太陽熱温水器

毎月送られてくるガス代の明細に頭を悩ませている人も多いと思います。しかし、いざガスの使用量を減らそうにも、お風呂や調理など、生活する上で使わざるを得ないものばかりで難しいですよね。

そこで有効なのが、太陽光の熱を利用してお湯を沸かす「太陽熱温水器」です。

家庭で使用するガスの多くは入浴時の給湯のため、太陽光の力でお湯を無料で沸かせる機器の導入で、月々のガス代を格段に安くできます。

この記事では太陽熱温水器の基本的トピックから、メリット・デメリットまで解説。

ガス代に苦しむ方はぜひ最後まで見てください。

太陽熱温水器とは?

太陽光の熱エネルギーを利用して、タンクに貯めた水をお湯へと変えるのが太陽熱温水器です。

太陽熱温水器の仕組み

太陽光発電に近い仕組みとなっていますが、太陽光発電は電気全般を発電します。対して、太陽熱温水器はお湯のみを沸かします。

それでは、太陽光発電の下位互換ではと連想しがちですが、太陽熱温水器は太陽光発電の半額以下で導入可能。加えて給湯は家庭で消費するエネルギーの1/3をしめているため、その分の光熱費が浮くのは大きな節約に繋がります。

実例をあげると、ある太陽熱温水器メーカーによれば、太陽熱温水器を導入することで、月々のガス代を従来の10%~50%程度にまで削減できています。

太陽熱温水器のお湯を給湯だけに使ってもこの節約額です。入浴時の給湯量をゼロに近づけるというのは、ガス代の大幅削減に繋がることがわかります。

床暖房に太陽熱温水器を活用することもできますので、ガス暖房を使っている家庭では、さらにガスの使用を抑えられます。

太陽熱温水器の普及率

太陽熱温水器

太陽熱温水器の歴史は古く、1970年代頃から一般家庭に広まっていきます。しかし、2000年代からは「太陽光発電」など競合が登場したことがきっかけで、普及率は低下していきました。

現状の普及率は3.4%。同調査では太陽光発電の普及率が6.6%と2倍近い差をつけられています。
※平成26年 総務省「全国消費実態調査」より。

なぜ太陽光発電の方が選ばれているかというと、やはり発電した電気を自家消費できる点でしょう。

普段の電気代を大きく削減できますし、災害などで停電が起こった際も、各種家電を発電した電気で使用可能です。

最近ではエコや自家発電に目を向ける方も増え、太陽熱温水器も徐々に再注目されていますが、やはり現状では太陽発電の方が強い支持を集めています。

悪天候時や雪国でも使える?

太陽熱温水器

雨や曇り、冬場に適温を沸かせるかは導入する機器しだいです。

太陽の熱を集める集熱器が真空管タイプなら、魔法瓶のような構造になっているため、冬場でも40℃以上の温かいお湯を沸かせます。

逆に機種の性能が悪い場合、悪天候時などはお湯の温度は低くなりがちです。従来の給湯システムで沸き増しをして、温度調節をする必要があります。

また、注意すべきは導入地域です。

導入が難しい地域

太陽熱温水器導入
  • 日射量に問題がある地域:
    太陽熱温水器は太陽光がしっかりと差し込む場所に設置する必要があり、屋根の角度や周囲の環境に大きく左右される
  • 雪国や寒冷地:
    氷点下となる地域ではお湯を温めるのは難しく導入非推奨

どちらも素人目では判断しづらい箇所ですので、施工店に依頼して実際に見てもらう方が良いでしょう。

種類は大きくわけて2つ

太陽熱温水器を導入するなら、以下2つのタイプに分かれていることを覚えておきましょう。

①自然落下式

自然落下式太陽熱温水器

屋根の上で温めたお湯をそのまま真下にある湯船に流して使うタイプです。

その仕組み上、沸かしたお湯をシャワーに使えません。また、タンクから供給されるお湯の温度が低い場合、給湯器のお湯を用いて温度調整を手動で行う必要があります。

良くも悪くもシンプルな仕組みのため、自作する人もいます。

ポイントはなんといっても導入費用。

20~30万円と破格の安さです。

実際どれくらいで元を取れるかは、各ご家庭のガス使用量で異なりますが、仮に日々のガス代を1/5に削減できた場合で見てみましょう。

一ヶ月のガス代を5,000円と想定しますと、太陽熱温水器を導入することで、月のガス代を1,000円まで減らせた場合は月4,000円の節約効果!

