太陽光発電と屋根

太陽光発電を屋根に設置するときには、事前に塗装などのメンテナンスをしたほうがよいのでしょうか。塗装を依頼すると費用がかかるので、迷う人も多いでしょう。

しかし、太陽光発電を設置したあとに塗装をすれば、余分な費用がかかってしまうのです。また、太陽光発電を設置した面の塗装ができない可能性もあります。

今回は、太陽光発電を設置する前に屋根の塗装をしたほうがよいのか、設置後に塗装すると屋根のメンテナンスへの影響はあるのかを解説します。

太陽光発電をつけると屋根のメンテナンスにどんな影響がある?

太陽光発電

太陽光発電をつけた後に屋根のメンテナンスをすると、費用や塗装作業に影響が出てしまいます。屋根に太陽光発電があることで生じる影響には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。設置前に押さえておき、よりお得になる方法を検討しましょう。

取り外す場合は移設費用が余分にかかる

移設費用

住宅の屋根には定期的な塗装が必要です。太陽光発電システムが設置されている屋根の場合は、一度取り外してから塗装などのメンテナンスをしなくてはなりません。

太陽光発電設備を地上に一旦おろしてから塗装し、終わってから再度設置することになります。その場合は、設備の移設費用として20万円程度が余分にかかることになるでしょう。太陽光発電を設置してからでは、手間もお金も余計にかかることになります。

屋根のメンテナンスが必要であれば、太陽光発電を取り外さなくてもよいように、設置前にしておくことをおすすめします。特に、太陽光発電を設置する面がすでに劣化して傷みがあるなら、雨漏りの心配もあるため事前の塗装やリフォームが必要です。

太陽光発電をつけた状態では全体塗装ができない

専門業者が屋根のメンテナンスをするときに、太陽光発電がついていると設置部分の塗装はできません。太陽光発電を取り外さないのであれば、その部分を除いて塗装することになります。

太陽光発電に隠れた部分の塗装ができないのでやむを得ないでしょうが、仕上がりが気になってしまいますよね。太陽光発電の設置部分は風雨にさらされないため、傷みが少ないので「メンテナンスは不要なのでは?」と考えられがちです。

しかし、実際には、ほこりなどの汚れが溜まりやすく、メンテナンスをしないと苔が生えることもあります。そのため、設置部分については、あらかじめメンテナンスをしておいたほうがいいのです。

太陽光発電の導入時には屋根の状態を確認し、必要なメンテナンスをしておきましょう。

太陽光設置前に屋根のメンテナンスをやっておくべき理由

屋根メンテナンス

太陽光発電を設置するときには、事前に屋根のメンテナンスを済ませておくことが大切とされています。ここでは、その具体的な理由について解説します。屋根の塗装との関係や、雨漏りを防ぐための工法について確認しておきましょう。

太陽光発電の寿命が来る前に屋根の塗装が必要になる

一般的に、太陽光パネルの寿命は20~30年程度といわれています。ただし、製品によってはもっと寿命が長いケースもあり、実際に30年以上稼働している太陽光パネルもあるのです。

一方で、一般的な住宅の屋根の塗装は10~15年程度が寿命ともいわれているので、太陽光パネルよりも寿命は短いことが分かります。塗装方法などメンテナンスの状態によっては、さらに早く劣化することもあるでしょう。

太陽光パネルと屋根の寿命を考えたとき、設置後に少なくとも1回は塗装しなければなりません。メンテナンスの回数を少なくするためには、前もって塗装しておいたほうがいいでしょう。

雨漏りが心配な場合はカバー工法や葺き替えが必要

太陽光発電を設置

太陽光発電を設置する前に、屋根の劣化や雨漏りが心配な場合には、カバー工法や葺き替え工事が必要です。

カバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根材で覆う工法です。ただし、屋根の下地素材まで劣化している場合はカバー工法はできません。一方で、葺き替え工事は下地から屋根材まで全部を交換するため、屋根内部の劣化まで修復することができます。

いずれにしても、太陽光発電を設置した後に施工する場合は、工事のためにパネルを取り外さなければいけません。工事中は発電できなくなってしまうことも、事前の工事をおすすめする理由です。

屋根の状態に合わせたメンテナンスや工事を施してから、太陽光発電を設置しましょう。
施工会社に屋根について相談したとき、親身になってくれる業者を選ぶのがポイントです。

 

事前に塗装をしておくと費用が抑えられる!

屋根塗装

太陽光発電を設置する前に屋根の塗装をすれば、1回目の塗装は太陽光パネルを取り外す必要がありません。事前にメンテナンスをしておけば、2回目の塗装が必要になったときにも設置面以外の塗装だけで済むため費用は安くなるでしょう。

設置後に塗装をする場合には太陽光パネルの設置面も劣化が進んでいるので、パネルを取り外す必要があります。そのため、20万円程度の取り外すための費用が余分にかかってしまいます。

分かりやすいように、太陽光発電の設置前に塗装をする場合と、設置後にする場合について、表で比較してみましょう。

(条件:築10年の住宅、太陽光発電の寿命30年、屋根の塗装の寿命15年)
塗装時期1回目の塗装費用2回目の塗装費用トータルの費用
事前に塗装する場合約40万円(設置前)約30万円(15年後)約70万円
設置後に塗装する場合約60万円(5年後)約30万円(20年後)約90万円

太陽光発電の設置前に塗装をするほうが、設置後にするよりも20万円程度費用が抑えられることが分かります。

太陽光発電を設置する際は屋根のことも相談してみよう。

太陽光発電を設置する

住宅の耐久性を維持するためには、塗装やメンテナンスを定期的に行うことが大切です。費用の節約という面からも、太陽光発電を設置する前に適切なメンテナンスをするべきでしょう。

屋根がすでに傷んでいる場合や、築後15年以上経っているなら、屋根の塗装やリフォームも視野に入れて、屋根のサービスを提供している施工店に相談するのがおすすめです。

太陽光発電一括見積もりサイトタイナビ

タイナビに登録している施工店の中には、太陽光パネルを設置する際に、屋根に穴を開けない工法を採用しているところもあります。

たとえば、屋根の形に合わせて架台を作り太陽光パネルを載せる工法なら、屋根に穴を開けないため、太陽光パネルを取り外した後もきれいで跡が残りません。

タイナビで太陽光発電の見積りを依頼する際には、自由記入フォームで要望を出すことができます。自宅の屋根の状態が気になる場合やメンテナンスに関する疑問など、屋根に関する相談を記載してください。