電気自動車を蓄電池に

家庭用蓄電池は、停電時には貯めておいた電気が使えるうえに、安価な夜間電力を蓄電して使うことで電気代が節約できます。

近年では普及が進みつつあり、設置を望む家庭が多いことでしょう。しかし、実際には価格が高く必要な容量などの課題もあり、導入するには発展途上の段階です。

一方で、電気自動車を蓄電池として利用する動きが高まっていることも見逃せません。エコカーとしてのメリットもたくさんあるため、むしろ電気自動車は家庭用蓄電池よりもコストパフォーマンスが高いとさえ言えるでしょう。

この記事では、電気自動車のほうがお得な理由を詳しく解説していきます。

電気自動車と蓄電池の価格・バッテリー容量を比較

はじめに、電気自動車と蓄電池のそれぞれの価格やバッテリー容量を比較してみましょう。EV(電気自動車)とPHV(プラグイン・ハイブリット車)、家庭用蓄電池について表にしました。

種類価格バッテリー容量
日産リーフ(EV)320~470万円台40kWh/62kWh
プリウスPHV360~420万円台8.8kWh
ステラモデルS(EV)1000~1700万円台75~100 kWh
家庭用据え置き型蓄電池80~160万円台5~7kWh

一見するとEVやPHVは高価に見えますが、自動車の機能とバッテリー容量の大きさに注目するべきです。バッテリー容量が大きいということは、多くの電気を貯めておけるということ。長距離走行ができる上に、蓄電池として見ても、家電が長時間使えるのです。

ただし、電気自動車の電気を家で使うには、V2H(Vehicle to Home)という機器を追加しなければなりません。V2Hの購入価格と設置工事が上乗せされることを忘れずにおきましょう。

家庭用蓄電池と自動車、それぞれを購入する場合の価格やバッテリー容量を比較して、選択する際の判断材料にすることをおすすめします。

意外と家庭用蓄電池としても使われている電気自動車

電気自動車は蓄電池として使われている

そもそも、電気自動車を蓄電池として使う家庭が本当に存在するのか、と疑問に思えるかもしれません。充電した電気を走行で使えば、家庭内で使える電気はほとんど残っていないはずですよね。

V2Hの設置家庭を調査した積水化学工業によると、電気自動車に充電した電気は、
走行よりも家庭内で使われる方が70%も多いという結果になったそうです。

さらに、太陽光発電と電気自動車を組み合わせた場合、家庭内の電力需要に対して最大84%も時給自足することができたというのです。

つまり、今の電気自動車は、蓄電池としての役割を十分に果たせることがわかっているのです。

電気自動車ならでは! 節約に直結する2つのメリット

電気自動車は、蓄電池にはない2つのメリットが存在します。

  • エコカー減税
  • 燃料費の節約効果

走行時にCO2を出さない電気自動車はエコカー減税の対象となっており、税金を大幅に減らすことができます。そして、電気自動車で走ればガソリン代を節約できるため、家庭への恩恵が大きいこともメリットなのです。

エコカー減税で10万円以上も得になる

エコカー減税とは、対象となる電気自動車を購入した場合に、自動車取得税と自動車重量税が免税になる制度です。新車購入時と1回目の車検時に適用され、10万円以上という大きな額がお得になります。

たとえば、エコカー減税の対象である日産リーフを新車で購入する場合、14万8200円安く購入することができます。(2019年2月時点)

ただし、自動車取得税は2020年3月末までに登録または届出をした場合です。自動車重量税は2020年4月末までの登録または届出で適用されます。エコカー減税の対象となる期間には注意が必要です。

燃料費と電気代の両方を節約できる

電気自動車は電気を使って駆動するため、ガソリン代がかかりません。ハイブリッド車でも、ガソリンの使用量を抑えることができます。

電気自動車への充電に、電気料金が割安な夜間電力を利用することで節約できます。

たとえば、東京電力の場合は「夜トク8」を利用すると、昼間の電気料金32.14円が夜間には20.78円になります。東京電力管内の1カ月の平均電気使用量248.7kWhで計算すると、月2800円程度という差が出るため、お得に蓄電できることが分かるでしょう。

また、太陽光発電で発電し、家庭で使った余りの電気を充電すれば、さらに節約することができます。電気自動車は、車や電気の使い方といった個々のライフスタイルに合うなら、家庭用蓄電池よりもお得になるといえるでしょう。

電気自動車は燃料代と電気代の両方を節約できる、家計に優しい自動車です。太陽光発電を安く設置すると、家計へのメリットも高まります。太陽光発電は欠かさず見積もりを比較して、設置費用を軽減してください。

家庭用蓄電池と比べた電気自動車のデメリット

電気自動車を蓄電池にするデメリット

一方で、電気自動車は運転中には蓄電池として使えない、専用機器が必要といったデメリットもあります。家庭用蓄電池として使用する場合は、デメリットも把握しておかなければなりません。そのうえで、本当にお得なのか検討する必要があるでしょう。

車を使用している間は蓄電池として使えない

電気自動車は、蓄電池と車の両方の役割を同時に果たすことはできません。そのため、電気自動車を昼間に使うことが多い場合は、太陽光発電で発電した電力を蓄電できる時間が少なくなります。

走行によって電気を消費した場合は、家庭用として使える電気量は減ってしまいますよね。

さらに、電気自動車も車検に出さなければなりません。車が戻るまでの間、蓄電池として利用できなくなることもデメリットです。

電気自動車は、家庭用蓄電池として使えない時間があることは知っておく必要があります。

V2Hの専用機器が必要

電気自動車に蓄電した電気を家庭で使用するためには、EV用パワーコンディショナー(V2H)という機器が必要です。これは、電気自動車から住宅へ給電するための装置なので、家庭用蓄電池として使うなら設置しなければなりません。

V2Hの本体価格はメーカーや販売店によって異なりますが、一般的な価格としては160万円程度です。設置工事費用も業者によって違いはありますが、おおむね5万円程度必要となります。

2019年1月時点では国の補助金制度の対象となっていませんが、自治体の補助金は受けられる可能性があります。居住地の最新情報を調べて、早めに検討することをおすすめします。

また、V2Hに対応していない車種もあります。こうした車種では蓄電池としての利用ができませんので注意しましょう。

EV・PHVは蓄電池にするとやっぱりお得!

電気自動車は、自動車として使うほかに蓄電池としての機能も優れていることが分かりました。いざというときに蓄電池のようにして使えて、長時間の使用にも耐えられるバッテリー容量の大きさが魅力です。

税制優遇や節約効果などの、さまざまなメリットもあるのが、電気自動車のお得な理由でしょう。太陽光発電との組み合わせで充電することも可能なので、太陽光発電と電気自動車があれば電気を時給自足することも夢ではありません。

環境と家計の両方に優しい組み合わせとして、今後も普及が進むと予想されています。

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