FIT後の売電先

家庭用の太陽光発電でFIT(固定価格買取制度)が終わっても、ずっと電気を売電できます!

10年間のFITの次は、大手電力会社・新電力による「卒FIT買取サービス」をご検討ください。

ここでは、大手電力の卒FIT買取価格と、新電力の買取価格について紹介します。
高く買い取ってくれるのはどこの電力会社かご確認ください。

卒FIT後も売電可能! 大手電力会社の対応

卒FIT後も売電可能

卒FIT後も、電力会社(新電力も含む)と契約することで、売電を続けることができます。それでは、具体的にどの電力会社が電気を買い取ってくれるのでしょうか。ここでは、大手電力会社(旧一般電気事業者)の対応を紹介します。

大手電力会社の北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力は、全社が卒FIT後の余剰電力を買い取ることを発表しています。

大手電力会社の卒FIT買取単価(売電単価)と続報の発表予定をまとめました。

北海道電力詳細は6月頃に発表予定。
東北電力卒FIT向けサービス ツナガルでんきを発表。
買取価格は「シンプル買取→9円/kWh」。
エコキュート・蓄電池リース(有料)、でんきお預かりサービス(有料)を発表。
※首都圏も対象
東京電力エナジーパートナー新たなプランで購入。
詳細は6月頃に発表予定。
中部電力卒FIT向けプラン5種を発表。
買取価格は「シンプルプラン→7円/kWh
「プレミアムプラン→8円/kWh
「Amazonギフト券プラン→8.1円/kWh
「WAONプラン→9円/kWh相当
「再エネスマートプラン→7〜12円/kWh
北陸電力卒FIT向けプラン3種を発表。
買取価格は「かんたん固定プラン→8円/kWh
「あんしん年額プラン→契約受給電力に応じる」
「わくわく電気預かりプラン→1〜17円/kWh ※電気料金プランによる」
関西電力卒FIT買取単価→8円/kWh
中国電力卒FIT買取単価→7.15円/kWh
余剰電力活用サービス「ぐっとずっと。グリーンフィット」を提供(9月頃詳細発表予定)
四国電力卒FIT買取単価→7円/kWh
仮想蓄電池サービス「ためトクサービス(有料)」を提供。
九州電力卒FIT買取単価→7円/kWh
IoTサービス「QuUn(キューン)」をお得に開始できる。
沖縄電力卒FIT買取単価→7.5円/kWh

売電を継続するためには新しい買い取りメニューへの契約になります。FIT期間が終わる家庭にハガキなどで通知が来ますので、忘れずにチェックしてください。

卒FIT電力の買取を発表する新電力も続々

>卒FIT後

先ほど紹介した大手電力会社以外にも、卒FIT後の余剰電力の買取を発表する電力会社が次々と登場しています。

新電力は新電力は買取価格が高い傾向にあります。
特に高額な卒FIT買取プランは自社サービスの契約か、蓄電池の購入が条件になるケースが多いようです。

出光興産
idemitsuでんきの太陽光買取
売電価格は9.5円/kWh(北海道/東北/東京電力エリア)
2円/kWh(中部/北陸/関西/中国/四国電力エリア)
7.5円/kWh(九州電力エリア)
電気の契約もidemitsuでんきにすると買取価格が2円/kWhアップ
公式サイト
SMART TECH
スマートFIT
売電価格は通常価格 11.5円→先着制 14.6円/kWh(東京電力エリア)
11.5円/kWh(東北電力エリア)
10.0円/kWh(中部/関西/中国/四国電力エリア)
8.5円/kWh(九州電力エリア)
公式サイト
積水ハウス
積水ハウスオーナーでんき
売電価格は11円/kWh(離島・沖縄除く全エリア)
公式サイト
丸紅ソーラートレーディング売電価格は9.5円〜15円/kWh(離島除く全エリア)
公式サイト
東京ガス売電価格は9.5円〜23円/kWh(離島を除く東京電力エリア)
公式サイト

世界的な脱炭素の流れを受け、企業向けの再エネ由来の電力需要が急増しています。こうした事情もあり、各会社が積極的に買い取り事業を展開している状況です。

この脱炭素というトレンドが続く限り、今後も卒FIT電力を買い取る事業者がなくなることはないと考えられます。

どこにも売電しないことも可能! その場合の余剰電力の行方

電気自動車太陽光発電

ここまで卒FIT後もどこかの電力会社と契約して売電する、という方法を前提に話を進めてきました。しかしながら、卒FIT後にどこの電力会社とも契約しないという選択肢もあります。