年間4.8万円分のガス代を削減し、およそ5年前後で導入費用を回収。その後は毎年ガス代を節約できる計算です。

加えて、プロパンガスなど、契約しているガス料金が高いほど、初期費用を短期間で回収できます。

②水道直結式(ハイブリッド型)

水道直結式太陽熱温水器

太陽熱温水器で沸かしたお湯を、湯船ではなく、給湯器に供給するタイプです。既存の給湯システムと同じように扱えるため、温度調整を給湯器側で設定可能。沸かしたお湯をシャワーとしても使えます。

欠点は導入費用が50~100万円と高額な点です。

自然落下式同様、月のガス代を4,000円まで削減できた場合で計算すると、費用回収には10~20年と相応の期間を要します。

予算に余裕がある人は利便性を優先して、高価なものに目が行きがちです。しかし100万円あれば、電気自体を発電できる太陽光発電を導入できます。

太陽光発電は消費する電力の多くを自家発電でまかなえるため、電気代の大幅削減。余った電気は電力会社に売って収入を得られます。

太陽光発電

デメリットは導入費用が100万円台と高額な点ですが、水道直結式のリッチな太陽熱温水器を導入できるなら、太陽光発電にも一度目を向けてみてはいかがでしょうか?

太陽光発電なら、ご家庭内にあるさまざまな電力をまかなえます。

100万円相当の太陽光発電を導入したとしても、およそ10年間で費用を回収できる計算です。

同じ初期費用100万円なら、太陽熱温水器より太陽光発電の方が元を短期間でとれます。

太陽光発電のシミュレーション

また、太陽光発電&エコキュートを導入し、オール電化にすることで、無料とまではいきませんが、低価格でお湯も沸かせます。

https://www.tainavi.com/library/4558/

太陽熱温水器のメリット

太陽熱温水器のメリット

太陽熱温水器のメリットは以下のとおりです。

  • 自然落下式は導入費用が安い
  • エネルギー変換が高効率
  • 屋根全体にパネルを設置する太陽光発電と比べると、省スペース

太陽熱温水器のデメリット

太陽熱温水器のデメリット

設置してから後悔しないためにも、デメリットも把握しておきましょう。

  • 水道直結式は導入費用が高く、太陽光発電とそこまで変わらない
  • 太陽光発電のように発電した電気を売れない
  • 現状では補助金がない
  • ※ 一般住宅用の補助事業が以前はありましたが、現在は非住宅用のみ

  • 屋根の上にタンクを乗せるため、屋根の強度があるていど必要。
https://www.tainavi.com/library/4387/

エコキュートとの違い

エコキュートと

太陽光発電以外では、エコキュートが太陽熱温水器のライバルです。ガス代を削減するため、エコキュートを検討するのも1つの手でしょう。

実際どちらが優れているのか、複数の面から比較してみました。

特徴を比較

エコキュートお湯を電気の力で沸かす
太陽熱温水器お湯を太陽熱で沸かす

電気・ガス代を比較

エコキュート
電気代・ガスで沸かしていたお湯を、
代わりに電気代でまかなう必要がある
・オール電化にすることで、
エコキュートなど深夜間の電気代が安くなる
ガス代給湯時のガス使用量が0円となるため、
月々のガス代は大幅に安くなる
太陽熱温水器
電気代これまでと変わらない
ガス代沸き増しをしない場合、
お風呂のお湯で発生するガス代は0円のため、
ガス代を大幅削減できる

導入費用を比較

エコキュート設置込で50万円前後
太陽熱温水器自然落下式なら20~30万円。
水道直結式(ハイブリッド型)なら
50~100万円ほど

実際に導入するとなると、設備や設置条件、深夜間の使用電力量しだいですので、節約できる額は各ご家庭によって大きく異なるでしょう。

https://www.tainavi.com/library/4924/

太陽熱温水器でガス代を劇的に節約

節約

数十万という少額でも導入でき、日々のガス代を50~10%ほどにまで削減できる太陽熱温水器。

現状では日の目を浴びていませんが、ガス代の節約や環境への配慮、非常時への備えという観点から設置を検討する価値は十分にあります。

ただ、あまりにも高額なものを導入してしまうと費用回収が難しくなるため、

予算が100万円など高額な方は、太陽光発電に目を向けてはいかがでしょうか?

太陽光発電を導入することで、家電全般の電力を自家消費できるため、電気代の大幅削減。停電などいざというときでも、照明やテレビ、冷蔵庫、パソコンなどを使えます。

太陽光発電無料見積もりサイト

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https://www.tainavi.com/library/3977/