太陽光パネルなどを生産するメーカーの一つに、Qセルズという会社があります。Qセルズとは、どのような特徴を持つ製品を生産しているのでしょうか。
同社のこれまでの実績や評価、その製品のメリットやデメリットも踏まえながら解説します。この記事を読めば、Qセルズとその他のメーカーを比較した上で、太陽光発電システムを選ぶことができるでしょう。
太陽光発電メーカーQセルズとは?
Qセルズは1999年にドイツで創業した、太陽光発電関連機器メーカーです。かつては、ドイツ国内で開発から生産までを手掛けており、2000年代後半には世界シェア一位を獲得するほどでした。
しかし、その後は中国メーカーなど低価格を売りにするメーカーとの価格競争に敗れ破産し、最終的には2012年に韓国企業に買収されています。
Qセルズを買収した企業は韓国の10大企業の一つであるハンファ・グループであり、そのため現在のQセルズの正式名称はハンファQセルズとなっています。
ハンファQセルズになってからは、研究拠点をドイツに、生産拠点を人件費の安い中国、マレーシア、韓国に置いています。
太陽光パネルに関するQセルズの実績
Qセルズの太陽光パネルメーカーとしての実績はとても優れていると言えます。太陽電池の基本単位であるセルの生産量において、同社は2006年にヨーロッパで首位、2007年と2008年に全世界で首位を獲得しました。
また、2018年には一般家庭に向けの再生可能エネルギーを生産するとして、韓国全土のガソリンスタンドの屋根に太陽光パネルを設置するプロジェクトを発表しています。
Qセルズ製太陽光パネルの代表的な機種・シリーズ
Qセルズが手掛ける太陽光関連製品のうち、代表的な機種やシリーズを挙げます。ハンファQセルズとなった現在は住宅用、及び産業用の太陽光発電システムを提供しています。
具体的には、ハンファQセルズ自体が製造するQ.PEAK-G4.1300や、ハンファ・グループ内のハンファソーラーワンが手掛けるSF160-24-1M200L-Wといった機種があります。
Qセルズ太陽光パネルの代表機種の特徴とは?
Qセルズ製の太陽光パネルの特徴に見ていきます。Qセルズは、住宅用製品としてQ.PEAK(キュー・ピーク)とQ.PLUS(キュー・プラス)という2シリーズを製造・販売しています。Q.PEAKは単結晶である、Q.PLUSは多結晶の中では発電効率がよいという特徴があります。
産業用にはQ.PRO(キュー・プロ)シリーズがあります。Q.PROは多結晶であり、比較的価格が安いことが特徴です。Q.PROは実地実験で、発電量で世界4位、多結晶のみで考えた場合世界1位という優れた実績を残しています。
Qセルズはこれらの製品を、フルオートメーションで製造しています。そのため、高品質を維持することができ、不良品発生率は0.0025%と非常に低いものとなっています。
Qセルズ製太陽光パネルのメリット・デメリット
このように、Qセルズが製造する太陽光パネルには、色々な特徴や実績があります。そのため、それらを使うことには、言うまでもありませんが、メリットが存在します。一方で、Qセルズの製品にはデメリットも見受けられます。
Qセルズ製太陽光パネルのメリット
まずは、Qセルズ製太陽光パネルのメリットです。一つは、欠陥が少なく耐久性に優れている一方で、日本のメーカー製のものよりも価格が安いことです。
これは、先に述べたように、製品の生産はオートメーション化されており、アジア圏の国々で行われていることに起因します。また、ソーラーパネル、パワーコンディショナー、施工が一つのパッケージになっており、楽に導入できることもメリットです。
Qセルズ製太陽光パネルのデメリット
次に、Qセルズの製品のデメリットです。まずは、パネルの大きさにそれほど種類がないため、標準的でない形の屋根には設置できない場合があることです。製品がパッケージされて販売されている便利さの影には、このようなデメリットも存在するようです。
また、一度破綻していることもデメリットだと言えるかもしれません。破綻した過去があるのでQセルズに対し不安を感じる人もいるでしょう。ただ、現在の好調な業績を見る限りは、あまり過度に心配する必要はないように見えます。
Qセルズ製太陽光パネルの価格相場
Qセルズ製太陽光発電システムの主な機種の価格帯を紹介します。
・Q.PEAK-G4.1300(ハンファQセルズ製)
この製品はQセルズの住宅用主力製品となっています。ソニックやシャープと言った日本の大手メーカーの製品と比べると、変換効率は多少低いと言えますが、その分価格も抑えられています。
この製品の相場はおよそ28万円台となっています。1kW単価で考えた場合の相場は、22万円台です。
・SF160-24-1M200L-W(ハンファソーラーワン製)
ハンファソーラーワンはハンファQセルズへと統合されたため、この製品の取り扱いは既に終了している可能性もあります。相場は1kW単価で29万円台となっています。
Qセルズ製太陽光パネルの保証内容
Qセルズの太陽光関連製品には、様々な保証が用意されています。
・15年長期安心システム保証(無償)
システムに製造上の不具合や欠陥が見つかった場合に、修理や交換を行うための保証です。パワーコンディショナーが50KW未満の太陽光発電システムが対象となっています。
・25年長期出力保証(無償)
モジュールの出力に関わる保証です。初年度は97%、2年目以降は毎年0.6%の出力低下を下限に出力の保証をします。
・災害補償制度
人工災害や火災、盗難などによってQセルズの製品が損害を受けた場合の補償です。連系日からの10年間が、補償期間です。
・日照補償制度
日照時間不足のための補償です。気象庁が公表する客観的なデータをもとに、補償の判断がなされます。保証期間は連系日より1年間です。
Qセルズ製太陽光パネルの評価や口コミ
Qセルズの製品を利用している人や、今後利用しようと思っている人の口コミや評価を紹介します。
・Qセルズは、もとはドイツのメーカーなので技術力が高いです。その一方で、現在韓国企業の傘下にあるためか、日本国内のメーカーの製品よりは価格が安いです。
・Qセルズの太陽光パネルは、耐久性が良いことが魅力的です。
・性能とデザインを両立させていることが、Qセルズを選んだきっかけのひとつです。デザインがシンプルで屋根の上にあっても景観を損ないません。小型の太陽電池モジュールならば、小さい屋根にも取り付けることができると思います。
口コミとして多いのがコストパフォーマンスの良さです。また、技術力や性能の高さなど、品質の良さもうかがえます。
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Qセルズの太陽光発電システムは、低価格でありながらも性能や耐久性の点で優れているという特徴があります。特に欠陥品が少ないことは、長期間にわたって使用する製品であることを考えると、大きなメリットだと言えます。
この記事を読んで、Qセルズと他のメーカーを比較してみたくなったという方もいることでしょう。そのような方は、住宅用はタイナビへ、産業用はタイナビNEXTへ太陽光パネルの一括見積りを依頼してみてはいかがでしょうか。
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国内主要メーカー
- シャープ(SHARP)
- 京セラ(KYOCERA)
- パナソニック(PANASONIC)
- 東芝(TOSHIBA)
- 三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC)
- ソーラーフロンティア(SOLAR FRONTIER)
- フジプレアム(FUJI PREAM)
- ホンダソルテック(HONDA SOLTEC)
- ソラキューブ(SOLA CUBE)
- ループ(Looop)
- 長州産業(CIC)