電力を家族など、特定の相手にプレゼントできる
  • 再エネ賦課金(※)の負担が減り、電気料金の増加が抑えられる

※ 再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、固定価格買取制度で電力会社が電力を買い取る資金の一部として、電気を使う全ての消費者が支払っている費用です。

東京電力はこの余剰電力の売買(P2Pプラットフォーム事業)に乗り出すと発表し、関西電力は取引される電力量や料金などを実証研究することを発表しました。

P2P電力取引と呼ばれるこの仕組みが、いつ実現されるのかは分かりません。将来的に、売電先や余剰電力の使い道の選択肢が増えると予想されます。

https://www.tainavi.com/library/4119/

太陽光発電で節約できる金額は?

●太陽光発電を導入した場合のシミュレーション結果

太陽光発電シミュレーション

できるかぎり自治体の補助金を使うことと、なるべく安くて良い施工を行う施工店を見つけることが、太陽光発電で最も重要なことになります。

設置費用とサービスは、施工店同士の競争で高まります。一括見積りで、実際にかかる設置費用や10年後の電気の使い方をぜひご相談してください。タイナビでは、無料で最大5社に一括見積りをおこなえます。

年々増える「再エネ賦課金」も自家消費で大きく節約!

太陽光発電での自家消費

太陽光発電の余剰電力を買い取る資金の一部は、電気を使う国民全員から電気料金の一部(再生可能エネルギー発電促進賦課金)として集めています。

太陽光発電の設置数が増えたにも関わらず、高額な買取価格を維持すると、それを支える国民負担が重くなってしまうことが問題視されています。2023年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、1kWh当たり1.40円です。

これは、標準家庭一ヶ月の電力使用量を500kWhとすると、年額8,400円、月額700円にもなります。

『再エネ賦課金を払い続けるくらいなら、太陽光発電を設置したほうがお得』

実際に太陽光発電を設置するとFIT制度で売電でき、余った電気は自家消費できるので再エネ賦課金の影響を受けにくくなります。

再エネ賦課金は太陽光の普及に伴い、2030年まで上昇すると言われています。

脱炭素の流れでこのまま太陽光発電が増え続けると、この再エネ賦課金は2023年現在の1.40円から2030年には5~8円ぐらいまで増える可能性もあり、電気料金の20%~40%が再エネ賦課金となる可能性もゼロではありません。だったら、太陽光発電や蓄電池を設置し、自家消費する事が賢明な選択と言えるでしょう。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、太陽光発電を行っていても、電力会社から電気を買う限り発生します。太陽光発電の電気を自家消費して、電力会社から買う量を増やすほうが、メリットが大きくなる仕組みになります。

買取価格が保証される10年間は売電し、10年後は自家消費をすれば太陽光発電は経済的な買い物です。あなたの屋根で太陽光発電を始める場合、10年以内に投資費用を回収できるかが判断の分かれ目となるでしょう。

10年後の太陽光発電は自家消費がお得

売電価格よりも買電する電気料金のほうが高いため、FIT終了の10年後には売電よりも自家消費するほうかお得です。

太陽光発電で作った電気を自家消費すれば、常に変化する電気料金や売電価格に一喜一憂する必要がなくなります。

電力会社から購入する場合、再エネ賦課金を含む電気料金を支払いますが、自家消費している分のコストを削減できるでしょう。

高い電気料金をできるだけ使わないためには、太陽光発電が稼働している昼間に集中して家電を使うのも良い節約方法です。

ただし、ライフスタイルによっては家電を使うのがどうしても夜間中心になるご家庭もあります。

また、太陽光発電の電気が余ってしまうこともありますので、蓄電池を併用して太陽光発電の電気を貯めて有効活用するのがおすすめです。

卒FIT後に必要な手続きは?

