太陽光発電を導入しようと考えている家庭は、電気を売ることで収入を得たいという場合が大半だと思います。その際、蓄電池をセットで購入することで、売電収入以外のメリットも得られます。
電気は貯めておくことができない
電気というものは通常、貯めておけないということをみなさんはご存じでしょうか。東日本大震災時には電力に関するさまざまなことが話題になったので、聞いたことがあるという人も多いかもしれません。
基本的に電気は貯められないので、太陽光で発電した電気は「使う」か「売る」しかありません。しかし、「蓄電池」という装置を購入すれば電気を貯めておくことが可能です。蓄電池とは、スマホやパソコン、電気自動車などで使用しているバッテリーのようなものです。
蓄電池のメリットって?
太陽光発電を導入しようと考えている家庭は、電気を売って収入を得たいという場合が大半だと思いますが、蓄電池も合わせて購入すると、次のようなメリットが得られます。
(1)災害などによる停電時でも電気が使える
電気を蓄電池に貯めておけば、災害などで電気が止まった場合でも冷暖房が使えたり、通信手段が確保できたり、テレビやラジオ、インターネットなどで情報収集ができたりと、いざというときでも安心です。
(2)電気料金の値上げ対策になる
電気料金は東日本大震災以降上がり続けていて、2010年(平成22年)と2013年(平成25年)を比較すると、家庭の電気料金はなんと19.4%もアップしています。
そうした電気料金の値上げの影響を少なくするには、太陽光発電でつくった電気を使うのが有効です。値上がりした電気を買わずに済めば、値上がり分を負担する必要がないということです。
(3)電気代を節約できる
深夜の電気料金は昼間よりも安いため、深夜の電気を蓄電池に貯めておけば、昼間は安く電気を使うことができます。
(4)ソーラーシステムで発電した電気を夜間に使える
蓄電池があれば、昼間、太陽光で発電した電気を貯めて、夜使うことが可能です。こちらの場合も同じように電気代の節約につながります。
気になる蓄電池のデメリットとは?
蓄電池の大きな課題は、なんといっても高額だということです。1kWhあたり数十万円してしまうため、電気をそれなりに貯められる容量を買おうと思ったら、数百万円という金額になってしまいます。
つまり、値段が高いというのが蓄電池の大きなデメリットになります。また、装置が大きいので、部屋に置くわけにはいきません。そのため、設置スペースも確保する必要があります。
ただ、これから電気自動車のさらなる開発や普及が進めば、バッテリーも大量生産されることになり、蓄電池の価格も今よりもっと安くなると考えられています。また、今よりももっと小さくなることも考えられるでしょう。
高額な蓄電池に「補助金」という光明
高額な蓄電池ですが、実は国や都道府県から補助金が出ています。国からの補助金は「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」から交付されていて、たとえば個人の場合だと、上限を100万円として機器費用の1/3が補助金として支給されています。
ただし注意しておきたいのは、補助金をもらうためには環境共創イニシアチブが指定する蓄電池を購入しなければならないということ。買う前には、その蓄電池が補助金の対象となっているかどうか、しっかり確認するようにしましょう。
それから、一部の都道府県や市町村からも補助金が出ている場合がありますので、そちらも確認してみてください。たとえば東京都は50万円を上限として、機器費用の1/6が補助金として支給されます。
少しお高い蓄電池ですが、補助金をうまく活用すれば、より安く導入することが可能です。すでにソーラーシステムを導入しているという人も、そうでない人も、一度検討してみてはいかがでしょうか。
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