太陽電池

太陽光発電について調べていると、さまざまな用語が出てきます。「太陽電池モジュール」や「ソーラーパネル」のように、同じものを指しているのか、それとも違うものなのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

質の良い機種やサービスを比較したり、選ぼうとすると「変換効率」「ストリング」という数々の用語が登場します。それぞれが何を意味して、どのように違うのか理解しておくと、お買い得な製品を見極めるのに役立ちます。

この記事では、太陽光発電について正しく理解するために重要な用語を中心にご紹介します。本当にお買い得なパネル選びができるように、変換効率の意味や、素材の違いもチェックしておきましょう。

太陽電池の基本知識

太陽光発電システムについて知るために、まずは一番大切なパーツである太陽電池について理解しておきましょう。

太陽電池を構成する単位

太陽電池

太陽光発電の性能を求めるなら、太陽電池のスペックを比較することが重要です。そのときに知っておきたいことは、太陽電池を構成する「セル」や「モジュール」といった単位のこと。

太陽電池は、小さなチップのようなセルをたくさん並べて、大きなパネルを形成しています。太陽電池を比較するのでも、セルとモジュールの発電効率を比べてしまっては、正確な調査はできないということです。

この段落では、太陽光電池で使われる単位について解説します。

セル

太陽電池の基本単位は、「セル」です。

「セル」は、モジュールを分解した時に「もうこれ以上は分解できない」という一番小さな単位で、「太陽電池素子」という呼び方もあります。

セルが太陽光エネルギーを電気エネルギーに変える割合を「変換効率」といい、セル1㎠に対しての変換効率を「セル変換効率」と呼びます。

2019年時点で世界最高のセル変換効率は、NEDOとソーラーフロンティアのプロジェクトがCIS系薄膜タイプで実現した23.35%です。また、6インチサイズの単結晶シリコン(HIT/ヘテロ結合型)においては、シャープが変換効率25.9%を達成しています。

セル単体の出力は0.5W程度と微弱なもので、単体では大きなエネルギーは生み出せません。しかし、セルを集めてモジュール(パネル)化すれば、実用に足る電力を作ることができます。

モジュール

「モジュール」は、セルを必要数並べて、樹脂や強化ガラスで保護し、屋外で使用できるように処理されたもので「パネル」とも呼ばれます。「モジュール」はただの部品ではなく、パッケージ化された製品として完成されたものです。セルの集合体であるモジュールは、1枚で100W程度の電力を出力できる能力があります

ストリング

「ストリング」はモジュールを直列で配線した状態をいい、「1ストリング」のように単位としても使います。複数のモジュールを直列配線することで、モジュール1枚では100W程度だった電力出力をまとめて出力することができます。

太陽電池モジュールとソーラーパネルは同じもの

太陽電池モジュール

太陽光発電で使われる「太陽電池モジュール」や「ソーラーパネル」などは、呼び方は異なるものの、実際にはすべて同じパーツ(太陽電池の集合体で作られた1枚のパネル)を指す言葉です。

「ソーラーパネル」は日本で太陽光発電システムが登場した当初から使われていた呼び方ですが、太陽熱を使用した製品に「ソーラーパネル」という部品があったため、住宅用太陽光発電システムのパネルを「太陽電池モジュール」と呼びはじめたと言われています。

現在の太陽光発電メーカーは「ソーラーパネル」という呼び方はせず、「太陽電池モジュール」と呼ぶことが多いです。

「太陽電池モジュール」は、ほかにも「太陽光パネル」や「太陽電池パネル」「太陽電池板」と呼ばれることもありますが、どれも同じものを指しています。

アレイ

「アレイ」は直列で配線したストリングを並列で複数列配線して設置した状態であり、「1アレイあたりのモジュール数」のように、太陽電池モジュールの単位としても使われます。

太陽光発電システムでは、設備の規模に応じて、「アレイ」を複数設置していきます。太陽光発電システムの中で最大の単位です。

太陽電池の仕組みと発電原理

太陽光発電システムを構成する中心的なパーツは太陽電池です。太陽電池の半導体に太陽光が当たると、日射強度(ある一瞬の光の強さを示したもの)に応じて、太陽光エネルギーを電力に変換します。

太陽電池は、性能を向上させるための材質や製法が日々研究されています。

現在主流の太陽電池はシリコン系で、p型とn型という性質の違った2種類の半導体を重ね合わせた構造になっています。それぞれの半導体は、p型がプラス、n型がマイナスとなっており、接合部分に入った電子が反発によって押し出されることでエネルギーが生まれる仕組みです。

「電池」という名称ではありますが、電気をためることはできません。発電した電気はそのときに使うか、蓄電設備に貯めることで好きなタイミングに活用できます。

変換効率とは?