太陽光発電の固定買取制度が終わる10年後に売電を継続したい場合、電力会社ごとに求められる手続きがあります。

例えば、関西電力ではFITの買取期間が満了する4カ月前にお知らせが届きます。関西電力ではFITを終えた太陽光発電の電気を買い取ってもらえますので、引き続き売電を希望するならとくに必要な手続きはありません。

ですが、今までのFITの売電価格よりも安い単価になりますのでご注意ください。

なるべくお得な卒FIT価格をお望みでしたら、大手電力以外(新電力)の卒FIT買い取りサービスも検討してみてください。こちらも今までのFIT価格と同じような価格ではありませんが、大手電力よりも高く買い取ってくれるケースがたくさんあります。

どこの電力会社が卒FITの電気を買い取ってくれるかは、経済産業省が一覧にしています。

卒FIT買い取り事業者一覧:経済産業省

卒FITは最初のFITと異なり、売電価格を維持する制度がありません。プランの内容は変更される可能性がありますので、1年に1度くらいはホームページなどで確認してください。

10年後の売電価格の目安は?

いま卒FIT売電について検討している方は、これまで家庭用太陽光発電の売電価格は40円〜30円前後だったかと思います。

FITを終えたあとの売電価格は、大手電力で8円前後、新電力でも高くて11円です。

これまでのFITで10年間続いてきた売電価格と比べると、卒FITの売電価格はとても安くなってしまったように感じられることでしょう。

ですが、
売電ではなく自家消費に電気を使うと、太陽光の電気の価値を約4円にも引き上げることができるのです。

売電価格を比較すると…

年度FIT買取価格 (円/kWh)卒FITの目安価格 (円/kWh)
2009年
2010年
48円 ※8〜10円
2011年48円 ※
2012年42円
2013年38円
2014年37円

※2009年から2011年の価格は余剰電力買取制度によるものです。

売電ではなく自家消費をすると…

卒FITの売電価格
8円〜11円

電気の価格
18円〜38円
※ ご契約中の電気料金プランによって金額は異なります。

電気を売るときの値段よりも、電力会社から買う電気のお金のほうがはるかに高額です。

つまり、卒FITを迎えた太陽光発電は、
売電するよりも電気を自宅で使って節約するほうが、口座に残るお金は大きくなります。

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卒FIT後は蓄電池の導入がおすすめ

卒FIT後は蓄電池の導入がおすすめ

卒FIT後の選択肢は、売電するか自家消費をするかの2つに加えてP2P電力取引があります。しかし、売電しようにも買取価格が激減するのは事実です。

だからこそ売電よりもお得になる自家消費がおすすめなのですが、余った電気を使い切れず、結局は売電するケースもあるでしょう。

そこで活きてくるのが蓄電池です。蓄電池の導入によって太陽光発電で得られた電気を無駄なく使用でき、電気の購入量を抑えることもできます。自然災害などで停電が発生した場合でも、蓄電池があれば家電の使用も問題ありません。

蓄電池は高額なのがデメリットとして挙げられていますが、補助金制度もあるので費用負担を軽減できます。

https://www.tainavi.com/library/4387/

消費者に電気を売るP2Pに期待も、時期は未定

卒FIT後P2P

蓄電池を導入しなくてもユーザー同士で余剰電力を売買できるP2P電力取引は魅力的に映るかもしれませんが、実現時期は明確になっていません。

現実的に今できることを考えると、蓄電池の導入が最優先と言えるでしょう。そして、補助金制度はいつまでも使えるとは言えないので、補助金が用意されている間に活用するのがおすすめです。


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自家消費に向けて蓄電池の性能も進化している

蓄電池の性能AI化

蓄電池を提供する各社でも、卒FITを見据えてさまざまな取り組みを見せています。2023年現在の蓄電池は数年前の蓄電池よりも価格も安くなり、AIの技術が搭載されて性能も格段によくなりました。

家庭での電気使用量・電気料金単価・発電量・天候予測などを学習することで、経済的メリットの最大化を自動で行います。

あなたの家庭の環境や利用目的に合わせて蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。国・自治体などの補助金が使えるメーカー・機種からピッタリのものを提案してくれるタイナビ蓄電池の一括見積りをご利用ください。

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