太陽光発電は家の電力をまかなえるだけでなく、余った電気を売って収入を得ることも可能です。そのため、投資商品としても人気があります。投資というと不動産商品や金融商品などが思い当たりますが、果たしてそれらの商品と比較して太陽光発電はどんなメリットがあるのでしょうか。

太陽光発電の利回りは8〜10%

ソーラーパワーとも呼ばれる太陽光発電は、家の電力をまかなえるだけでなく、余った電気を電力会社に売って収入を得ることも可能です。

そのため、投資商品としても人気があります。投資というと、駐車場やマンション、コンビニ経営といった不動産系の商品のほか、株や先物といった金融系の商品などが思い当たりますが、それらの商品と比較して太陽光発電にはどんなメリットがあるのでしょうか。

ここでは太陽光発電と不動産商品との比較をしてみたいと思います。

不動産投資には駐車場やマンション、コンビニの経営などがあります。それぞれの利回りはどうなっているかというと、マンションの場合は3〜10%、駐車場は4〜6%。また、コンビニは立地条件によって大きく左右されるため、一概にはいえません。

これに対し、太陽光発電の利回りは8〜10%だといわれています。

太陽光発電には競合がいないという事実

不動産商品と比較して特別利回りが突出しているわけではありませんが、太陽光発電には「競合がいない」というメリットがあります。

たとえば駐車場やコンビニの場合は、より低価格な駐車場、より止めやすい駐車場が近くにできたり、より人気のあるコンビニ、より立地のいいコンビニが出店したりすると競争が起こり、減収となるリスクが高まります。

マンションの場合も、入居者を獲得するためにはほかの物件との競争を余儀なくされますし、差別化を図ろうと思ったらそれなりにコストがかかります。さらに、管理会社の選定にも高いスキルが必要です。

一方、太陽光発電は誰かに利用してもらうわけではないので、常に利用者を獲得し続けなければならないというプレッシャーはありませんし、競合が現れる心配もありません。飛び抜けて利回りは高くないにしても、競合がいないというのは大きな強みといえるでしょう。

安定的な収入が得られるのもポイント

売電で収入を得るためには、「電力会社がいくらで電気を買ってくれるか」というのも重要なポイントです。

日本では2012年7月より電力の固定価格買取制度(FIT)がスタートしました。固定価格買取制度とは、ある年に契約を結んだ家庭(事業者)とは、その年に設定されていた価格で一定期間買い取るよう、国が電力会社に義務づけているものです。売電価格が一定期間保証されているため、安定的に収益を得ることができます。

太陽光発電のデメリットを考える

利回りもそこそこで、競合もなく、安定的な収入が得られるとなると、太陽光発電はいいことずくめのように思えますが、デメリットがないわけではありません。パネルに日光が当たることで発電するため、パネルに汚れが付着してしまうと発電量が下がってしまいます。

そのため、定期的にメンテナンスをする必要性があります。また、パネルができるだけ南向きになるように設置しなければなりませんし、日陰にならない位置も考える必要があります。さらに、太陽の光がよく当たるよう、パネルの角度をしっかり調整することも重要です。

大きなデメリットではないかもしれませんが、強いていえばこうしたことが挙げられます。ちなみに設置やメンテナンスに関することは、良心的な施工業者であれば親身になって対応してくれますので、システム導入に際しては優良業者を見つけることも肝心です。

太陽光発電で収入を得るには「早期導入」がポイント

再生可能エネルギーの先進国であるドイツでは、2000年より固定価格買取制度を導入しました。しかし、電力の買い取りにはコストがかかるため、買取価格は年々下がっていっています。

30kW未満の買取価格は2005年時点で74.6円/kWhでしたが、2012年には31.8円/kWhにまで下落してしまいました。
※1ユーロ=130円で換算、出典:経済産業省資料

わが国での買取価格も実は年々下がっていて、10kW未満の場合だと2010年には48円/kWhだったのが、2015年には35円・33円(条件によって異なる)にまでなっています。

今後も買取価格は下がっていくことが予想されるため、太陽光発電で安定的に収入を得ようと思ったら、早めにスタートするほうがいいかもしれません。