「変換効率」とは、太陽電池に取り込まれた太陽光のうち、どれくらいの量を電力に変換できたかを表す数値です。「出力電気エネルギー÷入射した太陽光エネルギー×100%」の式で計算できます。

モジュール単位で算出された変換効率を「モジュール変換効率」といいます。「変換効率」を見ることで、太陽電池モジュール1㎡に照射された光エネルギーのうち何%を電気エネルギーに変換できるかが判断可能です。こうした特徴から、「変換効率」は各メーカーのモジュールの比較に使われます。

「セルの変換効率」は、セル1枚あたりの変換効率を表す数値です。パネル(モジュール)1㎡あたりの変換効率を表す「モジュール変換効率」のに対し、セルの変換効率はセル1枚あたりの変換効率を指しています。

セル単位での変換効率のほうが高くなる傾向にありますので、パネルメーカーを比較するときには、両者を混同しないように注意しましょう。

太陽光モジュール 各メーカーの特徴と価格を解説しています。

太陽電池の種類と変換効率

太陽光を受けて電力を作る、半導体の素材や作り方は一種類ではありません。スペックや価格に大きく影響する要素でもありますので、それぞれの特性をチェックしておきましょう。

単結晶タイプ

モジュールのうち、単結晶タイプはもっとも古くからあるタイプのモジュールです。現在市場に出回っているモジュールの9割がこのタイプといわれています。

単結晶タイプのモジュールは、高純度のシリコン結晶をスライスして作られているのが特徴で、シリコンの原子が規則正しく並んでいるため、変換効率が高いというメリットがあります。

製造コストは高めですが、信頼性も高く省スペースでたくさん発電したい場合に向いているモジュールです。

多結晶タイプ

多結晶タイプのモジュールは、単結晶モジュールを製造する段階で出た端材や、標準規格を満たさない単結晶モジュールを原料に作られています。

価格は比較的安価なのですが、単結晶タイプと比べて効率が4~5%落ちる傾向があります。一般住宅用というよりは、規模が大きい産業用太陽光発電で利用されるケースが多いです。広い設置場所を確保し、コストを抑えながら大量のパネルを設置したい場合に向いています。

価格の安さで需要があるためか、発電率向上が進められている種類でもあります。比較的新しい機種なら単結晶に匹敵する変換効率をもつものもあり、モジュール単位で性能を比較しながら選ぶと良いでしょう。

化合物タイプ

化合物タイプは、シリコン以外の素材を使用した太陽電池の総称です。

モジュールの表面温度が高温になった時の変換ロスが少ない、影がかかって発電量が下がるなどの影響を受けにくい、といったメリットがあるため、最近注目を集めつつあります。今後の主流となる可能性もあるタイプの蓄電池です。

薄膜タイプ

薄膜タイプは、電卓や時計などに使われている太陽電池です。薄さと軽さが特徴で、近年急速に開発が進んでいます。

薄膜タイプの太陽光モジュールについては、もし実用化に成功すればシリコンモジュールと比べ100分の1程度の薄さが実現でき、これまで以上に大量生産も可能になるといわれています。量産による価格の低下も期待されていますが、発電効率が悪いのが難点です。

太陽光発電をきちんと理解して、お買い得な製品を選ぼう!

太陽光発電システムについて、1から細かく原理を理解するのは素人には難しいかもしれません。しかし、基本的な仕組みや用語の意味が分かれば、ある程度の全体像が理解できるようになります。

変換効率やモジュールの特徴が分かっていれば、客観的な視点でメーカーごとのモジュールを比較検討することも可能です。価格も含めて、自分に合った太陽光モジュールを選ぶためにも、ぜひ覚えておきましょう。