自家消費をメインにするなら、こうした選択も良いかもしれませんね。

ただ、その場合、余った電気の行方はどうなるのでしょうか。FIT制度では、電力会社は10年間、契約者が太陽光発電で発電した余剰電力を買い取る義務がありました。

しかし、卒FIT後は電力会社の買取義務はなくなるため、どこの電力会社とも契約していないと、使いきれなかった電力は送配電事業者に無償で引き取られることになってしまいます。

蓄電池を設置

したがって、もし、どこの電力会社とも売電契約を結ぶつもりがないのであれば、余剰電力を作らない工夫をするべきです。蓄電池を設置する、エコキュートを昼間に設定する、電気自動車に充電するなど、作った電気を無駄なく消費できる工夫を考えましょう。

結局、卒FIT後はどうすればいい? 3つの選択肢

3つの選択肢

結局のところ、固定価格買取制度が終わった後、太陽光発電システムをどう活用すればよいのでしょうか。太陽光発電システムのオーナーとして、考えられる選択肢を3つ紹介します。

選択肢1:現在の電力会社に売電する

売電

1つ目の選択肢は、現在売電している電力会社にそのまま売電を続けることです。

経産省は、大手電力会社に対してFIT後も電力の買い取りを続ける他、売電契約の自由度を過度に縛らないこととしています。少なくとも最初の買い取り契約については違約金を設けないことと定められました。

新しい売電先を決めるのが難しいのでしたら、まずは大手電力への売電を続けておき、その先のことをゆっくり考えるのが良いでしょう。
とくに新電力の高額FIT買い取りプランは契約条件、解約条件がついている可能性がありますので、ぜひ急がずにチェックしてください。

選択肢2:新たな電力会社に売電する

新たな電力会社と契約

2つ目の選択肢は、新たな電力会社と契約して売電することです。再生可能エネルギーの需要を見込んで、卒FIT後の余剰電力買取に名乗りを上げている会社が増えてきています。

エリアによって異なりますが、8円~11円/kWhの買取価格が一般的です。

選択肢3:完全自家消費する

太陽光発電の自家消費

3つ目の選択肢は、完全自家消費することです。卒FIT買取価格はおよそ8円~11円/kWhと、電力会社から電気を買うときよりも安くなります。

したがって、これからは売電収入を得るのではなく、蓄電池を導入して、発電した電力を完全自家消費することで電気代を節約する、というのが一番お得な方法です。蓄電池の導入費用はかかるものの、太陽光発電+蓄電池には災害時や停電時にも備えられるというメリットがあります。

この機会に、太陽光発電の使い方を変えてみるのも1つの選択肢といえるでしょう。

https://www.tainavi-battery.com/library/734/
https://www.tainavi-battery.com/library/839/

住宅用太陽光発電の「2019年問題」は卒FIT買い取りで解決!

住宅用太陽光発電の不安「2019年問題」とは

太陽光発電の2019年問題と言われていたのは、「固定価格の買取期間が終わったあと、太陽光発電の売電はどうなるのか」という問題です。

2009年から売電制度が始まった住宅用太陽光発電は、初期の高額な売電価格が注目され、とても多くの世帯に設置されました。

当時は設置費用がとても高額でしたので、売電価格が高くても元が取れるかという不安があったことでしょう。そして、10年を超えても動き続ける太陽光発電ですから、FITが終わってもずっとお得に使いたいのは当然ですよね。

ところが、2009年に太陽光発電を設置した人たちが10年間の売電期間を終える直前まで、FITの後の売電ができるかどうかもわかっていなかったのです。

こうしておよそ50万もの世帯が先行きの不安を抱えることになったのが、太陽光発電の2019年問題です。

しかし、今は卒FIT後の選択肢がたくさん揃っています。これから太陽光発電を導入する方も、特に心配することはありません。

ですが、太陽光発電システムが活躍できるのは売電だけではありません。
完全自家消費による電力の自給自足を目指すという選択肢
もありえます。
もうすぐFITの適用が終わるという方は、太陽光発電システムの使い方を改めて考えてもよいかもしれませんね。

太陽光発電をつけてからのライフスタイルを振り返りながら、売電を続けるか自家消費するかを検討してみてください。